WBA・IBF世界フェザー級タイトルマッチ
チャンピオン | ファン・マヌエル・マルケス(メキシコ) 戦績:44戦42勝33KO2敗 |
挑戦者 | マニー・パッキャオ(フィリピン) 戦績:41戦38勝29KO2敗1分 |
マニー・パッキャオ対ファン・マヌエル・マルケス(第1戦)の試合内容(前編)
2004年5月8日、のちに宿命のライバルとして世界中で語り継がれる2人のボクサーが初めて拳を交えました。チャンピオンは「無冠の帝王」の肩書きを返上し、2本のベルトを保持するファン・マヌエル・マルケス。挑戦者は強豪を次々に飲み込む「パックマン」マニー・パッキャオです。運命に導かれた両雄の初対決がついに実現しました。
ボクシング史上最強の「パウンド・フォー・パウンド」と呼ばれる「フィリピンの英雄」マニー・パッキャオとボクシング史上最も誇り高きハートを持つ「メキシコの英雄」ファン・マヌエル・マルケス。ラスベガスを舞台に繰り広げられるライバル対決はボクシングの歴史に残る名勝負となりました。
試合は1ラウンドから世界中のボクシングファンが熱狂する予想外の展開で始まります。いつも通り、ガードを高く上げてドッシリと構えるチャンピオンのファン・マヌエル・マルケスに対して、挑戦者のマニー・パッキャオは上半身を小刻みに振りながら懐に飛び込むタイミングを狙っています。
「どちらも調子が良さそうだな。一撃で終わらせるパンチを持つボクサー同士の対決なんで、目が離せない戦いになりそうだぞ」と思い始めたラウンド中盤、マニー・パッキャオの伝家の宝刀、最短距離を走る左ストレートが、ファン・マヌエル・マルケスのアゴを打ち抜き、ファン・マヌエル・マルケスがダウン!
「素晴らしい!めちゃめちゃ思い切りの良い踏み込みだよ。マルケスのダメージはどうかな?」と尻もちをついてリングに座り込むファン・マヌエル・マルケスのダメージに注目する管理人。ダウンから立ち上がったファン・マヌエル・マルケスを観る限り、体に力が入っていないですね。
「マルケスは危ないかも。パッキャオ、一気に勝負を決められるかな?」と思っていると、最初のダウンから20秒後、再びマニー・パッキャオの左ストレートがファン・マヌエル・マルケスのアゴをとらえ、ファン・マヌエル・マルケスがダウン!今度は背中がリングにつくダウンです。
「マルケスはパッキャオのスピードについて行けないな。左ストレートが全く見えてないよ。逆に、パッキャオは試合を終わらせる絶好のチャンスだよ」とマニー・パッキャオのボクシングに注目する管理人。2度目のダウンから何とか立ち上がったファン・マヌエル・マルケスに対して、マニー・パッキャオが襲いかかり、一気に勝負を決めに行きます。
そして迎えた残り45秒、マニー・パッキャオがファン・マヌエル・マルケスをロープに詰めて会心の左ストレートを打ち込み、3度目のダウンを奪います。「さすがに決まったかな?。もう無理でしょ」とリングに仰向けになったファン・マヌエル・マルケスを観て、多くのボクシングファンが管理人と同じ思いを抱いたのではないでしょうか?
しかし、誇り高きメキシコの戦士は不屈の闘志を武器に3度目のダウンから立ち上がり、フラフラになりながら、マニー・パッキャオの攻撃を耐え抜いたのです。1ラウンド終了のゴングが鳴り響いたとき、管理人は信じられない気持ちでした。
マニー・パッキャオの圧倒的な攻撃力とファン・マヌエル・マルケスのボクシング理論を超越したファイティング・スピリッツ。しかし、管理人はこのときまだ気付いていませんでした。世界中のボクシングファンを虜にした衝撃的な幕開けが、これから始まる激闘の第一歩に過ぎなかったことを。