WBA世界スーパーバンタム級暫定王座決定戦
シドニー・アテネ五輪 バンタム級金メダリスト |
ギジェルモ・リゴンドー(キューバ) 戦績:6戦全勝5KO |
元WBA世界スーパー バンタム級チャンピオン |
リカルド・コルドバ(パナマ) 戦績:41戦37勝23KO2敗2分 |
試合内容
シドニーオリンピックとアテネオリンピックのボクシング、バンタム級に出場し、2大会連続で金メダルを獲得したギジェルモ・リゴンドーが、元WBA世界スーパーバンタム級チャンピオンのリカルド・コルドバと暫定タイトルを争い、拳を交えます。2009年5月にプロデビューしたばかりのギジェルモ・リゴンドーはプロ7戦目での世界タイトル挑戦です。
世界中のボクシングファンが注目するアマチュアボクシング出身のエリート、ギジェルモ・リゴンドー。プロ7戦目のギジェルモ・リゴンドーが世界タイトルを手にするのか?タイトル奪取に燃えるリカルド・コルドバが返り咲きを果たすのか?サウスポー同士が激突する注目の暫定王座決定戦です。
試合はギジェルモ・リゴンドーもリカルド・コルドバも積極的に右ジャブを突いて主導権を握ろうとするスリリングな展開で始まります。1ラウンドを見る限り、パワーとスピードはギジェルモ・リゴンドー、リーチはリカルド・コルドバが上回っている印象です。
試合が動いたのは4ラウンド。優勢に試合を進めるギジェルモ・リゴンドーがリカルド・コルドバのボディーに強烈な左ストレートを打ち込み、ダウンを奪います。まず右ジャブを顔面へ当て、すかさず左ストレートをボディーに叩き込むところは、さすがオリンピック金メダリストのギジェルモ・リゴンドーですね。
「この調子だと、このままリゴンドーが前へ出続けて完全に主導権を握っちゃうかな」と思っていると、6ラウンド中盤、ギジェルモ・リゴンドーが距離を詰めようとしたところへ、リカルド・コルドバが鋭い右ジャブのカウンターをアゴに叩き込み、リカルド・コルドバがダウンを奪い返します。
「お?ダウン応酬でますます試合がおもしろくなりそうだぞ」と試合の行方を見守る管理人。すると、7ラウンドからギジェルモ・リゴンドーが作戦を変更。持ち前のスピードを生かしてアウトボクシングに切り替え、リカルド・コルドバの攻撃をかわしながら、鋭い踏み込みからパンチを打ち込み、ポイントを奪います。
一方、ここまでアウトボクシングを展開していたリカルド・コルドバは、ギジェルモ・リゴンドーが距離を取る作戦に切り替えたので、自分から前へ出て攻めようとしています。7ラウンド以降、お互いが足を止めて打ち合う場面はなくなり、全くボクシングがかみ合わなくなりました。
その後もリカルド・コルドバが前へ出てパンチを当てようとしますが、ギジェルモ・リゴンドーがフットワークを使ってリカルド・コルドバの攻撃をかわす展開が続き、どちらも決定打を打てないまま試合終了のゴングが鳴り響きます。
結果は2人のジャッジがギジェルモ・リゴンドー、1人のジャッジがリカルド・コルドバを支持。ギジェルモ・リゴンドーが2-1の判定でリカルド・コルドバに競り勝ち、プロ7戦目で悲願の世界タイトルを奪取しました。
ギジェルモ・リゴンドーのスピードがリカルド・コルドバのテクニックを封じた試合でしたね。この試合だけでギジェルモ・リゴンドーの実力を評価することは難しいのですが、パンチの的中率やフットワークを見る限り、「さすがはオリンピックを2連覇した金メダリストだよ」という場面がたくさんありました。ボクシングセンスは素晴らしいものがあると思います。
特に試合の前半と後半で戦い方を180度変えられるボクシングの幅は見事です。前半は鋭いステップインからの接近戦、後半はアウトボクシングに徹して、リカルド・コルドバの良さを消し去りました。西岡利晃選手と同じ階級のチャンピオン、しかも対戦の可能性があるWBAの暫定チャンピオンなので、今後の試合も注目したいと思います。
試合結果
試合結果 | ギジェルモ・リゴンドーが12ラウンド2-1の判定勝ちで初の世界タイトル獲得に成功。 【公式ジャッジの採点結果】
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