WBA世界ヘビー級タイトルマッチ

試合内容

スピードとパンチのキレを武器にボクシング最重量級のヘビー級で革命を起こし続けるデビッド・ヘイが、シドニー・オリンピックの金メダリスト（スーパーヘビー級）、オードリー・ハリソンを挑戦者に迎えて2度目の防衛戦を行います。スピードとパンチのキレで勝負するデビッド・ヘイ対サウスポーのテクニックを生かして戦うオードリー・ハリソンという図式ですね。

実はデビッド・ヘイとオードリー・ハリソンは試合前から舌戦を繰り広げ、リング外でもめちゃめちゃヒートアップしているんです。因縁のイギリス人対決を制するボクサーは、ヘビー級タイトルの統一を狙うデビッド・ヘイでしょうか？それともプロデビュー10年目で初の世界タイトル挑戦となるオードリー・ハリソンでしょうか？ヘビー級戦線の行方を左右する注目のタイトルマッチです。

試合はデビッド・ヘイとオードリー・ハリソンのどちらも相手の様子をうかがう静かな立ち上がり。身長で5センチ、体重で20キロ、リーチで20センチ上回るサウスポーのオードリー・ハリソンは距離を取って、しかもガードをガッチリと固めてデビッド・ヘイのパンチを警戒しながら戦っています。

一方、チャンピオンのデビッド・ヘイは、頭の位置を細かく動かしながら左ジャブを突き、右ストレート、右フックを打ち込むタイミングを確かめているようです。1ラウンドはデビッド・ヘイもオードリー・ハリソンもほとんどパンチを出していませんが、一撃で試合が終わってしまいそうな、めちゃめちゃ緊張感のある試合ですね。

2ラウンドに入ると、少しずつタイミングをつかみ始めたデビッド・ヘイがオードリー・ハリソンにプレッシャーをかけてロープに詰め、右ストレートを打ち込みます。オードリー・ハリソンはガードを高く構えてデビッド・ヘイのパンチをブロックしていますが、デビッド・ヘイの圧力を相当感じていますね。

「パンチの交換は少ないけど、ヘイがハリソンに無言の圧力をかけ続けているよ。ハリソンはガードをすることが精一杯で全く攻撃に行けないなあ」と思っていると、3ラウンド開始40秒、オードリー・ハリソンの右ジャブをダッキングでかわしたデビッド・ヘイがそのまま踏み込んで右ストレートをオードリー・ハリソンの顔面にヒットさせます。

このパンチでバランスを崩してしまうオードリー・ハリソン。「ここがチャンス！」と確信したのか、デビッド・ヘイは左右のフックを連打して、オードリー・ハリソンをロープへ追い詰めると、狙い澄ました強烈な右ストレートをオードリー・ハリソンのアゴに叩き込み、オードリー・ハリソンの動きが一瞬止まります。

「うわ！これは効いたよ」と思わず叫ぶ管理人。ガードを固めて必死に耐え抜こうとするオードリー・ハリソンに対して、デビッド・ヘイは左右のフック、右アッパー、右ストレートを連打し、最後は右フックの3連打をテンプルに叩き込んでダウンを奪います。

悲願の世界タイトル奪取に向け、何とかダウンから立ち上がるオードリー・ハリソン。しかし、「ファイト」と同時にデビッド・ヘイが襲い掛かり、右ストレート、右アッパー、右フックを打ち込んでオードリー・ハリソンがフラフラになったところで、レフェリーが試合をストップ！デビッド・ヘイが3ラウンドTKO勝ちでオードリー・ハリソンを撃破し、2度目の防衛戦に快勝しました。

スピードと攻撃力で上回るデビッド・ヘイが、体格で上回るオードリー・ハリソンを真っ向から破壊した試合でしたね。一言で言えば、「役者が違う」戦うぶりでした。デビッド・ヘイは試合開始のゴングが鳴ってからレフェリーが試合をストップするまで終始オードリー・ハリソンを圧倒する完璧なボクシングを披露してくれましたね。

試合後のインタビューで「来年はクリチコ兄弟と戦ってやる。だって、ほかに相手がいないだろ？絶対にクリチコ兄弟をKOしてやるよ」と高らかに宣言したデビッド・ヘイ。「ヘビー級の革命児」は「クリチコ時代」に終止符を打てるのか？ヘビー級に挑戦状を叩きつけて2年、デビッド・ヘイの真の革命がいよいよ幕を開けようとしています。

試合結果