WBC世界ヘビー級タイトルマッチ
チャンピオン | フランク・ブルーノ(イギリス) 戦績:44戦40勝38KO4敗 |
挑戦者 | マイク・タイソン(アメリカ) 戦績:44戦43勝37KO1敗 |
世界中のボクシングファンがマイク・タイソンに釘付けになった伝説の試合
1996年3月、イギリスとアメリカを代表する2人のボクサーの再戦を観戦しようと、ラスベガスのMGMグランドガーデンに1万6000人の観客が集まりました。世界中のボクシングファンの視線は、イギリスが誇る世界ヘビー級チャンピオンのフランク・ブルーノと、アメリカが誇る「鉄人」マイク・タイソンが8年ぶりに拳を交える瞬間に注がれたのです。
世界97の国で放送されたメガファイトはファイトマネーも規格外でした。世界チャンピオンのフランク・ブルーノのファイトマネーが600万ドルなのに対して、挑戦者のマイク・タイソンのファイトマネーは驚愕の3000万ドル。世界中のボクシングファンは3年のブランクを経てリングに復帰したマイク・タイソンを待ち望んでいたのです。
試合は開始直後からマイク・タイソンとフランク・ブルーノのどちらもKOを狙ってパンチを強振する展開で始まります。身長11センチ、リーチ28センチ、体重12キロというヘビー級ならではの体格差を埋めるため、小柄なマイク・タイソンが大柄なフランク・ブルーノの懐へ鋭く飛び込んで自慢の強打を振り抜きます。
一方、チャンピオンのフランク・ブルーノはマイク・タイソンが飛び込んでくるタイミングを探りながら、右ストレートと右アッパーのカウンターを狙っています。マイク・タイソンもフランク・ブルーノも相手を一撃で沈めるパンチ力を持っているので、立ち上がりから全く目が離せないですね。
1ラウンド残り40秒、マイク・タイソンの踏み込みに合わせて、フランク・ブルーノが強烈な右アッパーを突き上げ、マイク・タイソンの腰が一瞬沈みます。しかし、マイク・タイソンも残り20秒、強烈な右ストレートのカウンターをフランク・ブルーノのアゴへ叩き込んで反撃。まさにどちらが倒されてもおかしくない展開です。
2ラウンドが始まると、いきなりマイク・タイソンが飛び込んで左右のフックを狙います。1ラウンド終了間際のパンチでダメージを抱えるフランク・ブルーノはクリンチを使いながら必死に耐えています。一撃の威力を比べると、マイク・タイソンの凄まじさは際立っていますね。
2ラウンド中盤には、マイク・タイソンの左フックがフランク・ブルーノのテンプルをとらえ、さらにショートの右ストレートがフランク・ブルーノのアゴを打ち抜きます。「うわ、めちゃめちゃ効いた!」と思わず叫ぶ管理人。驚異的なタフネスを誇るフランク・ブルーノですが、さすがに足がフラフラしてきましたね。
3ラウンドに入ると、マイク・タイソンが一気に勝負をかけ、得意の左フックを力いっぱい振り回します。ダメージを抱えながら必死に耐えようとするフランク・ブルーノがサウスポーにスイッチしてマイク・タイソンの攻撃を防ごうとした瞬間、マイク・タイソンの強烈な左フックがフランク・ブルーノのアゴを打ち抜き、フランク・ブルーノの腰が落ちます。
フランク・ブルーノは何とかマイク・タイソンに抱きついてクリンチをしようとしますが、力任せにクリンチを振りほどいたマイク・タイソンが、体重を乗せた左フック、右フックを顔面に叩き込み、さらにフランク・ブルーノのアゴを狙って右アッパーを3連打!
最後は左フック、右アッパーの2連打でフランク・ブルーノが崩れ落ちたところでレフェリーが試合をストップ。マイク・タイソンがフランク・ブルーノに3ラウンドTKO勝ちを収め、復帰3戦目で悲願の世界チャンピオンに返り咲きました。
ヘビー級最強のボクサー、マイク・タイソンの強打がフランク・ブルーノを粉砕した試合でしたね。まさに世界中のボクシングファンが待ち望んだKO決着。パンチ力、スピード、タイミングのすべてを兼ね備えているマイク・タイソンがボクシング界の中心に戻って来た名勝負でした。
フランク・ブルーノ対マイク・タイソンの試合結果
試合結果 | マイク・タイソンが3ラウンドTKO勝ちで世界タイトル奪取に成功。復帰3戦目で世界チャンピオンベルトを手に入れました。 |