ボクシング解説者がファンを育てる意義
ボクシングだけでなく、すべてのスポーツに当てはまることですが、解説者には「ファンを育てる」という大切な役割があります。ところが、残念なことに、ファンを育てる意識を持っているボクシング解説者は、全体の30%にも満たない気がしてなりません。
ボクシングファンを増やし、ボクシング界が活性化するためには、ボクシングを観戦する楽しさとボクシングの基本的な知識を盛り込んだ解説が欠かせません。
ボクシングは一見すると「殴り合い」に見えるスポーツですが、最先端の科学的なトレーニングと緻密な分析が、ボクサーのフィジカルとメンタルを支えています。
初めてボクシングを観戦する人が「なるほど!左ジャブはこんな効果があるのか」「セコンドの指示が試合を左右することもあるんだな」「ボクシングの駆け引きって意外と奥が深いんだね」と思えるようなコメントをしてくれるボクシング解説者が増えるほど、ボクシングファンの数は間違いなく増えるはずです。
ボクシングは野球やサッカーに比べて、一般の人にとって馴染みのないスポーツです。だからこそ、ボクシング解説者の力量がボクシング界に及ぼす影響は大きいと思います。ボクシングの奥深さを伝えてくれるボクシング解説者がたくさん増えることを願っています。
ボクシングファンが増えればボクシング界全体がレベルアップする
ボクシングファンが増えれば増えるほど、ボクシング界全体が活気を帯び、ボクシングファンの質が上がれば上がるほど、ボクサーは恥ずかしい試合ができなくなります。結果として、ボクシング界全体のレベルアップにつながります。
ボクシングは本当に奥深いスポーツなので、ボクシング素人の管理人ではわからないことがたくさんあります。そんなとき、ボクシングの実況を担当しているアナウンサーが「この動きの意味は?」と尋ね、ボクシング解説者が「この意味は…」と教えてくれると「なるほど!」とうなってしまいます。
管理人が毎週観戦している「WOWOWエキサイトマッチ」では、日本人として2人目の世界ボクシング殿堂入りを果たしたジョー小泉さんと元世界チャンピオンの浜田剛史さんが解説を担当しています。
どちらも、ボクサーの動きや心理、戦略、舞台裏をわかりやすい言葉で説明し、ボクシングの奥深さを教えてくれるすばらしい解説者だと思います。ジョー小泉さんと浜田剛史さんの存在がなければ、管理人がこれほどボクシングを好きになることはなかったかもしれません。
管理人は(お会いしたことはありませんが)ジョー小泉さんと浜田剛史さんを「ボクシングの師匠」として、ジョー小泉さんと浜田剛史さんの解説からボクシングの魅力について学び、ボクシングの美学や奥深さに心酔しています。
ボクシングに関わらず、「誰から学ぶか」は、その人の未来を左右するほどの影響力を持っています。だからこそ、解説者の皆さんには、大きなやりがいと責任を持ってコメントしていただきたいと思っています。
テレビでボクシングを観戦していると「どちらが優勢ですか?」「さきほどのラウンドはどちらのポイントでしょうか?」と尋ねられ、言葉を濁す解説者がいますが、解説者が迷うと、テレビを観ている視聴者が「???」となってしまうので、ぜひ断言してほしいです。
ボクシングファンの多くは「ボクシングに絶対がないこと」を知っているので、結果的にコメントが間違いであっても気にしないと思います。むしろ、「こっちのパンチのダメージを効果的と判断して、ポイントをつけたのか。こういう見方もあるんだな」とボクシングの奥深さに触れることができるのではないでしょうか?
解説者がファンを育て、ファンがボクサーを育てる好循環が生まれれば、ボクシングに興味を持つ人が増え、ファンを魅了するボクサーが増えるはずです。ボクシング解説者がファンを育て、ファンがボクサーを育てることは、日本ボクシング界の未来が、いつまでも光り輝くために欠かせない「土台作り」だと思います。