ウェルター級12回戦
元6階級制覇 | マニー・パッキャオ(フィリピン) 戦績:60戦54勝38KO4敗2分 |
4階級制覇 チャンピオン |
ファン・マヌエル・マルケス(メキシコ) 戦績:61戦54勝39KO6敗1分 |
マニー・パッキャオ対ファン・マヌエル・マルケス第4戦の試合内容(前編)
ボクシング史上2人目の6階級制覇を成し遂げたマニー・パッキャオと4階級制覇の実績を誇るファン・マヌエル・マルケスが1年ぶりに激突する第4戦。「三部作」で終わらなかった因縁のライバル対決が「完全決着」を掲げ、禁断のステージに突入します。
マニー・パッキャオとファン・マヌエル・マルケスは過去に3度対戦し、戦績はマニー・パッキャオの2勝1分。いずれも判定決着で、マニー・パッキャオもファン・マヌエル・マルケスも「第4戦はKOを狙う」と宣言しています。
お互いに「宿命のライバル」と認めるマニー・パッキャオとファン・マヌエル・マルケスの第4戦。マニー・パッキャオが3連勝を飾るのか?ファン・マヌエル・マルケスが悲願の初勝利を手にするのか?世界中のボクシングファンが「完全決着」を期待する禁断の扉がついに開かれました。
【Photo:The Ring Magazine】
試合は、細かいステップを踏みながら飛び込んで得意の左ストレートを狙うサウスポーのマニー・パッキャオに対して、ファン・マヌエル・マルケスは左ジャブで距離を取りながらカウンターを打ち込むタイミングを確認する展開で始まります。
「パッキャオは予想通り、攻撃的なボクシングだね。本人が宣言したように、若い頃のパッキャオの試合を観ているみたいだよ。逆に、マルケスは落ち着いた立ち上がりだね。序盤で相手の戦力と作戦を分析するマルケスらしい立ち上がりだよ」と両者の作戦に注目する管理人。
立ち上がりで驚いたことは、宣言通り、真っ向から攻撃を仕掛けるマニー・パッキャオのボクシングです。メキシコ勢を次々の撃破してスーパースターの地位を確立した頃を彷彿とさせる「ガムシャラなボクシング」でファン・マヌエル・マルケスに襲いかかります。
【Photo:The Ring Magazine】
一方のファン・マヌエル・マルケスは試合前の言葉と裏腹に慎重な立ち上がりです。まずは、序盤にめっぽう強いマニー・パッキャオの攻撃を回避するため、ディフェンスに重点を置きながら、打ち終わりにパンチを返して追撃を防いでいます。
「パッキャオの攻勢がどこまで続くかな?序盤にダウンを奪えたら、パッキャオが一気に試合を決めそうな雰囲気だね。マルケスは序盤でポイントを失いすぎると苦しくなるんで、できるだけ早い段階で反撃に転じたいなあ」と思い始めた3ラウンド。試合が大きく動きます。
ファン・マヌエル・マルケスが左フックを顔面だけでなく、ボディーに打ち始め、パンチを上下に散らします。そして迎えた3ラウンド中盤、ファン・マヌエル・マルケスがロングの右フックをマニー・パッキャオの顔面に叩き込み、マニー・パッキャオが後ろに崩れ落ちます。
【Photo:The Ring Magazine】
「なぬっ!パッキャオが先にダウンしちゃったよ。あれ?ダメージ深いかも」と衝撃のダウンに驚く管理人。ファン・マヌエル・マルケスが右ストレートのフェイントを入れて、マニー・パッキャオがガードを絞った瞬間、外側からロングのフックを叩き込みましたね。
「さすがマルケス。その前のボディー攻撃から始まって、ものすごい伏線を用意してるね」とファン・マヌエル・マルケスのテクニックに脱帽の管理人。マニー・パッキャオはダウンからすぐに立ち上がり、試合再開後も自分から攻撃を仕掛けていますが、足がバタバタしていますね。
4ラウンドに入ると、ダウンを奪われたマニー・パッキャオが攻勢を強めます。積極的にプレッシャーをかけ、ファン・マヌエル・マルケスにパンチを連打。一方のファン・マヌエル・マルケスは、自分から攻撃を仕掛けることはなく、カウンターで応戦します。
「本能むき出しのパッキャオと怖いくらい冷静なマルケス。ボクシングの原点と科学が共存する、すごい戦いになってきたね。このペースで戦うと、パッキャオは12ラウンドまで持たないんじゃないかな?」と壮絶なプライドのぶつかり合いに大興奮の管理人。
一進一退の攻防が繰り広げられながら迎えた5ラウンド1分。今度はマニー・パッキャオの「伝家の宝刀」が火を噴きます。ファン・マヌエル・マルケスの左ジャブに合わせて、コンパクトな左ストレートを放ち、ダウンを奪い返します。
【Photo:The Ring Magazine】
「絶妙!さすがパッキャオだよ。マルケスの左ジャブが増えてきたところを逆に利用したダウンだね。フィジカルのダメージはそれほど深くないと思うけど、このダウンで精神的に盛り返したんじゃないかな?」とマニー・パッキャオに大きな拍手を送る管理人。
ダウンを奪ったマニー・パッキャオは一気に勝負を仕掛けます。猛然と襲いかかるマニー・パッキャオに対して、ファン・マヌエル・マルケスはこれまでより力強いパンチを上下に打ち分けて応戦。どちらが倒れてもおかしくない強烈なパンチの交換が繰り広げられています。