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マイク・タイソン

最強の拳と「鉄人」の異名を持つ世界で最も有名なボクサー

元3団体統一世界ヘビー級チャンピオン、「鉄人」マイク・タイソンは、管理人が知る限り、世界で最も有名なボクサーです。普段ボクシングの試合を観戦しない人でもマイク・タイソンの名前だけは知っているという人も多いのではないでしょうか?

マイク・タイソンは、ヘビー級としては小柄な180センチ。しかし、体格的なハンデを補って余りあるパンチ力と踏み込みの速さを持っています。特に、相手との距離を一瞬で詰める、踏み込みの速さはマイク・タイソンの命綱です。「頭を振りながら、相手のパンチをかわし、懐に飛び込んで、強打を打ち込む」。言葉で表現すると簡単ですが、豪腕ひしめくヘビー級の試合で、これを実行できるボクサーがマイク・タイソンの他に何人いるでしょうか?

マイク・タイソンのように身長が低く、リーチが短いボクサーが自慢の強打を打ち込むためには、相手との距離を詰める必要があります。どれほど強いパンチ力を持っていたとしても相手に届かなければ、自慢の強打も宝の持ち腐れになってしまうからです。もしマイク・タイソンに強打を活かすための踏み込みの速さがなければ、体格的なアドバンテージが顕著なヘビー級のチャンピオンにはなれなかったかもしれません。

しかし、マイク・タイソンはデビュー以来、自分より大きな相手を次々と打ち倒し、1986年、トレバー・バービックの持つWBC世界ヘビー級タイトルに挑戦。2ラウンドKOで、ボクシング史上最年少のヘビー級チャンピオンに君臨します。

翌1987年には、WBAとIBFのタイトルも獲得し、3団体統一世界ヘビー級チャンピオンになりますが、この頃からマイク・タイソンを取り巻く環境が激変。そして、マイク・タイソンの最強神話は音を立てて崩れるようになるのです。

ボクシングでは新しいプロモーター、ドン・キングとの契約。私生活では結婚、離婚を経験し、精神的に不安定な時期が続く中、1990年、東京ドームでジャームス・ダグラスと対戦。「世紀の番狂わせ」と言われた一戦は、マイク・タイソンの10ラウンドKO負け。世界中が注目した日本での大一番は、プロ転向後、初の黒星という結果に終わりました。

さらに、1992年には婦女暴行で逮捕され、実刑が確定。この判決によって長期に渡るブランクを余儀なくされます。3年間の服役を経て、1995年に復帰。翌年3月にフランク・ブルーノが持つWBC世界ヘビー級タイトルに挑戦し、3ラウンドTKO勝ちでタイトルを獲得。さらに、同年9月にWBAタイトルも獲得し、完全復活したように思えました。

しかし、同年11月「真実の男」イベンダー・ホリフィールドがマイク・タイソンの前に立ちはだかり、11ラウンドTKO負けで、プロ2敗目を喫してしまいます。翌1997年、再びホリフィールドと戦いますが、3ラウンドにホリフィールドの耳に噛み付き、失格負け。そして、この噛み付き事件がタイソン失墜への序章となります。

1998年には暴行容疑で逮捕され、再びブランクを作ってしまいます。1999年に復帰し、フランソワ・ボタに5ラウンドKO勝利をおさめますが、スピードの衰えは明らかで、ワンパンチで辛くもモノにした一戦でした。

そして迎えた2002年。「英国の誇り」レノックス・ルイスが持つWBC、IBF世界ヘビー級タイトルに挑戦し、世界チャンピオン返り咲きを狙います。しかし、世界中のボクシングファンが待ちわびたレノックス・ルイス対マイク・タイソンの大一番は一方的な展開で、マイク・タイソンの8ラウンドKO負け。そこに「鉄人」マイク・タイソンの姿はありませんでした。

2003年には暴行容疑で再び逮捕され、2004年に復帰しますが、復帰戦で膝の靭帯を断裂し、ダニー・ウィリアムズに4ラウンドTKO負け。その後は度重なるケガと不安定な私生活の影響で、トップコンディションを維持することができなくなってしまいます。

2005年6月に復帰して、ケビン・マクブライドと戦いますが、6ラウンド終了後、試合を放棄してTKO負け。試合後、リング上で事実上の引退を発表し、「鉄人」マイク・タイソンは20年に及ぶボクシング生活に別れを告げました。

一撃必殺の強打で試合を終わらせるマイク・タイソンほど、ボクシングの魅力を簡単に世界中に伝えたボクサーはいないでしょう。そして、マイク・タイソンほどインパクトを与えることができるボクサーは今後登場しないかもしれません。

「私はもう二度とボクシングを侮辱したくない」

史上最年少で世界ヘビー級タイトルを獲得した「鉄人」マイク・タイソンのボクシング人生は、栄光と挫折に満ちた波乱の連続でした。リング上の対戦相手ではなく、リング外の苦悩こそ、マイク・タイソンを苦しめ続けた最大の敵だったのかもしれません。

マイク・タイソンのプロフィール

本名 マイケル・ジェラルド・タイソン
誕生日 1966年6月30日
ニックネーム アイアン(鉄人)
生涯戦績 58戦50勝44KO6敗2無効試合
獲得タイトル
  • WBA世界ヘビー級タイトル
  • WBC世界ヘビー級タイトル
  • IBF世界ヘビー級タイトル
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