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ホルヘ・リナレス

抜群のボクシングセンスと日本の心を持つベネズエラ出身のゴールデンボーイ

2002年、17歳の少年がプロボクサーとしてデビューするため、南米のベネズエラから地球の反対に位置する日本を訪れ、ボクシングジムに入門しました。

少年の名前はホルヘ・リナレス。卓越したコンビネーションブローと抜群のスピードを武器に、のちに世界チャンピオンに輝く攻防兼備のボクサーです。

ホルヘ・リナレスのニックネームは「ニニョ・デ・オロ」。英語に訳すと「ゴールデンボーイ」です。ボクシング史上初の6階級制覇を成し遂げたオスカー・デラホーヤと同じニックネームを持っています。

本家ゴールデンボーイのオスカー・デラホーヤが太鼓判を押す才能は、日本で開花し、やがて世界中のボクシングファンの目に触れることになります。

ホルヘ・リナレスが初の世界タイトル挑戦のチャンスをつかんだのは2007年7月。空位のWBC世界フェザー級タイトルをオスカー・ラリオスと争い、結果は10ラウンドTKO勝ち。全勝のまま悲願の世界タイトル奪取に成功します。

この試合のホルヘ・リナレスは圧巻でした。対戦したオスカー・ラリオスは軽量級ながら、長身でパンチ力のある好戦的なボクサー。強豪との対戦経験も豊富なメキシカンです。

正直なところ、管理人は「ホルヘ・リナレスが負ける可能性もあるかな?」と心配していたのですが、試合が始まると両者の実力差は明白で、ホルヘ・リナレスの良さばかりが目立った内容でした。

序盤こそ、オスカー・ラリオスが持ち前の強打と突進力に武器に攻め込みますが、試合が進むにつれて、両者のディフェンスの差が明白になり、勝敗を大きく左右することになります。

ホルヘ・リナレスの攻撃をまともにもらってしまうオスカー・ラリオスに対して、ホルヘ・リナレスはオスカー・ラリオスの攻撃を丁寧にブロックし、徐々に自分のペースに持ち込みます。

中盤以降はオスカー・ラリオスの打ち終わりを待って、ホルヘ・リナレスが的確なコンビネーションブローを上下に打ち分ける展開が続き、10ラウンドにオスカー・ラリオスを仕留めます。

勝負が決まるとすぐにコーナーポストへ駆け上り、日本語で「やったー」と叫んだホルヘ・リナレスの姿を目にして「ジーン」としたのは管理人だけではないと思います。

WBC世界フェザー級王座決定戦で世界的な実力者の元WBC世界スーパーバンタム級チャンピオンのオスカー・ラリオスに快勝したことで、ホルヘ・リナレスは一躍世界的なステイタスを獲得することになります。

一度防衛に成功した後、右肩を痛めて休養を余儀なくされますが、2008年11月、2階級制覇をかけたWBA世界スーパーフェザー級王座決定戦で復帰。敵地のパナマでワイベル・ガルシアにTKO勝ちを飾り、ホルヘ・リナレスが見事に2本目の世界チャンピオンベルトを奪取します。

全勝の快進撃を続けるホルヘ・リナレスは2009年6月、敵地のメキシコに乗り込み、ホサファト・ペレスと激突。結果は8ラウンドTKO勝ちで、初防衛に成功します。2009年9月には、オスカー・デラホーヤ率いるゴールデンボーイ・プロモーションズと契約し、本格的な世界進出のチャンスを手にします。

世界中のボクシングファンがホルヘ・リナレスの明るい未来に大きな期待を寄せました。しかし、2009年9月、日本で行われた2度目の防衛戦でファン・カルロス・サルガドにまさかの1ラウンドTKO負け。プロ初の黒星は、誰も予想しなかった衝撃的な敗戦でした。

初めての挫折から立ち上がったホルヘ・リナレスは2010年3月、半年の休養期間を経て母国ベネズエラで再起。元世界チャンピオンのフランシスコ・ロレンソに2-0の判定勝ちを飾り、再び世界の頂点へ向けて走り出します。

