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全勝王者「神の子」アンドレ・ウォードが選ぶパウンド・フォー・パウンドは?

アンドレ・ウォード「パウンド・フォー・パウンドはフロイド・メイウェザー」

劇的な復活を果たした「神の子」が選んだ「パウンド・フォー・パウンド」は「天才」の名をほしいままにする「史上最速のスピードスター」でした。「スーパーミドル級ナンバーワン」の呼び声が高い全勝チャンピオンのアンドレ・ウォードが「パウンド・フォー・パウンドを選ぶなら誰か?」を質問され、フロイド・メイウェザーの名前を挙げました。

「プロボクサーである限り、パウンド・フォー・パウンドの頂点に立ちたいと思ってるよ。でも、客観的に考えると、パウンド・フォー・パウンドに最もふさわしいボクサーは、メイウェザーだね。最高レベルのボクサーたちと戦い続けて、全勝をキープしている実績を考慮すると、文句のつけようはないんじゃないかな?残念だけど、私はナンバーワンじゃないよ」

「将来、メイウェザーが引退したり、もしかして、負けたりすることがあれば、私をパウンド・フォー・パウンドのナンバーワンに推してくれる声があるかもしれないね。実際、現時点で、私はパウンド・フォー・パウンドの2位にふさわしい活躍を続けていると思う。でも、現時点でナンバーワンはメイウェザーだ。彼はナンバーワンの称号に最も値するボクサーだよ」

パウンド・フォー・パウンドをチョイス
【Photo:HBO

アンドレ・ウォードの人柄がよく表れたコメントですね。ちなみに、2013年12月の時点で、素人ファンが選ぶ「パウンド・フォー・パウンド」のトップ3は、第1位がフロイド・メイウェザー、第2位がウラディミール・クリチコ、第3位がアンドレ・ウォードです。

過去の対戦相手と試合数、試合内容を考慮して決定しているのですが、対戦相手の実力だけを考えると、第3位のアンドレ・ウォードのほうが、第2位のウラディミール・クリチコより強豪と対戦しています。ウラディミール・クリチコの場合は、強すぎて「ウラディミールに勝てるかも」と期待できる挑戦者がなかなか登場しないので、逆に、気の毒なところもあるんですけどね。

そんなこんなで、もしフロイド・メイウェザーが引退したり、負けちゃったりしたら、アンドレ・ウォードが「パウンド・フォー・パウンド」のナンバーワンにランクされる可能性は十分にあると思います。派手な試合は少ないのですが、ほとんどの試合で圧勝しているんですよ。しかも、アンドレ・ウォードが対戦しているボクサーは、強豪ばかりです。

パウンド・フォー・パウンド上位のトップボクサー
【Photo:HBO

個人的に、1年2か月ぶりの復帰戦となったエドウィン・ロドリゲス戦は「さすが、ウォードだなあ」と感心しちゃいました。例えば、ファイターのマルコス・マイダナに先制攻撃を許して、プロ初黒星を喫してしまった若きスーパースターのエイドリアン・ブローナーと比較すると、アンドレ・ウォードの「判断力」のすばらしさが浮かび上がってくると思います。

復帰戦の対戦相手のエドウィン・ロドリゲスは、開始直後からアンドレ・ウォードにすさまじいプレッシャーをかけてきました。おそらく、エドウィン・ロドリゲスは、アンドレ・ウォードが「久しぶりの試合だったこと」「距離をキープされると、捕まえきれないこと」を考慮して、開始直後から勝負に出たと思うんです。ディテールは違いますが、マルコス・マイダナの作戦と似ています。

頭から猛然と突っ込み、アンドレ・ウォードの体に組みつきながらパンチを打ち込むエドウィン・ロドリゲスに対して、アンドレ・ウォードの選択は「無理にクリンチを振りほどこうとするのでなく、クリンチを徹底し、バッティングに気をつけながら、クリーンヒットを回避すること」でした。

正直なところ、アンドレ・ウォードのクリンチは、めちゃくちゃ予想外でした。フィジカルの強さはエドウィン・ロドリゲスがアンドレ・ウォードを上回っています。そんなわけで、アンドレ・ウォードのスピードがあれば、離れて戦うことが最も安全な選択肢だと考えていました。

SOGジャブ
【Photo:HBO

でも、試合を観戦しながら「離れて戦うと、元気なロドリゲスが何度も飛び込んできて、その度にクリンチしなきゃいけないんで、逆に、嫌なのかな?しかも、ロドリゲスが頭から突っ込んでくるんで、頭がぶつかる確率も高いもんね。その点、ロドリゲスの体に頭をつけて、クリンチで耐えている間は、バッティングを回避できるよ。スタミナは必要だけど、ダメージは少ないね」と感じました。

アンドレ・ウォードにとって、決して「かっこいい」とは言えない1ラウンドと2ラウンドでした。でも、捨て身で勝負してくるエドウィン・ロドリゲスの危険を察知し、最もダメージの少ない選択肢を選んで、リスクを回避した勇姿に強さの秘密を見た気がします。アンドレ・ウォードらしくない「クリンチ」を迷わず選択できる「神の子の判断力」は想像以上の武器なのかもしれません。

エドウィン・ロドリゲスの猛攻に耐えたアンドレ・ウォードは3ラウンドに入り、反撃を開始。プレッシャーが弱まると、距離をキープして「SOGジャブ(相手の顔が跳ね上がるくらい強くて、速いアンドレ・ウォードの左ジャブ)」をバンバン叩き込み、一気に主導権を握りました。1年2か月ぶりのリングで「最高レベルの判断力」を見せつけたアンドレ・ウォードの復帰戦でした。

エドウィン・ロドリゲスの捨て身の攻撃に珍しく熱くなる場面があったアンドレ・ウォードですが、冷静さを失わず「リングでベストの答えを見つけることができる能力」は「神の子」の特筆すべき才能です。「神の子」アンドレ・ウォードが「パウンド・フォー・パウンドのナンバーワン」と賞賛するフロイド・メイウェザー。超一流のボクサーも認める唯一無二の「天才ボクサー」ですね。

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WBC世界スーパーフェザー級チャンピオンの三浦隆司選手も同じイベントに登場します。

テレビ放送日時 11月21日(土)HBOでPPVライブ中継(アメリカ)
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