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KO防衛なるか?アドニス・スティーブンソンがアンドレイ・フォンファラを迎えた3度目の防衛戦

WBC世界ライトヘビー級タイトルマッチ

チャンピオン アドニス・スティーブンソン(カナダ・ハイチ出身)
戦績:24戦23勝20KO1敗
挑戦者 アンドレイ・フォンファラ(ポーランド)
戦績:28戦25勝15KO2敗1無効試合

アドニス・スティーブンソン対アンドレイ・フォンファラの試合内容

ライトヘビー級を席巻する「スーパーマン」アドニス・スティーブンソンが長身のアンドレイ・フォンファラを迎えた3度目の防衛戦。アドニス・スティーブンソンは、テレビ局のHBOからShowtimeに移籍し、最初の試合となる注目の防衛戦で、存在感をアピールすることができるでしょうか?

試合は、挑戦者のアンドレイ・フォンファラが左ジャブを突きながらプレッシャーをかけ、コンパクトなパンチを上下に打ち分ける展開で始まります。一方、チャンピオンのアドニス・スティーブンソンはアンドレイ・フォンファラの先制攻撃と距離の長さに少し戸惑っている印象です。距離を大事に戦いながらカウンターの左ストレートを狙っていますね。

「フォンファラの攻撃がすごくいいよ。特に、左ボディブローは有効じゃない?スティーブンソンの左ストレートに気をつけながら、手数で勝負できるとおもしろい展開になりそうだぞ」と思っていると、1ラウンド中盤、アドニス・スティーブンソンが右ジャブで距離を確認した直後、コンパクトな左ストレートを顔面に叩き込み、アンドレイ・フォンファラがガクンとリングに崩れ落ちます。

ダウン
【Photo:Showtime

「出たっ、スーパーマンパンチ!流れはフォンファラだと思ったんだけど、スティーブンソンが一発でひっくり返しちゃったね。問答無用のダウンだなあ」とアドニス・スティーブンソンに大きな拍手を送る管理人。ダウンからすぐに立ち上がったアンドレイ・フォンファラはパンチが当たる直前にスウェイで威力を逃がしたでしょうか?見た目よりダメージは軽いかもしれません。

速くて強い左ストレートでガードの真ん中を破られてしまったアンドレイ・フォンファラですが、2ラウンドに入ると、自分からプレッシャーをかけて反撃開始。一方、アドニス・スティーブンソンは、アンドレイ・フォンファラの左ジャブと右ストレート、左フックが長い距離から飛んでくるので、少し戦いづらそうです。もう少し右ジャブから組み立てたいですね。

「あれ?スティーブンソンが疲れてる。左ストレートを当てる意味でも、スタミナをセーブする意味でも、もっと右ジャブを使いたいなあ」と思っていると、5ラウンド1分すぎ、アドニス・スティーブンソンが左ストレートをボディへ打ち込み、アンドレイ・フォンファラが苦悶(くもん)の表情を浮かべながらリングにヒザを突きます。みぞおちに突き刺さりましたね。

左ストレート
【Photo:Showtime

2度目のダウンを奪ったアドニス・スティーブンソンは6ラウンド中盤、再び左ストレートをボディに叩き込み、アンドレイ・フォンファラが背中を向けて後退。「完全にスティーブンソンのペースになるかな?」と思ったのですが、アンドレイ・フォンファラが必死に耐え抜き、アドニス・スティーブンソンに休む時間を与えず、プレッシャーをかけ続けています。

2度のダウンを奪われたアンドレイ・フォンファラですが、ガードを高く構えて真っ向からプレッシャーをかけ、鋭いパンチを打ち込みながら攻め込みます。一方、アドニス・スティーブンソンは右ジャブから左ストレートのワンツーを中心に反撃。疲れで動きの鈍り始めたアドニス・スティーブンソンがロープを背負う時間が増えてきましたね。

「スティーブンソンの疲れが目立つようになってきたなあ。フォンファラはもっと手数がほしいよ。休まず攻め込みたいね」と思っていると、9ラウンド序盤、アンドレイ・フォンファラがアドニス・スティーブンソンをロープに詰め、アドニス・スティーブンソンが脱出しようとしたタイミングで、左フックから打ち下ろしの右ストレートを叩き込み、ダウンを奪い返します。

ダウンの応酬
【Photo:Showtime

「完璧な右ストレート!フォンファラは逆転のチャンスだよ。逆に、スティーブンソンは絶体絶命のピンチだなあ」と試合のヤマ場に大興奮の管理人。ダウンを奪われたアドニス・スティーブンソンはクリンチとフットワークを使って、必死に追撃を回避しています。アンドレイ・フォンファラはもっとパンチを打ち込んで、もっともっとダメージを与えたいですね。

10ラウンドに入ると、アドニス・スティーブンソンが自分からプレッシャーをかけ、攻撃することで、アンドレイ・フォンファラの追撃を回避。左ボディブローを中心に攻撃を組み立て、アンドレイ・フォンファラに追撃のチャンスを与えません。アドニス・スティーブンソンが序盤で与えたボディブローのダメージが、絶体絶命のピンチを乗り切るカギになっていますね。

終盤は、お互いに苦しい状況でパンチを交換する一進一退の攻防が続き、12ラウンド終了のゴング。勝敗は3人のジャッジにゆだねられます。採点の結果、3人のジャッジすべてがアドニス・スティーブンソンを支持。移籍後、初の防衛戦となったアドニス・スティーブンソンがアンドレイ・フォンファラに12ラウンド判定勝ちを飾り、3度目の防衛に成功しました。

アドニス・スティーブンソンがダウン応酬の大熱戦の末、アンドレイ・フォンファラを撃破した苦しい防衛戦でしたね。スタミナの不安を露呈(ろてい)してしまったアドニス・スティーブンソンですが、勝負どころで「攻撃は最大の防御」を貫けるハートの強さは見事ですね。大苦戦の「スーパーマン」が「攻撃は最大の防御」を貫き、絶体絶命のピンチを脱出した3度目の防衛戦でした。

アドニス・スティーブンソン対アンドレイ・フォンファラの試合結果

試合結果 アドニス・スティーブンソンが12ラウンド判定勝ち。3度目の防衛に成功しました。
【公式ジャッジの採点結果】
  • 116-109
  • 115-110
  • 115-110
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