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倒し倒されの大熱戦!オスカー・デラホーヤ対アイク・クォーティー

WBC世界ウェルター級タイトルマッチ

チャンピオン オスカー・デラホーヤ(アメリカ)
戦績:29戦全勝24KO
挑戦者 アイク・クォーティー(ガーナ)
戦績:35戦34勝29KO1分

4階級制覇を成し遂げた「ゴールデンボーイ」オスカー・デラホーヤが、前WBA世界ウェルター級チャンピオンのアイク・クォーティーの挑戦を受けるWBC世界ウェルター級タイトルマッチです。

WBA世界ウェルター級タイトルを保持していた無敗のアイク・クォーティーが、タイトルを剥奪されても実現したかった試合が今回のオスカー・デラホーヤ戦です。世界中のボクシングファンが注目する無敗対決ですね。

オスカー・デラホーヤ対アイク・クォーティーのタイトルマッチは実質的な統一戦と言っても過言ではないと思います。ただ、アイク・クォーティーにとって、世界タイトルの存在はそれほど問題じゃなかったはずです。

アイク・クォーティーの頭の中にあったのは、オスカー・デラホーヤに勝つことだけ。フリオ・セサール・チャベス、パーネル・ウィテカーなどのスーパースターを次々と撃破し、ボクシング界で絶対的な人気と地位を築きつつあるオスカー・デラホーヤに勝つことが、どれだけ大きな価値があるかは一目瞭然です。

この試合が決まったとき、管理人は「デラホーヤはどうしてクォーティーを選んだんだろう?」と疑問に思いました。鉄壁のガードを誇るアイク・クォーティーより、攻撃力はあるけど、ディフェンスの甘いIBFチャンピオンのフェリックス・トリニダードのほうがオスカー・デラホーヤにとって戦いやすい相手だと思ったからです。

しかも、アイク・クォーティーには鉄壁のガードに加えて「バズーカー」と呼ばれる破壊力抜群の右ストレートがあります。試合前、オスカー・デラホーヤがアイク・クォーティーのガードを打ち破れず、疲れが出始めたところに「バズーカー」をもらう最悪のパターンが管理人の頭をよぎります。

試合は予想通りのスリリングな展開。スピードを生かした回転の速い連打を武器に戦うオスカー・デラホーヤに対して、アイク・クォーティーはしっかりとガードを固め、チャンスと見るや「バズーカー」を打ち込みます。これだけ緊張感のある試合は久しぶりです。

両者の戦術は正反対。特に左ジャブの使い方は対照的です。オスカー・デラホーヤのジャブはまるで速射砲。手数が多く速いジャブです。一方、アイク・クォーティーのジャブは一発一発が重くて強烈。左ジャブも「バズーカー」ですね。

両者がすばらしい左ジャブの突き合いを展開しながら、迎えた6ラウンド。試合が大きく動きます。オスカー・デラホーヤの左フックがアイク・クォーティーの顔面をクリーンヒットし、オスカー・デラホーヤがダウンを奪います。

「デラホーヤ、チャンスだよ」と大興奮の管理人。しかし、勝負に出たオスカー・デラホーヤを待っていたのは、アイク・クォーティーの会心の左フックでした。今度はアイク・クォーティーがオスカー・デラホーヤからダウンを奪います!

両者のダウンのダメージを比較すると、オスカー・デラホーヤのダメージのほうが深そうです。猛攻を仕掛けるアイク・クォーティー!何とか耐えるオスカー・デラホーヤ。今まで観戦したオスカー・デラホーヤの試合で一番危ない場面でした。

7ラウンド以降はお互いダメージを抱える中、ディフェンスを大事に戦う展開が続きます。一進一退の攻防が続き、どちらがポイントをリードしているのか、全くわからないまま、最終ラウンドを迎えます。

管理人は生涯、この最終ラウンドに起きた出来事を忘れることはないでしょう。それほどインパクトのある最終ラウンドがオスカー・デラホーヤとアイク・クォーティーを待っていたのです。

最終ラウンドのゴングが鳴ると同時に飛び出したアイク・クォーティー。「あ、やばいかも」とオスカー・デラホーヤを心配する管理人の目の前に広がった光景は「尻餅をついたクォーティー」でした。

オスカー・デラホーヤの左フックがアイク・クォーティーの顔面にクリーンヒットし、この試合2度目のダウンを奪ったのです。一気に勝負を決めるため、追い討ちをかけるオスカー・デラホーヤ。アイク・クォーティーをロープに詰め、すさまじい連打を集めます。

力なくロープにもたれかかるアイク・クォーティーに対して、オスカー・デラホーヤは持てる力のすべてを出し切ってパンチを打ち込みます。歯をくいしばりながら連打するオスカー・デラホーヤ。ギリギリの状態で何とか耐えるアイク・クォーティー。連打が終わると、オスカー・デラホーヤもアイク・クォーティーもフラフラです。

両者とも立っているのが精一杯の状態。全勝のオスカー・デラホーヤと無敗のアイク・クォーティーが全力を出し切った名勝負は大歓声に包まれたまま12ラウンド終了のゴングを迎えます。

勝敗は3人のジャッジに委ねられ、結果は2人のジャッジがオスカー・デラホーヤ、1人がアイク・クォーティーを支持。オスカー・デラホーヤが倒した倒されの大熱戦の末、アイク・クォーティーに2-1の判定勝ちを飾り、6度目の防衛に成功しました。

ボクシングの歴史に残る名勝負に心が震えています!序盤はすばらしい左ジャブの突き合い。中盤は倒し倒されの攻防。そしてドラマチックな最終ラウンド。まさにボクシングの魅力が凝縮された名勝負です。

体力的、精神的に最も苦しい最終ラウンドで、究極のファイティングスピリッツを見せたオスカー・デラホーヤ。ライバルがお互いの力を最大限に引き出し、世界中のボクシングファンを熱狂させた大熱戦は、唯一無二の「ゴールデンボーイ」が強烈な輝きを放った名勝負でした。

オスカー・デラホーヤ対アイク・クォーティーの試合結果

試合結果 オスカー・デラホーヤが12ラウンド2-1の判定勝ちで6度目のタイトル防衛に成功。
【公式ジャッジの採点結果】
  • 116-112(オスカー・デラホーヤ)
  • 116-113(オスカー・デラホーヤ)
  • 115-114(アイク・クォーティー)
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