WBO世界スーパーライト級暫定王座決定戦

ファン・マヌエル・マルケス対セルゲイ・フェドチェンコの試合内容

数々の激戦をくぐり抜けてきたファン・マヌエル・マルケスが4階級制覇をかけてテクニシャンのセルゲイ・フェドチェンコと激突するWBO世界スーパーライト級暫定王座決定戦です。チャンピオンのティモシー・ブラッドリーがひとつ上の階級のマニー・パッキャオに挑戦することが決まり、今回の暫定王座決定戦が実現しました。

2011年11月にマニー・パッキャオと3度目の激闘を演じ、無念の判定負けを喫したファン・マヌエル・マルケス。「ヨーロッパの刺客」セルゲイ・フェドチェンコを再起戦で撃破し、メキシコ人ボクサー3人目となる4階級制覇を達成することができるでしょうか？注目のゴングが鳴り響きます。

試合は、ガードを高く上げ、ドッシリと構えて得意の連打を狙うファン・マヌエル・マルケスに対して、世界タイトル初挑戦のセルゲイ・フェドチェンコが左ジャブを突きながら右ストレートのカウンターを狙う展開で始まります。

「お、フェドチェンコがマルケスのリズムを崩すため、右ストレートのカウンターを積極的に打ち込んでいるね。フェドチェンコはパンチを当てるのが上手いなあ。少し浅いけど、クリーンヒットしてるよ」と悲願の世界タイトルを狙うセルゲイ・フェドチェンコのボクシングに注目する管理人。

ファン・マヌエル・マルケスはどちらかと言えばスロースターターで、立ち上がりは対戦相手の戦力を分析しながら戦う傾向があります。セルゲイ・フェドチェンコはファン・マヌエル・マルケスの特徴を上手に利用して、主導権を握ろうとしていますね。

序盤は、セルゲイ・フェドチェンコの右ストレートのカウンターがファン・マヌエル・マルケスにクリーンヒットする場面が目立ち、迎えた4ラウンド。ファン・マヌエル・マルケスが力を込めてパンチを上下に打ち始め、セルゲイ・フェドチェンコにプレッシャーをかけます。

「マルケスのエンジンがかかってきたかな？フェドチェンコはマルケスの左ボディーブローを露骨に嫌がってるよ。このペースで進むと、マルケスがボディー攻撃から活路を見出しそうだぞ。フェドチェンコはダメージを抱える前に勝負に行かないと、一気にペースを持って行かれちゃうかも」とターニングポイントに注目する管理人。

5ラウンドに入ると、ファン・マヌエル・マルケスがセルゲイ・フェドチェンコにコンビネーションブローを打ち込む場面が増え、ファン・マヌエル・マルケスが主導権を握り始めます。序盤に比べて、コンビネーションブローがスムーズに出るようになってきましたね。

一方のセルゲイ・フェドチェンコは、距離を大事に戦いながら左ジャブから右ストレートのカウンターを狙うボクシングに徹しています。そのおかげで、ファン・マヌエル・マルケスの攻撃を最小限の被弾にとどめていますが、手数が少ないため、ポイントを奪うことができません。

「フェドチェンコはずっとディフェンスを大事にするボクシングで勝ってきたのかな？マルケスが本調子じゃないんで、自分から攻撃に行ければ、チャンスが出てくると思うんだけど、マルケスの攻撃をかなり警戒してるもんな。このままだと、ジリ貧になっちゃうよ」とセルゲイ・フェドチェンコの奮起に期待する管理人。

しかし、試合が進むにつれて、ベテランのファン・マヌエル・マルケスが主導権を握る展開が続き、迎えた12ラウンド中盤。ファン・マヌエル・マルケスのコンビネーションブローがセルゲイ・フェドチェンコの顔面をとらえ、セルゲイ・フェドチェンコの足がもつれます。

試合はこのままファン・マヌエル・マルケスがセルゲイ・フェドチェンコをコントロールして、12ラウンド終了のゴングが鳴り響きます。結果は、3人のジャッジすべてがファン・マヌエル・マルケスを支持。ファン・マヌエル・マルケスがセルゲイ・フェドチェンコに大差の判定勝ちを飾り、メキシコ人ボクサー3人目となる4階級制覇を達成しました。

ファン・マヌエル・マルケスの手数がセルゲイ・フェドチェンコのテクニックを封じ込めた試合でしたね。ボクシングの相性が悪く、出来も決してよくなかったファン・マヌエル・マルケスですが、セルゲイ・フェドチェンコのカウンターをもらいながらもパンチを打ち返して主導権を引き寄せるところは「お見事！」ですね。

4階級制覇の快挙を成し遂げた「メキシコの勇者」ファン・マヌエル・マルケス。勝負どころを嗅ぎ分ける能力を誇る百戦錬磨のベテランが健在ぶりをアピールした暫定王座決定戦でした。4度目のマニー・パッキャオ戦は実現するかな？

ファン・マヌエル・マルケス対セルゲイ・フェドチェンコの試合結果