無敗のままリングを去った究極のチャンピオン
「エル・フィニート(素晴らしい)」の愛称を持つリカルド・ロペスは、プロ、アマ通じて一度も負けずに引退した究極のチャンピオンです。
ボクシングファンに愛され、人気、実力ともに認められたチャンピオンは、世界中に存在しますが、どんなに優れたチャンピオンでも無敗のままリングを去ることは至難の業です(無敗のまま引退することは究極の理想だと思います)。絶大な人気を誇ったモハメド・アリもマイク・タイソンもフリオ・セサール・チャベスもナジーム・ハメドもボクシング人生で負けを味わったことがあります。
しかし、ボクシングの最軽量級、ミニマム級の世界タイトルを22度も防衛した「小さな大巨人」、リカルド・ロペスは、ボクシングキャリアで一度も負けたことがなく、まさに究極と呼ぶにふさわしい伝説のチャンピオンです。
リカルド・ロペスは、破壊や暴力という言葉が似合わないボクサーです。ボクシング史上最も無駄の少ないと言われるファイトスタイルは、まさに「芸術」。凶暴性や暴力性を前面に押し出した攻撃は相手を圧倒し、破壊しますが、「精密機械」に例えられるほど、基本に忠実で無駄のないリカルド・ロペスの攻撃は相手の急所を確実にとらえ、意識もろとも断ち切ってしまいます。特に、14度目の防衛戦でアラ・ビラモアをKOした左アッパーは、相手を一瞬浮かせるほどの威力で、最も美しいKOと語り継がれる伝説のパンチです。
ボクシング史に数々の伝説を残したスーパーチャンピオンは、1990年10月、WBC世界ミニマム級チャンピオン(当時はストロー級)、大橋秀行を5ラウンドKOで下し、完璧な内容で初タイトル奪取に成功します。1999年10月には、IBF世界ライトフライ級タイトルを獲得し、2階級制覇を達成。
2001年9月、2度目の防衛戦をKO勝利で飾った後、引退を発表し、プロ、アマを通じて、生涯一度も負けることなくリングを去りました。ボクシング史上「最も大きな伝説」を残したチャンピオンこそ、「小さな大巨人」、リカルド・ロペスです。
リカルド・ロペスのプロフィール
本名 | リカルド・ロペス |
誕生日 | 1972年04月15日 |
ニックネーム | エル・フィニート(素晴らしい) |
生涯戦績 | 51戦50勝37KO1分 |
獲得タイトル |
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