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決意の世界タイトル初挑戦!天笠尚がギジェルモ・リゴンドーと激突

WBA・WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ

チャンピオン ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)
戦績:14戦全勝9KO
挑戦者 天笠尚(日本)
戦績:34戦28勝19KO4敗2分

天笠尚選手とギジェルモ・リゴンドーの試合内容

日本の天笠尚選手が、WBAとWBOの2本のベルトを保持する世界スーパーバンタム級チャンピオンのギジェルモ・リゴンドーに挑戦する大一番。本来のフェザー級からスーパーバンタム級へ階級を下げ、世界タイトル挑戦のチャンスを手にした天笠尚選手は、全勝チャンピオンのギジェルモ・リゴンドーを撃破し、悲願の世界チャンピオンベルトを天高く掲げることができるでしょうか?

試合が始まると、挑戦者の天笠尚選手が飛び出し、小さなパンチを連打します。一方、チャンピオンのギジェルモ・リゴンドーはボディワークを駆使して、天笠尚選手のパンチを回避。リング中央へ回り込み、鋭い左ストレートを顔面とボディへ打ち分けます。予想より、お互いが正面に立つ時間が長い、スリリングな立ち上がりです。

「天笠選手の決意を感じる先制攻撃だったね。ラウンドが進むと、リゴンドーが大きく動き始めるんで、正面に立っているうちに強いパンチを打ち込みたいなあ」と序盤の攻防に注目する管理人。天笠尚選手がガードを固めて距離を詰め、回り込むタイミングでパンチを連打するので、ギジェルモ・リゴンドーはカウンターを打ち込むタイミングがなく、戦いづらそうですね。

「天笠選手は、リゴンドーが回り込む方向へ大きく踏み出すことで、スピードの違いを埋める作戦かな?ストライドが大きくて、リーチが長い天笠選手だからできる作戦だね。天笠選手はうまく詰めてるよ。一発大きいパンチが当たるとおもしろいんだけどなあ」と応援に力が入る管理人。長身で、懐の深いボクサーだからこそできるファイタースタイルですね。

5ラウンド開始30秒、ギジェルモ・リゴンドーの強烈なカウンターがクリーンヒットし、天笠尚選手の腰が落ちます。次の瞬間、ギジェルモ・リゴンドーが攻撃へシフトし、体重を乗せた強烈な左フックを連打!天笠尚選手は強烈な追撃のパンチをもらってしまいますが、何とか踏みとどまり、ギジェルモ・リゴンドーが距離を取ります。天笠尚選手、よく耐えましたね。

クリーンヒットを許してしまった天笠尚選手ですが、6ラウンドに入ると、自分から距離を詰めて反撃を開始。左右へ大きく動くギジェルモ・リゴンドーを追いかけ回し、パンチを連打して休む時間を与えません。クリーンヒットこそ奪えませんでしたが、少しずつ距離が詰まっていますね。

「天笠選手、よく我慢して距離を詰めてるよ。終盤勝負に持ち込むためにも、できるだけ被弾は避けたいね。中盤の苦しい時間帯だけど、休まず、攻めたいなあ。勝負だよ」と思っていると、7ラウンド残り30秒、天笠尚選手がギジェルモ・リゴンドーをロープへ詰め、ギジェルモ・リゴンドーが回り込もうとした瞬間、右ストレートで追撃。ギジェルモ・リゴンドーが後ろへ崩れ落ちます。

「やったー!ダメージはどうかな?ちょっと浅かったかな?あ、効いてる!」と天笠尚選手の起死回生の一撃にテンションが急上昇!試合が再開されると、クリンチしようとするギジェルモ・リゴンドーを振り払いながら、天笠尚選手が強引にパンチを連打します。足に力が入らないギジェルモ・リゴンドーがバタバタと前のめりに倒れ、2度目のダウンです。

ダウンを奪った天笠尚選手は8ラウンドに入り、勝負に出ます。しかし、ギジェルモ・リゴンドーが強烈なワンツーを駆使して、天笠尚選手を突き放します。天笠尚選手にとって、絶好のチャンスでしたが、ギジェルモ・リゴンドーが得意の左ストレートのカウンターを叩き込み、ピンチを脱出しましたね。被弾した天笠尚選手の顔面が大きく腫れ上がってしまう破壊力です。

10ラウンド中盤には、ギジェルモ・リゴンドーの左ストレートを浴びた天笠尚選手がこらえきれずにダウン!最短距離をまっすぐに走る、お手本のような左ストレートです。ダウンから立ち上がり、決死の覚悟で反撃する天笠尚選手。しかし、11ラウンド終了後、天笠尚選手のセコンドが棄権を申し入れ、勝負あり。ギジェルモ・リゴンドーが11ラウンド終了TKO勝ちを飾りました。

だー、めちゃめちゃ悔しい!天笠尚選手は「これしかない!」というボクシングで、全勝チャンピオンのギジェルモ・リゴンドーを苦しめましたが、あと一発、あと一歩、ベルトに届きませんでした。天笠尚選手の勇姿が目に焼きついて離れない決意の攻撃。大みそかのメインイベントにふさわしい最高のボクシングでしたね。だからこそ、勝ちたかったなあ。

ギジェルモ・リゴンドーをプロのリングで最も苦しめた天笠尚選手。2014年は、日本人ボクサーが世界のトップボクサーと戦えることを証明した1年でした。日本のファンが思っている以上に、日本人ボクサーは強いですよ。紙一重ですもん。だから、余計に悔しいです。次のチャンスがほしいなあ。天笠尚選手の決死の攻撃に心が震えた大みそかの激闘でした!

天笠尚選手とギジェルモ・リゴンドーの試合結果

試合結果 ギジェルモ・リゴンドーの11ラウンド終了TKO勝ち。
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