キース・サーマンとアミール・カーンがフロイド・メイウェザーに挑戦状
WBA世界ウェルター級の暫定タイトルを保持する「ワンタイム」キース・サーマン。絶大な人気を誇る「イギリスのキング」アミール・カーン。最激戦区ウェルター級を主戦場にする2人のボクサーは、フロイド・メイウェザー対マルコス・マイダナの再戦のテレビ中継にゲストとして登場し、インタビュアーのブライアン・ケニーから試合予想についてのコメントを求められました。
キース・サーマンとアミール・カーンの予想は「メイウェザーが有利」でした。フロイド・メイウェザー対マルコス・マイダナの再戦は、両雄が予想した通りの結末で終幕。WBAとWBCの世界ウェルター級タイトル、さらに、WBC世界スーパーウェルター級タイトルを保持する「天才」フロイド・メイウェザーが、キース・サーマンとアミール・カーンに改めて存在感を示す防衛戦でした。
キース・サーマンとアミール・カーンは「どちらも世界ランキング1位」という共通点があります。キース・サーマンはWBA、アミール・カーンはWBCのランキング1位です。ちなみに、WBAは暫定チャンピオンをランキング1位と考え「次期挑戦者」として位置づけています。そんなわけで、キース・サーマンもアミール・カーンもフロイド・メイウェザー戦を待たされているんです。
【いつでもKO狙い!最も注目している若きスーパースター候補のキース・サーマンです】
2014年は、フロイド・メイウェザーがマルコス・マイダナと連戦したので、キース・サーマンとアミール・カーンにチャンスはありませんでした。両雄の「もどかしい気持ち」を知っているブライアン・ケニーは、キース・サーマンとアミール・カーンに「2人ともランキング1位だけど、メイウェザーと戦いたいよね?」と質問。まず挑戦状を叩きつけたボクサーは、キース・サーマンでした。
「もちろんだよ!ずっとランキング1位なのに、挑戦のチャンスがもらえないんだ。ランキングシステムの意味って何だろうね?でも、忍耐強く待ち続けるよ」と苦笑いで語りました。一方、アミール・カーンはオンエアの都合上、時間切れでキース・サーマンに続いて質問に答えることはできなかったのですが、試合後のインタビューで次のようなコメントを発表しています。
「メイウェザーと試合をすることが目標じゃないんだ。勝つことが目標だよ。マイダナとの再戦は文句なしにメイウェザーが勝っていたと思う。でも、メイウェザーに衰えを感じたことも事実だよ。再戦に限って言うと、メイウェザーの動きを速いと感じなかったんだ。スピードは健在だったと思う。でも、遅くなっていることは間違いないよ。コンビネーションも使えなくなってるね」
素人ファンもフロイド・メイウェザーが引退を撤回して再起した2009年9月以降の試合で最も出来が悪かったと感じました。アミール・カーンが言うように「王様は健在」です。でも「あれ?メイウェザーが普通にパンチをもらってる」と感じる回数が多くて「メイウェザーが普通にパンチをもらっちゃう感覚がすごく気持ち悪いなあ」と不思議な感覚で試合を観戦しました。
もちろん、フロイド・メイウェザーも人間なので、パンチをもらうことはあるんですけど、パンチのもらい方があまりに普通だったので「違和感」を感じてしまいました。マルコス・マイダナにパンチをダッキングでかわされ、右ストレートのカウンターをまともに被弾するフロイド・メイウェザーの姿を見て「うそっ!メイウェザーが一番もらっちゃダメなパンチじゃない?」と驚きました。
フロイド・メイウェザーが世界タイトルを奪還した3年前だったら、キース・サーマンとアミール・カーンが勝つ想像をできません。でも、今なら「どっちが戦っても可能性はゼロじゃないよ。だって、2人とも速いもん。サーマンは手数とパワー、カーンはスピードと手数で勝負できればおもしろいんじゃないかな?」と感じています。2人の挑戦状は「ボクシング界の王様」に届くかな?