10年間タイトルを守り続けるウェールズの誇り
ジョー・カルザゲは現役の無敗チャンピオンの中で最も数多く試合をこなしているボクサーです。特筆すべきは、10年以上WBO世界スーパーミドル級タイトルを無敗のまま保持していること。21連続防衛中で、ジョー・ルイスが持つ25連続防衛記録を更新する可能性を秘めたチャンピオンです。
ジョー・カルザゲがWBO世界スーパーミドル級タイトルを獲得したのは1997年10月。その後、一度も負けることなく、同じタイトルを守り続けているんです。普段から体重に気を使いながらトレーニングに励んでいるボクサーじゃないと、10年以上同じ階級で戦うことさえ難しいでしょう。
ボクシングに打ち込む姿勢が高く評価されているカルザゲですが、彼に対する国際的な評価が高まったのはつい最近のことです。転機となったのは、2006年に行われたIBF世界スーパーミドル級チャンピオン、ジェフ・レイシーとの統一戦。度重なる拳のケガでビッグマッチを逃し続けてきたカルザゲにとって飛ぶ鳥を落とす勢いのレイシーは願ってもない相手です。
この試合は前評判が分かれた一戦でした。タイソンに似た野性味溢れる攻撃が魅力のIBFチャンピオン、レイシーがカルザゲの連勝をストップさせると予想したボクシングファンのほうが多かったと思います。しかし、蓋を開けてみると、結果はカルザゲの圧勝でした。1度のダウンを含む、3-0の大差の判定勝利で、腫れ上がった試合後のレイシーの顔が両者の実力差を表しています。
速射砲のような回転の速い連打と豊富なスタミナがカルザゲの持ち味です。特に12ラウンド打ち続けられるスタミナを持っている中量級のボクサーは少ないので、対戦相手にとってカルザゲのスタミナとタフネスは脅威ですね。
2007年11月には、WBA/WBC世界スーパーミドル級チャンピオン、ミッケル・ケスラーと全勝チャンピオン同士の統一戦を行い、3-0の文句なしの判定勝利を収めます。これまで完璧な試合を続けてきたケスラーが、どうやって戦えばいいのか迷っているうちに12ラウンドが終わってしまった印象でした。カルザゲはそれほど相手にとって戦いにくいボクサーなんだと思います。対面して初めて感じるプレッシャーやオーラがあるのでしょう。
レイシー、ケスラーと若いチャンピオンに格の違いを見せつけたカルザゲ。最近はボクシング専門誌で全階級最強の称号「パウンド・フォー・パウンド」に挙げられるほど、国際的な存在感を示しています。ジョー・ルイスの持つ25連続防衛記録を塗り替えることができるのか?無敗のまま引退することができるのか?イギリスで絶大な人気を誇る「ウェールズの誇り」はボクシングの歴史に新たな1ページを加えることができるのでしょうか?
ジョー・カルザゲのプロフィール
誕生日 | 1972年03月23日 |
ニックネーム | ウェールズの誇り、イタリアンドラゴン |
戦績 | 46戦全勝32KO |
獲得タイトル |
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