WBO世界ウェルター級タイトルマッチ
チャンピオン | マニー・パッキャオ(フィリピン) 戦績:59戦54勝38KO3敗2分 |
挑戦者 | ティモシー・ブラッドリー(アメリカ) 戦績:29戦28勝12KO1無効試合 |
マニー・パッキャオ対ティモシー・ブラッドリーの試合内容(前編)
ボクシング史上2人目の6階級制覇を成し遂げたWBO世界ウェルター級チャンピオンのマニー・パッキャオが、一階級下のWBO世界スーパーライト級チャンピオンのティモシー・ブラッドリーの挑戦を受ける2012年最大級のビッグマッチ。階級を超越したチャンピオン対決に胸が躍ります!
世界中の強豪を撃破して、ボクシング界の頂点に駆け上がったサウスポーのマニー・パッキャオは、2005年3月を最後に負けを知らないボクシング界のスーパースター。「天才」フロイド・メイウェザーと並び、全階級最強の称号「パウンド・フォー・パウンド」をほしいままにする「アジアの英雄」です。
一方のティモシー・ブラッドリーは打ち出したら止まらない連打と小気味の良いフットワークを兼ね備えた無敗のチャンピオン。最激戦区スーパーライト級で防衛を重ね、マニー・パッキャオに挑戦するためウェルター級に乗り込んできました。左右の違いこそあれ、マニー・パッキャオと似た特徴を持つ「危険な挑戦者」です。
チャンピオンのマニー・パッキャオが4度目の防衛を成し遂げ、世界中のボクシングファンが期待するフロイド・メイウェザー戦へ前進するのでしょうか?それとも、挑戦者のティモシー・ブラッドリーが2階級制覇を達成し、世界を震撼させるのでしょうか?ボクシング界の未来を左右するチャンピオン対決のゴングが鳴り響きます。
試合は、左ジャブを連打しながらプレッシャーをかける挑戦者のティモシー・ブラッドリーに対して、チャンピオンのマニー・パッキャオがガードを高く構えてティモシー・ブラッドリーのジャブをブロックして、右ジャブから得意の左ストレートを打ち込む展開で始まります。
【Photo:The Ring Magazine】
「お!ブラッドリーが立ち上がりからプレッシャーをかけてるね。パッキャオを前に出すと、ガンガン踏み込んでくるんで、ナイスな作戦だよ。パッキャオも積極的に左ストレートを打ち込んでいるんで、予想以上に噛み合うかもしれないなあ」と息をひそめて戦況を見守る管理人。めちゃめちゃ手数の多いスリリングな立ち上がりです!
マニー・パッキャオもティモシー・ブラッドリーも相手が打ったら打ち返す一進一退の攻防が続き、迎えた4ラウンド終盤。試合が大きく動きます。マニー・パッキャオが連打を集め、ティモシー・ブラッドリーを防戦一方に追い込みます。
マニー・パッキャオの連打をボディーワークで必死によけるティモシー・ブラッドリー。クリーンヒットは避けましたが、マニー・パッキャオの攻撃をよけるため、大きな動きを繰り返したことで、一気にスタミナを消耗してしまいます。
5ラウンドに入ると、スタミナを消耗したティモシー・ブラッドリーのスピードが鈍り始め、ガクンと手数が減ります。「ありゃ?ブラッドリーの動きが明らかにおかしいよ。自分から後ろへ下がるようになっちゃったね。この展開が続くと、ブラッドリーはめっちゃ苦しくなりそうだぞ」とティモシー・ブラッドリーの異変に注目する管理人。
【Photo:The Ring Magazine】
立ち上がりから同じペースで、同じくらいの手数を出していたマニー・パッキャオとティモシー・ブラッドリーですが、スタミナの消耗度が明らかに違いますね。積んでいるエンジンの燃料を比べると、マニー・パッキャオのほうが優れているようです。
6ラウンドに入ると、マニー・パッキャオがティモシー・ブラッドリーのスタミナの消耗度をチェックしながらパンチを打ち込み、一気に主導権を奪います。マニー・パッキャオのプレッシャーにティモシー・ブラッドリーはタジタジですね。
序盤を期待通りの善戦で乗り切った無敗のティモシー・ブラッドリー。しかし、試合中盤に入り、世界中の強豪を撃破してきた抜群のスタミナを誇る「パックマン」に手数で追いやられる苦しい展開になってきました。