減量とは、自分の体重を試合前に決められた体重以下にする作業で、ボクサーにとって最も過酷な作業と言えます。減量もボクサーの大切な仕事のひとつで、「減量ができないボクサーはボクサー失格」と言われますが、一般人と違って、普段から体を絞り込んでいるボクサーの減量は私たちの想像以上の辛さだと思います。
10代、20代はまだまだ体が大きくなる時期、30代、40代は体重が落ちにくくなる時期なので、基本的にボクサーは常に減量と戦っていることになります。そのため、体重苦を理由に上の階級へ転向するボクサーもたくさんいます。
上の階級へ転向すると、減量は楽になりますが、相対的に相手のパンチ力、耐久力が上がるので、一概に「減量苦だから上の階級へ上がればいい」とは言えないんです。ちなみに、ヘビー級は体重の上限がないため、「減量とは無縁だ」とよく言われますが、体重を増やしすぎるとスピードが落ちるなどのデメリットもあるので、ボクサーはそれぞれにあった適性体重を見つける必要があります。