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ノニト・ドネア

一撃必殺の強打と抜群のステップワークで相手を圧倒する「フィリピンの閃光」

フィリピン出身のノニト・ドネアはボクシングの本場アメリカで最も注目される軽量級のスーパースターです。バリエーション豊かな強打と軽快なステップワークを誇り、圧巻のKO勝利を重ねながら軽量級の頂点へ駆け上がりました。

ノニト・ドネアのニックネームは「フィリピンの閃光」。ニックネームが表すように、閃光のような鋭いパンチと俊敏な動きが持ち味です。「強い」と「速い」を兼ね備えた好戦的なボクシングが大きな魅力ですね。

ノニト・ドネアはストレート、フック、アッパー、すべてのパンチでKOできる切れ味とテクニックを兼ね備えています。しかもタイミングが抜群なんです。「相手に打たせて、スパーン!」で試合が終わります。「閃光」に例えられるパンチの鋭い切れ味こそ、ノニト・ドネア最大の特徴です。

対戦相手の意識を一発で刈り取ってしまうパンチの切れ味は全階級を通じてトップ3に入ると思います。ヘビー級ボクサーのパンチが「ガツン!」と響く「ハンマー」なら、ノニト・ドネアのパンチは「スパーン!」と切れる「刀」です。

「フィリピンの閃光」ノニト・ドネアが初の世界タイトルを手にしたのは2007年7月。無敗の快進撃を続け、「軽量級最強のKOマシーン」と呼ばれたビック・ダルチニャンの持つIBF世界フライ級タイトルに挑戦します。

結果は飛ぶ鳥を落とす勢いでKO勝利を重ねてきたビック・ダルチニャンに5ラウンドTKO勝ち。ノニト・ドネアが狙いすましたカウンターの左フック一撃でビック・ダルチニャンからタイトルを奪取し、世界中のボクシングファンに衝撃を与えた試合でした。

圧巻のKO勝ちでフライ級タイトルを獲得したノニト・ドネアは、2009年8月、階級をひとつ上げ、ラファエル・コンセプションとWBA暫定世界スーパーフライ級タイトルをかけて激突。12ラウンド判定勝ちで2つ目のタイトル獲得に成功し、2階級制覇を達成します。

2010年12月にバンタム級へ階級を上げたノニト・ドネアは元世界チャンピオンのウラディミール・シドレンコと対戦。バンタム級のテストマッチで、ウラディミール・シドレンコから3度のダウンを奪い、4ラウンドKO勝ちで圧倒的な強さをみせつけます。

そして迎えた2011年2月。ノニト・ドネアは3階級制覇と「バンタム級最強」の称号をかけてフェルナンド・モンティエルに挑戦します。結果は世界中のボクシングファンが驚愕する2ラウンドTKO勝ちで3階級制覇に成功。「ノニト・ドネア時代」の到来を告げる完璧な勝利でした。

軽量級の主役に躍り出たノニト・ドネアは2011年10月、3階級制覇を狙う大ベテランのオマール・ナルバエスを迎えてバンタム級タイトルの初防衛戦を行います。

守りに入ったオマール・ナルバエスのブロックに手を焼きますが、結果は、3人のジャッジすべてがフルマークでノニト・ドネアを支持する完璧な判定勝ち。圧巻のボクシングで無敗のオマール・ナルバエスを撃破し、バンタム級タイトルの初防衛に成功しました。

無敗の大ベテランに初黒星をつけたノニト・ドネアは2012年2月、4階級制覇をかけてウィルフレド・バスケス・ジュニアと激突。9ラウンドに強烈な左アッパーから左フックのコンビネーションでダウンを奪うなど、攻撃的なボクシングを貫き、12ラウンド判定勝ちで4階級制覇を達成します。

4階級制覇を成し遂げたノニト・ドネアは初防衛戦でIBFチャンピオンのジェフリー・マセブラと対戦。大振りが目立ったノニト・ドネアでしたが、大差の判定でジェフリー・マセブラを退け、王座統一に成功します。

圧倒的な強さを誇示するノニト・ドネアは2012年10月14日、日本人ボクサー初の名誉チャンピオンに認定された西岡利晃選手と激突。日本のボクシングファンが待ち焦がれた夢の対決が実現します。

「スーパーバンタム級最強」の称号を争うビッグマッチで、ノニト・ドネアは西岡利晃選手から2度のダウンを奪い、結果は9ラウンドTKO勝ち。自らの拳で「誰が最強か」を世界中のボクシングファンに証明する快勝でした。

西岡利晃選手に勝利をおさめたノニト・ドネアは2012年12月、わずか2か月のインターバルでメキシコが誇る人気ボクサーのホルヘ・アルセと対戦。結果は衝撃の3ラウンドKO勝ち。5階級制覇を達成したホルヘ・アルセから3度のダウンを奪う圧巻のKO劇でした。

2012年の「ファイター・オブ・ザ・イヤー」を獲得したノニト・ドネアは2013年4月、オリンピックを2連覇したギジェルモ・リゴンドーと王座統一をかけて激突します。結果は、ノニト・ドネアの12ラウンド判定負け。ギジェルモ・リゴンドーのテクニックに持ち味を消され、12年ぶりの敗戦を喫してしまいました。

無念の黒星を喫したノニト・ドネアはフェザー級へ転向し、2013年11月に再起戦を行います。対戦相手はビック・ダルチニャン。結果は、スーパースターの階段を踏み出すきっかけとなった因縁の相手に9ラウンドTKO勝ちで再び快勝。復活をアピールした6年ぶりの再戦でした。

再起戦で勝利を飾ったノニト・ドネアは2014年5月、WBA世界フェザー級チャンピオンのシンピウェ・ベチェカと激突します。結果は、ノニト・ドネアの5ラウンド負傷判定勝ち。偶然のバッティングでまぶたをカットするアクシデントを乗り越え、初登場のマカオで、ボクシング史上7人目となる5階級制覇を達成しました。

5階級制覇を成し遂げたノニト・ドネアは2014年10月、ニコラス・ウォータースと王座統一をかけて激突します。結果は、衝撃の6ラウンドKO負けで王座陥落。3ラウンドに強烈な右アッパーでダウンを奪われてペースを失い、最後はプロ初のKO負けとなる無念の終幕でした。

衝撃のKO負けを喫してしまったノニト・ドネアは2015年3月、母国フィリピンへ凱旋(がいせん)し、ウィリアム・プラドと激突します。結果は、ノニト・ドネアの2ラウンドTKO勝ち。ガードを固めるウィリアム・プラドに多彩な強打を打ち込み、レフェリーストップを呼び込んだ圧勝でした。たくさんのファンが集った再起戦で復活をアピールしました。

マニー・パッキャオに続くフィリピン出身のスーパースターとして、抜群の存在感を誇るノニト・ドネア。プロ初のKO負けを喫した「フィリピンの閃光」ですが、まばゆい輝きと功績が消え去ることはありません。ボクシングの本場アメリカで軽量級の価値を高めた「軽量級のラストホープ」です。

ノニト・ドネアのプロフィール

ニックネーム フィリピーノ・フラッシュ(フィリピンの閃光)
誕生日 1982年11月16日
戦績 37戦34勝22KO3敗
獲得タイトル
  • IBF世界フライ級タイトル
  • WBA世界スーパーフライ級暫定タイトル
  • WBC世界バンタム級タイトル
  • WBO世界バンタム級タイトル
  • WBO世界スーパーバンタム級タイトル
  • IBF世界スーパーバンタム級タイトル
  • WBA世界フェザー級タイトル
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