2010年7月にリカルド・フアレスを判定勝ち、2010年10月にヘスス・チャベスをTKO勝ちで連破したホルヘ・リナレスは2011年10月、3階級制覇をかけてアントニオ・デマルコと空位のWBC世界ライト級タイトルを争います。

しかし、結果は11ラウンドTKO負けでタイトル奪取に失敗。序盤からペースを握りながら、カットの影響で終盤に失速し、3階級制覇に手が届かなかった無念の敗戦でした。

再起をかけるホルヘ・リナレスは2012年3月にセルヒオ・トンプソンと激突。アントニオ・デマルコへの挑戦権をかけた大事な試合でしたが、2ラウンドにパンチによるカットで試合続行不可能の判断され、TKO負け。まさかの2連敗を喫してしまいます。

崖っぷちに追い込まれたホルヘ・リナレスは2012年10月、エクトール・ベラスケスとアメリカで対戦。70戦以上のキャリアを誇るベテランの粘り強いボクシングに手を焼く場面もありましたが、大差の判定勝ちを飾り、再起戦に勝利しました。

復活の勝利を手にしたホルヘ・リナレスは2013年3月、タフなデビッド・ロデラと対戦。結果は、ホルヘ・リナレスの8ラウンドTKO勝ち。速射砲のような左ジャブと的確なコンビネーションが戻ってきたことを印象付ける完勝でした。

3階級制覇を目指すホルヘ・リナレスは2013年11月、WBA世界ライト級チャンピオンのリカルド・アブリルに挑戦する予定でしたが、リカルド・アブリルがケガをしてしまい、急きょ対戦相手が変更。ノンタイトルマッチでフランシスコ・コントレラスと激突します。

結果は、圧巻の1ラウンドKO勝ち。スピード豊かなフランシスコ・コントレラスが右ストレートを打ち込もうとした瞬間、右ストレートのカウンターで迎撃した完璧なKO勝利でした。2013年に観戦した「美しいKOランキング」トップ10に入る芸術的なカウンターでした。

抜群のセンスを見せつけたホルヘ・リナレスは2014年3月、日本の荒川仁人選手とラスベガスで激突します。結果は、10ラウンド大差の判定勝ち。ホルヘ・リナレスは抜群のテクニックで荒川仁人選手の突進を封じ込め、WBC世界ライト級タイトル挑戦権を獲得しました。

世界タイトル挑戦を待つホルヘ・リナレスは2014年8月、経験豊富なアイラ・テリーとノンタイトルマッチで対戦します。結果は、ホルヘ・リナレスの2ラウンドKO勝ち。スピード、テクニック、パワーのあらゆる要素で上回るホルヘ・リナレスが立ち上がりから主導権を握り、完璧な右ストレートのカウンターでアイラ・テリーをリングに沈めた圧勝でした。

WBC世界ライト級チャンピオンのオマール・フィゲロアが負傷のより、長期休養することが決定。2014年12月、ホルヘ・リナレスはWBC世界ライト級タイトルをかけて、ハビエル・プリエトと激突します。結果は、4ラウンドTKO勝ちで3階級制覇を達成。2試合連続の芸術的なカウンターでハビエル・プリエトの自由を奪った快勝でした。

攻撃力、守備力、スピードのすべてを持ち合わせ、誰からも才能を認められるホルヘ・リナレス。スタミナをしっかり強化できれば、打ち合うことも離れて戦うこともできる器用なボクサーなので、どのタイプの挑戦者にも対応できると思います。

日本を愛する「ベネズエラのゴールデンボーイ」は挫折を乗り越え、世界へ羽ばたくことができるでしょうか?まだまだ底を見せていないホルヘ・リナレスの逆襲に今後も注目です。

ホルヘ・リナレスのプロフィール

誕生日 1985年08月22日
ニックネーム ニニョ・デ・オロ (ゴールデンボーイ)
戦績 41戦38勝25KO3敗
獲得タイトル
  • WBC世界フェザー級タイトル
  • WBA世界スーパーフェザー級タイトル
  • WBC世界ライト級タイトル
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