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アンドレ・ウォード

抜群のスピードと鋭い洞察力でプロとアマの頂点をつかんだ「神の子」

アメリカ出身のアンドレ・ウォードは、抜群のスピードと試合の流れを的確に読む洞察力を兼ね備えた万能型のハイブリッド・ボクサーです。ニックネームは「Son of God」。ニックネームの頭文字を取って「SOG」の愛称で親しまれています。

神の子
【Photo:HBO

日本語で「神の子」のニックネームを持つアンドレ・ウォードのボクシングを一言で表現するなら「クレバー」に尽きると思います。対戦相手の戦力と試合の流れを的確に把握しながら、生命線である「動きとパンチのスピード」を生かして、どんなタイプのボクサーとも戦える幅広いボクシングが魅力です。

基本はフットワークを生かしたアウトボクシングですが、回転の速い連打を駆使してインファイトで戦うこともできる万能性を持っています。突き詰めると「自分の戦力をきちんと冷静に把握していること」がアンドレ・ウォードの強みではないでしょうか?

アテネ五輪で金メダルを獲得したアンドレ・ウォードのボクシングは、めちゃめちゃスタイリッシュ。鋭い左ジャブを連打して対戦相手を守勢に追い込み、回転の速い連打で確実にポイントを奪います。打ち終わったら、すぐにポジションを変えるので、対戦相手のパンチは当たらないんです。

一撃で「ガツン!」と仕留めるKOアーティストではありませんが、着実に対戦相手にダメージを与え、最後はラッシュしてレフェリーのストップを呼び込む強さがあります。アマチュア時代に培ったボクシングをベースに「打たせずに打つボクシング」を実践できる攻防兼備のボクサーです。

アテネ五輪のライトヘビー級で金メダルを獲得したアマチュアエリートのアンドレ・ウォードは2004年12月にプロデビュー。クリス・モリーナを2ラウンドTKO勝ちで一蹴し、プロ初勝利を飾ります。

その後も評判通りの強さを証明するアンドレ・ウォードはプロデビューから20連勝を飾り、迎えた2009年11月。初の世界タイトル挑戦のチャンスを手にします。

舞台は「スーパーミドル級最強」を決める一大イベント「スーパーシックス・トーナメント」の初戦。対戦相手は優勝候補筆頭の呼び声が高いWBAチャンピオンのミッケル・ケスラーです。

絶対王者のミッケル・ケスラーと超新星のアンドレ・ウォードが激突するメガマッチは、アンドレ・ウォードがミッケル・ケスラーに圧巻の11ラウンド負傷判定勝ちで幕を閉じます。

オリンピック金メダリストの潜在能力を存分に発揮し、世界中のボクシングファンに「アンドレ・ウォード」の名前を刻みました。優勝候補筆頭のミッケル・ケスラーを撃破したことで、一躍トップボクサーの仲間入りを果たしました。

世界タイトル奪取に成功し、勢いに乗るアンドレ・ウォードは「スーパーシックス」の予選リーグをただひとり全勝で勝ち抜き、2011年5月、準決勝でアルツール・アブラハムと対戦します。

結果は、アンドレ・ウォードがアルツール・アブラハムの強打を空回りさせ、12ラウンド大差の判定勝ち。「神の子」のスピードが「キング」のパワーを完全に封じ込めた圧勝でした。

次々と強豪を撃破し、決勝に駒を進めたアンドレ・ウォードは2011年12月、スーパーシックスの優勝と王座統一をかけてWBCチャンピオンのカール・フロッチと激突します。

結果は、アンドレ・ウォードの12ラウンド判定勝ち。ボクシングの神様から愛される「神の子」が世紀のビッグイベントで強烈な輝きを放った瞬間でした。

スーパーシックスで優勝を飾り、「スーパーミドル級最強」の称号を手にしたアンドレ・ウォードは2012年9月、WBCライトヘビー級チャンピオンのチャド・ドーソンを挑戦者に迎えて防衛戦を行います。

試合前「体格で上回るドーソン有利」の声が多数を占めましたが、結果はアンドレ・ウォードの10ラウンドTKO勝ち。「ライトヘビー級最強」の呼び声が高いチャド・ドーソンから3度のダウンを奪う圧巻の勝利でした。

快勝したアンドレ・ウォードですが、練習中に肩や拳を痛めてしまい、無念の長期離脱。1年2か月のブランクを経て、2013年11月にリングへ戻ってきます。復帰戦の相手は、全勝のエドウィン・ロドリゲス。立ち上がりは、エドウィン・ロドリゲスのラフな攻撃に手を焼いたアンドレ・ウォードですが、ラウンドが進むにつれて主導権を握り、12ラウンド判定勝ちを飾りました。

ボクシング界屈指のスピードとクレバーな戦術を駆使して、オリンピックの金メダル獲得、世界タイトルの奪取、スーパーシックスの優勝を成し遂げた「神の子」アンドレ・ウォード。

名立たるスーパースターを撃破して頂点をつかんだアンドレ・ウォードは、誰もたどり着けない「神の領域」へ足を踏み入れることができるでしょうか?「神の子」のニックネームを持つアンドレ・ウォードの快進撃に今後も注目しましょう。

アンドレ・ウォードのプロフィール

誕生日 1984年2月23日
ニックネーム
  • SOG(Son of God)
  • 神の子
戦績 27戦全勝14KO
獲得タイトル
  • アテネ五輪ライトヘビー級金メダル
  • WBA世界スーパーミドル級タイトル
  • WBC世界スーパーミドル級タイトル
  • スーパーシックス・トーナメント優勝
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