対戦を熱望するアジアのスター！日本人が期待するドリームマッチ実現の行方は？

2012年7月7日（日本時間7月8日）、スーパーバンタム級の2本のベルトをかけて、WBOチャンピオンのノニト・ドネアとIBFチャンピオンのジェフリー・マセブラが拳を交えました。結果は、ノニト・ドネアの12ラウンド判定勝ち。大方の予想通り、ノニト・ドネアが王座統一に成功しました。

正直なところ、ノニト・ドネアの出来は、ここ数年で一番悪かったと思います。「フィリピンの閃光」と呼ばれる切れ味鋭いボクシングは完全に姿を消し、大振りの左フックを連発するボクシングは「軽量級最強」の称号を手にするスーパースターとは思えないくらい「大味」でした。

しかし、乱暴な言い方をすると、管理人にとって「ドネアが勝ってくれれば、内容は全く気にならない王座統一戦」でした。久しぶりに内容より結果を気にしながらボクシングの試合を観戦しました。試合後にリング上で行われたインタビューこそ、管理人が期待する「すべて」だったからです。

2本のベルトを手にし、リング上でインタビューに応じるノニト・ドネア。慣れた口調で試合を振り返るスーパースターの横には「スーパーバンタム級最強」の称号を分け合う「孤高の王者」の姿がありました。日本人初の名誉チャンピオンに認定された西岡利晃選手です。

【Photo:The Ring Magazine】

リング上で「次はオレと戦おう」と直談判する西岡利晃選手に対して、ノニト・ドネアは「ニシオカはスーパーバンタム級のベストだよ。ニシオカを倒さない限り、『最強』の称号は手にできない。どちらがベストか戦って決めよう」と熱く語りました。

日本が誇る名誉チャンピオンの西岡利晃選手。フィリピンが生んだ4階級制覇チャンピオンのノニト・ドネア。スーパーバンタム級を主戦場にするアジア出身の両雄は「どちらがベストか」を決めるスーパーバンタム級の最強決定戦に乗り気です。

「相思相愛」の両雄ですが、対戦を実現するための障害もあります。「軽量級のドル箱スター」ノニト・ドネアの元には、西岡利晃選手をはじめ、WBAチャンピオンのギジェルモ・リゴンドー、WBCチャンピオンのアブネル・マレス、5階級制覇チャンピオンのホルヘ・アルセなど、名立たる強豪から対戦オファーが殺到しています。

ノニト・ドネア本人が「私が選べるなら、次はニシオカと戦いたいよ」と宣言しているように、ノニト・ドネアは西岡利晃選手との対戦を熱望しています。しかし、本人の意向だけでマッチメイクを決められないところがスーパースターの辛いところです。

ノニト・ドネアをプロモートするトップランク社は、ギジェルモ・リゴンドーとホルヘ・アルセもプロモートしているので、マッチメイクしやすいというアドバンテージがあり、実現する可能性が最も高いと言われています。

また「Ring Magazine」の公式サイトで行われたアンケート結果が示すように「ファンもギジェルモ・リゴンドーとノニト・ドネアの対戦を希望していること」がノニト・ドネア対ギジェルモ・リゴンドーの実現を後押しする可能性があります。

マッチメイクの障害や世論を考えると、ノニト・ドネアの次戦の相手はギジェルモ・リゴンドーが頭ひとつ抜け出ているような気がします。しかし、ノニト・ドネア本人は、ギジェルモ・リゴンドー戦に乗り気じゃないんです。

オリンピックで2大会連続の金メダルを獲得し、プロの世界でも全勝で世界タイトルを手にしたギジェルモ・リゴンドーについて「プロの世界で強いボクサーと戦っていないよね。私やニシオカのレベルに達していないと思うよ」と早期の対戦をやんわりと否定しています。

ノニト・ドネアをプロモートするトップランク社と放映権を持つテレビ局のHBOが「GO」を出し、条件面で折り合いがつけば、今年中に西岡利晃選手とノニト・ドネアのドリームマッチが実現する可能性は十分にあると思います。

西岡利晃選手とノニト・ドネアがリングで向かい合い、少しずつ距離を詰める姿を想像するだけで、テンションが上がっちゃいますね。日本だけでなく、世界のボクシングファンが注目する夢の対決。ドリームマッチが夢物語で終わりませんように。

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