的確なワンツーと抜群の洞察力が光る攻防兼備のスーパースター候補

アメリカ出身のミゲール・ガルシアは、タイミング抜群のパンチと冷静に試合の流れを読み取る洞察力を兼ね備えた攻防兼備のテクニシャンです。ニックネームは「マイキー」。アメリカでは、マイキー・ガルシアの愛称で親しまれています。

ミゲール・ガルシアのボクシングの特徴を一言で説明するなら「石橋を叩いて渡るボクシング」。対戦相手のダメージやスタミナに気を配りながら、相手が反撃できない状態まで追い込むまで、決して無理はしません。

初めてミゲール・ガルシアの試合を観たときの感想は「若いけど、ベテランみたいな戦い方をするボクサーだね。絶対に無理しないタイプなんで、対戦相手は嫌だろうなあ。序盤でポイントを失うと、最も追い上げにくいタイプじゃないかな？」でした。

パンチ力がないからフィニッシュに行かないわけじゃなくて、パンチ力もあって、当て勘もめちゃめちゃ優れているのに、じっくりと相手のダメージとスタミナを確かめながら戦うんですよ。若いときから荒々しさや若々しさと無縁のボクサーでした。

デビュー当時からベテランのようなボクシングを披露するミゲール・ガルシアの魅力は、何と言っても、試合の流れを読み取る洞察力。ダメージを与えて、与えて「倒せる」と思ったら、倒し切っちゃう強さがあります。

ミゲール・ガルシア最大の武器は、めっちゃ鋭くて強烈なワンツー！強烈な左ジャブで相手のブロックに穴を開けて、すき間から間髪入れず右ストレートをねじ込みます。パワーだけじゃなくて、切れ味がすごいんです！ワンツーの後に打ち込む左フックの返しも強烈ですよ。

ミゲール・ガルシアのボクシングはすごく基本に忠実で「何度も何度も練習を重ねてきたんだろうなあ」と実感することができるので、個人的にめっちゃ応援したくなるタイプです。戦術や見た目に派手さはありませんが、ボクシングの技術は超一級品ですね。

ボクシング一家に育ったミゲール・ガルシアは2006年7月にプロデビュー。4ラウンド判定勝ちで、デビュー戦を白星で飾ります。めちゃめちゃ慎重な戦いぶりが、とても印象的なデビュー戦でした。

デビュー戦を白星で飾ったミゲール・ガルシアは、父のエドゥアルド・ガルシアと兄のロバート・ガルシアの指導を受けながら、連戦連勝を続け、2011年3月に全勝のマット・レミラードと対戦します。

結果は、ミゲール・ガルシアの10ラウンド終了TKO勝ち。全米が期待した注目の全勝ホープ対決で圧巻のボクシングを披露しました。実戦を重ねながら、ボクシングに磨きをかけるミゲール・ガルシアは2012年3月、バーナベ・コンセプションと激突します。

世界タイトル挑戦権のかかる大一番で、ミゲール・ガルシアは真価を発揮。2度の世界タイトル挑戦経験を持つバーナベ・コンセプションを圧倒し、7ラウンドTKO勝ちで世界タイトル挑戦権を手にします。

ターゲットとなるチャンピオンはオルランド・サリド。タフで経験豊富な雑草チャンピオンとエリート挑戦者の対戦は、アメリカとメキシコで大きな話題を呼び、2013年1月、注目の新旧対決が実現します。

結果は、ミゲール・ガルシアの8ラウンド負傷判定勝ち。オルランド・サリドから4度のダウンを奪う圧勝で、悲願の世界タイトル奪取に成功。ボクシング一家に育った若きスーパースター候補が世界タイトルを手に、大きな一歩を踏み出した瞬間でした。

オルランド・サリドに圧勝したミゲール・ガルシアは2013年6月、強打のファン・マヌエル・ロペスと対戦。計量に失敗し、試合前にタイトルを失う失態を演じてしまいましたが、結果は4ラウンドTKO勝ち。汚名返上の勝利で実力を強烈にアピールしました。

新旧対決に連勝したミゲール・ガルシアはスーパーフェザー級へ転向を表明し、2013年11月、2階級制覇をかけてローマン・マルチネスに挑戦します。結果は8ラウンドKO勝ちで2階級制覇を達成。2ラウンドにダウンを奪われてしまいましたが、温存していた左ボディブローを叩き込み、ローマン・マルチネスをリングに沈めた逆転劇でした。

2階級制覇を達成したミゲール・ガルシアは2014年1月、ファン・カルロス・ブルゴスと初防衛戦で激突。2ラウンドに強烈な左フックを浴び、危ない場面もありましたが、3ラウンド以降は冷静に試合をコントロールして、12ラウンド判定勝ち。若きスーパースターの底力を感じた初防衛戦でした。

卓越したボクシング技術を武器に全勝で頂点へ駆け上がったミゲール・ガルシア。大きな期待を寄せられる若きスーパースター候補の戦いは、世界チャンピオンベルトを腰に巻いた瞬間から激しさを増しそうです。大注目のサラブレッドですよ！

ミゲール・ガルシアのプロフィール