IBF・WBO世界スーパーバンタム級王座統一戦
IBFチャンピオン | ジェフリー・マセブラ(南アフリカ共和国) 戦績:31戦26勝14KO3敗2分 |
WBOチャンピオン | ノニト・ドネア(フィリピン) 戦績:29戦28勝18KO1敗 |
ノニト・ドネア対ジェフリー・マセブラの試合内容
4階級制覇を成し遂げたWBO世界スーパーバンタム級チャンピオンのノニト・ドネアが、IBFチャンピオンのジェフリー・マセブラと王座統一をかけて激突します。西岡利晃選手と対戦が期待されるノニト・ドネアに注目ですね。
「目標はスーパーバンタム級のタイトルを総なめにすること」と語るノニト・ドネア。IBFチャンピオンのジェフリー・マセブラと拳を交える王座統一戦は、「スーパーバンタム級の完全制覇」に向けた第1弾の関門です。
「フィリピンの閃光」ノニト・ドネアは、自分より10センチ背が高いジェフリー・マセブラを相手に王座統一を成し遂げることができるでしょうか?スーパーバンタム級戦線の行方を左右するチャンピオン対決が幕を開けます。
試合は、WBOチャンピオンのノニト・ドネアが、IBFチャンピオンのジェフリー・マセブラの左ジャブをボディーワークでかわしながら懐へ飛び込み、強烈な左フックと右ストレートを振り回す展開で始まります。
【Photo:The Ring Magazine】
「ドネアは立ち上がりから倒す気満々だよ。マセブラはガッチリとガードを固めて、長期戦に持ち込む作戦だね。ドネアはこのまま一気に押し込めるかな?」と両者の立ち上がりに注目する管理人。
3ラウンドに入ると、後ろに下がりっぱなしだったジェフリー・マセブラが、左に回り込みながら左ジャブを連打します。一方のノニト・ドネアは駆け引きなしに真っ正面から飛び込み、大きなパンチを振り回しています。
「ありゃ?ドネアはめちゃめちゃ力が入ってるね。バランスが崩れまくってるよ。これだけ振り回すと、後半疲れちゃうんじゃないかな?」と思っていると、ノニト・ドネアの「閃光」が炸裂します。
4ラウンド残り10秒、ノニト・ドネアはジェフリー・マセブラの右ストレートを左に動いてかわすと、得意の左フックを一閃!ノニト・ドネアのベストショットをもらってしまったジェフリー・マセブラはそのまま後ろへダウンします。
【Photo:The Ring Magazine】
「出た!これは効いたよ!マセブラは立ち上がれるかな?」とジェフリー・マセブラのダメージをチェックする管理人。何とかダウンから立ち上がったジェフリー・マセブラですが、ダメージはかなり深いですね。
5ラウンドに入ると、一気に試合を決めたいノニト・ドネアがジワリジワリとプレッシャーをかけながらパンチを打ち込むタイミングを狙います。一方のジェフリー・マセブラは左ジャブと右ストレートを打ち込み、必死に応戦します。
「マセブラはパンチを打って、ドネアの追撃を防ぐ作戦だね。ドネアは一発狙いのボクシングにこだわらず、左ジャブから連打でリズムを作りたいよ。どうしたんだろう?この試合のドネアは必要以上に力が入ってるね」と試合の行方を見守る管理人。
本来のノニト・ドネアは、鋭い左ジャブを連打してプレッシャーをかけ、連打で動きを止めたところへ「ドカン!」と強打を叩き込むのですが、この試合はワンパンチKOにこだわっているのか、手数がめちゃめちゃ少ないですね。
ジェフリー・マセブラがノニト・ドネアより10センチも背が高く、しかも懐が深いため、ノニト・ドネアからすると、連打を打ち込めない感覚があるのでしょうか?伏線を完全に省略して、一発狙いのラフなボクシングをするノニト・ドネアを初めて観ました。
試合は、一発狙いのノニト・ドネアが、下がりながらポンポンとパンチを打って応戦するジェフリー・マセブラを捕まえることができないまま進み、試合終了のゴングが鳴り響きます。
勝敗は3人のジャッジに委ねられ、3人のジャッジすべてが大差でノニト・ドネアを支持。WBOチャンピオンのノニト・ドネアがIBFチャンピオンのジェフリー・マセブラに12ラウンド判定勝ちを飾り、王座統一に成功しました。
【Photo:The Ring Magazine】
スピードとパワーで上回るノニト・ドネアが身長で10センチ上回るジェフリー・マセブラのテクニックを封じ込めた試合でしたね。王座統一に成功し、スーパーバンタム級の完全制覇へ一歩近づいたノニト・ドネアですが、正直なところ、出来は良くなかったと思います。
管理人が観たノニト・ドネアの試合の中で最も大味なボクシングでした。一発狙いの大振りを繰り返し、本来の持ち味がほとんど出てなかったと思います。「勝って当たり前、KOしなきゃ」という思いが強かったのかもしれませんね。
ただ、この1試合でノニト・ドネアの評価が下がるかと言われれば、下がらないと思います。調子が悪くても、他団体のチャンピオン、しかも長身でリーチの長い難敵のジェフリー・マセブラを相手にダウンを奪い、大差の判定で勝つのですから、その点に関しては「さすがはドネア」ですね。
さあ、ノニト・ドネアが勝ったことで、西岡利晃選手との対戦がいよいよ現実味を帯びてきました。現地で観戦していた西岡利晃選手は試合後、リングに上がり、対戦を直訴。ノニト・ドネアも対戦を希望しました。
「スーパーバンタム級はすばらしいボクサーがたくさんいるけど、ニシオカこそベストだと思うよ。ニシオカに勝たないと真の評価は得られない。どっちがベストなのかを戦って証明したいね。僕が選べるなら、次戦はニシオカと戦いたいよ」
西岡利晃選手とノニト・ドネアは「スーパーバンタム級最強決定戦」に乗り気で「相思相愛」。日本のボクシングファンも間違いなく期待していると思います。ぜひ実現してほしいカードですね。
「スーパーバンタム級の完全制覇」へ向け、第一歩を踏み出した「フィリピンの閃光」ノニト・ドネア。世界中のボクサー、ボクシングファンから注目される軽量級のスーパースターは、次戦で誰と拳を交えるのでしょうか?西岡利晃選手でありますように。
ノニト・ドネア対ジェフリー・マセブラの試合結果
試合結果 | ノニト・ドネアが12ラウンド3-0の判定勝ちで王座統一に成功。 【公式ジャッジの採点結果】
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