ボクシングファン.net > ボクシング名勝負 > レノックス・ルイス対マイク・タイソン

レノックス・ルイス対マイク・タイソン

世界中のボクシングファンが待ち望んだヘビー級最強決定戦

エルビス・プレスリーの故郷、テネシー州メンフィス。ロックンロールの伝説的スーパースターが誕生した聖地で、ついにボクシング界のスーパースター同士が激突します。WBC、IBF世界ヘビー級チャンピオン、レノックス・ルイスと元3団体統一世界ヘビー級チャンピオン、マイク・タイソン。長年ヘビー級戦線をリードしてきた強打者同士の対決です。

世界中のボクシングファンがどれだけルイス対タイソン戦を待ち望んでいたのかは両者のファイトマネーを見れば一目瞭然です。ルイス、タイソンとも約22億円。さらにPPV(ペーパービュー)の売り上げが加わります。驚くべきはチャンピオン、ルイスのファイトマネーと挑戦者、タイソンのファイトマネーが同額であること。やはりタイソンの商品価値はズバ抜けているんですね。

ただ、最近下降線を描いているタイソンのボクシングが、ヘビー級の絶対的エース、ルイスに通用するかは疑問です。ルイスの強みはファイタータイプ、ボクサータイプのどちらのボクサーにも対応できる点です。懐に入ってくるファイタータイプの相手なら、右アッパーから右ストレートで、距離を取って戦うボクサータイプの相手なら、自慢のリーチを活かした左ジャブから右ストレートでKOを狙います。

ヘビー級としては小柄なタイソンが勝つためには、ルイスの懐に飛び込んで左右をフックを決めたいところですが、全盛期のスピードを失ったタイソンにとって厳しい戦いになることは間違いありません。

そうは言っても、試合前、これまで数々の激闘を潜り抜けてきたタイソンがKO勝ちする姿を想像したのは管理人だけではないと思います。「タイソン不利だけど、一発があるからなあ。全盛期のスピードは失っても、一発でルイス倒すだけのパンチ力は失っていないよ」と淡い期待を抱いていたのですが、結局、世界中のボクシングファンが注目した世紀の一戦は予想通りの展開となりました。

1ラウンドのタイソンは決して悪くなかったと思います。頭を振り、左のダブルジャブを突きながら、ルイスの懐に入ろうとする姿は、まさにタイソンのボクシングそのものです。チャンピオンのルイスが後ろに下がる場面もあり、「あれ?これはもしかして」と期待感が募ります。

ところが、2ラウンド、ルイスが伝家の宝刀を抜いたのです。1ラウンドのリズムそのままに、ルイスの懐に飛び込もうとするタイソンに強烈な右アッパー。この一撃がこの試合の流れを大きく左右する「勝負の一打」となりました。

懐に飛び込むしかないタイソンにとって、ルイスの「インファイター殺しの右アッパー」は最悪のパンチです。ルイスの右アッパーは、タイソンの警戒心をあおるのに十分な威力。思い切った踏み込みができなくなってしまったタイソンは迷いながらボクシングをするようになり、試合のペースは完全にルイスへと傾きます。

ルイスの懐に飛び込むことだけでなく、頭を振ることも忘れてしまったタイソン。ルイスの左ジャブ、右ストレートをモロにもらってしまう場面が増え、完全に動きが鈍くなります。左右のまぶたは腫れ上がり、視界さえも奪われる致命的な展開のまま、運命の8ラウンドを迎えます。

ほとんどサンドバッグ状態のタイソンに対して、ルイスが猛攻を仕掛け、右アッパーでこの試合初めてのダウンを奪います。何とか立ち上がるタイソン。しかし、世紀のビッグマッチに終止符を打つルイスの右フックがタイソンを襲い、再びダウン。リングに大の字になりながら、再び立ち上がろうとするタイソンですが、10カウント以内に立ち上がることはできませんでした。

世界中のボクシングファンが待ち望んだヘビー級最強決定戦は結局チャンピオン、ルイスの圧勝で幕を閉じました。試合前、ルイスの勝利を予想した管理人ですが、さすがにこれほど一方的な展開になるとは思わなかったので、試合後は少し呆然となるほど、衝撃的な内容でしたね。

スポーツ選手が持っている力を最大限に発揮するには心技体の充実が必要だと言われますが、この試合のタイソンを観ていると、その格言の意味がよく分かります。1ラウンドを観る限り、タイソンの肉体的なコンディションは悪くなかったと思います。

しかし、タイソンの精神的なコンディションはルイスと戦えるほど回復していたのでしょうか?答えはおそらく「ノー」だと思います。タイソンの代名詞とも言える「闘争本能」が試合を通じて全く感じられなかったことを考えると、試合前から勝者はすでに決まっていたのかもしれません。

試合後、引退を示唆したルイス。この試合でルイスが得た満足感がタイソンの存在の大きさを表しています。世界で最も有名なボクサー、マイク・タイソンはボクシングの世界で最も大きな存在感を持つボクサーなんですね。ルイス対タイソン戦ほどのビッグマッチが次に実現するのは一体いつになるのか?そのとき、誰がボクシング界の中心にいるのか?世紀のビッグマッチはボクシング界の大きな転機となる一戦でした。

ボクシングファン.net > ボクシング名勝負 > レノックス・ルイス対マイク・タイソン
特集!ミゲール・コット対サウル・アルバレス

新旧スター対決!ミゲール・コットの防衛か?サウル・アルバレスの2階級制覇か?

4階級制覇の実績を誇る「プエルトリコの英雄」ミゲール・コットと2階級制覇を目指す「メキシコの至宝」サウル・アルバレスがついに激突。絶大な人気を誇る新旧スーパースター対決です!

WBC世界スーパーフェザー級チャンピオンの三浦隆司選手も同じイベントに登場します。

テレビ放送日時 11月21日(土)HBOでPPVライブ中継(アメリカ)
11月22日(日)WOWOWで11時から生中継(日本)
ニュース 両雄が計量をパス!ミゲール・コット対サウル・アルバレスの直前情報
ニュース 復活のミゲール・コットはサウル・アルバレスからタイトルを守れるか
ニュース 新旧交代なるか?サウル・アルバレスが語るミゲール・コット戦の作戦
ニュース ミゲール・コット対サウル・アルバレスの新旧対決は11月開催に決定
ニュース 大舞台で輝けるか?三浦隆司vsフランシスコ・バルガスの見どころ
注目のボクサー
伝説のチャンピオン
ボクサーの関連ニュース
ボクシングニュース
ボクシング観戦レビュー
歴史に残るボクシング名勝負
ボクシング情報