炎の真っ向勝負でアメリカンドリームをつかんだシベリアのロッキー
ロシア出身のルスラン・プロボドニコフは、真っ向から打ち合う闘争本能むき出しのファイトスタイルで絶大な人気を誇るファイターです。ガードを固めて距離を詰め、射程圏内に入ると、パワフルな連打を上下に打ち分けて、相手をねじ伏せるパワフルなボクシングが魅力ですね。
ニックネームは「シベリアン・ロッキー」。絶対に逃げない好戦的なボクシングは、映画「ロッキー」に登場する古き良きファイターを思い出させてくれます。21世紀に入って、生粋のファイターは大幅に減少していますが、ルスラン・プロボドニコフは、初めてボクシングを観戦した皆さんを一発でファンに変えてしまう可能性を秘めています。ボクシングがめっちゃわかりやすいんです!
ルスラン・プロボドニコフの作戦は単純明快!とにかく前へ前へプレッシャーをかけ続けて打ち合いに持ち込み、我慢比べの末、打ち勝つボクシングです。そんなわけで、勝った試合も顔面が腫れ上がっていることが多いのですが、腫れ上がった顔面は、世界中のファンが賞賛する「勝利の勲章」ですね。めちゃくちゃタフで、我慢比べになったら、ものすごい底力を発揮します。
ボクシング界を代表するファイターとして絶大な人気を誇るルスラン・プロボドニコフは2006年12月にプロデビュー。デビュー戦で白星を飾ると、ロシアとアメリカを行き来しながら、着実にキャリアを重ね、連勝を続けます。デビューから数年は、対戦相手がルスラン・プロボドニコフの攻撃に耐えられず、試合がすぐに終わっちゃうことが多かったです。
世界タイトル奪取へ向けて連勝を重ねるルスラン・プロボドニコフ。ところが、2011年1月、思わぬ伏兵に足をすくわれてしまいます。テクニシャンのマウリシオ・ヘレーラにいなされ、接戦の末、プロ初黒星を喫してしまったのです。紙一重で敗れた悔しいプロ初黒星でした。
プロ初黒星を喫したルスラン・プロボドニコフですが、再起後も攻撃的なボクシングを貫き、実力をアピール。2013年3月、悲願の世界タイトル奪取を目指し、WBO世界ウェルター級チャンピオンのティモシー・ブラッドリーに挑戦します。ティモシー・ブラッドリー戦こそ、世界中のファンに衝撃を与えた転機となる試合でした。
ルスラン・プロボドニコフは、序盤から強烈なパンチをティモシー・ブラッドリーに叩き込み、無敗の2階級制覇チャンピオンを追い詰めます。12ラウンドにダウンを奪い、あと一歩のところまで攻め込みました。しかし、打ち倒すことはできず、結果は、僅差の判定負け。世界タイトル奪取に失敗したルスラン・プロボドニコフですが、一躍スターの仲間入りを果たした歴史的な名勝負でした。
ティモシー・ブラッドリー戦の大激闘が評価されたルスラン・プロボドニコフは2013年10月、マイク・アルバラードが持つWBO世界スーパーライト級タイトルに挑戦。結果は、10ラウンド終了TKO勝ちを飾り、悲願の世界タイトル奪取に成功しました。2試合連続でめぐってきた世界タイトルマッチのチャンスを見事に生かした初戴冠。試合後の喜ぶ姿がめっちゃ印象的なタイトル奪取でした。
涙の世界タイトル奪取に成功したルスラン・プロボドニコフは2014年6月、全勝のクリス・アルジェリを迎えて初防衛戦を行います。結果は、12ラウンド判定負け。1ラウンドに2度のダウンを奪ったルスラン・プロボドニコフですが、懐の深いクリス・アルジェリの左ジャブとフットワークに手を焼き、大熱戦の末、世界タイトルを手放すことになった無念の王座陥落でした。
炎の真っ向勝負を貫き、世界の頂点へ駆け上がったルスラン・プロボドニコフ。超攻撃的なボクシングと驚異のタフネスを誇る「シベリアのロッキー」は、切望するビッグマッチを実現し、スーパースターの仲間入りを果たすことができるでしょうか?超攻撃的なボクシングを一度でも味わっちゃうと、次の試合も観戦せずにいられません。逆境を生き抜く炎のファイターです!
ルスラン・プロボドニコフのプロフィール
ニックネーム | シベリアのロッキー |
誕生日 | 1984年1月20日 |
戦績 | 26戦23勝16KO3敗 |
獲得タイトル |
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