卓越したボクシング技術と抜群の破壊力を兼ね備えた「ニカラグアの小さな強打者」
ニカラグア出身のローマン・ゴンサレスはアマチュアで培った確かなボクシング技術と軽量級離れした破壊力を兼ね備えたパワフルなボクサーです。
初めてローマン・ゴンサレスのボクシングを観戦したときの感想は「小さいけど、めっちゃパワフルだよ。しかもボクシングのテクニックがすごい!」でした。「小さいけど、強くてうまいボクサーの代表格」がローマン・ゴンサレスなんです。
ボクシングスタイルはシンプルで、ガードを固めて、パンチを出しながら距離を詰め、射程圏内になると、力強いパンチを連打します。
パンチは軽量級とは思えない破壊力を持ち、一撃で対戦相手をリングに沈めることもしばしば。フック系のパンチが得意で、顔面、ボディーへ打ち分ける左フックが特に強烈です。アッパーもうまいですよ。
ローマン・ゴンサレスの試合を観戦すると、軽量級とは思えない攻撃力に目を奪われがちになりますが、ディフェンスもめっちゃうまいです。十中八九がブロッキングで相手のパンチを防ぎます。
クリーンヒットをもらわず、積極的に距離を詰めてプレシャーをかけ、最後に相手を打ち倒すボクシングは世界中のボクシングファンから高い評価を受けています。「自分は打たれずに相手を打ち続ける理想的なボクシング」ですね。
2005年7月、最軽量級のミニマム級でプロデビューを飾ったローマン・ゴンサレス。デビュー当時から最軽量級とは思えないパンチでKOの山を築き、2008年9月、新井田豊選手が持つWBA世界ミニマム級タイトルに挑戦するチャンスを手にします。
結果は4ラウンドTKO勝ちで世界タイトル初挑戦でタイトル奪取に成功。21戦全勝19KOの驚異的な記録で世界の頂点にたどり着いた「小さな強打者」ローマン・ゴンサレスのボクシングに、世界中のボクシングファンが圧倒された瞬間でした。
世界のトップシーンに躍り出たローマン・ゴンサレスはWBAミニマム級タイトルを3度防衛した後、2010年10月、2階級制覇をかけてフランシスコ・ロサスと激突します。
立ち上がりこそ「接戦になるかな?」と思ったのですが、結果はローマン・ゴンサレスが2ラウンドに3度のダウンを奪い、KO勝ちで2階級制覇に成功します。
圧倒的な強さでライトフライ級のタイトルも手にしたローマン・ゴンサレスは、初防衛戦でマヌエル・バルガス、2度目の防衛戦でオマール・サラド、3度目の防衛戦でオマール・ソトにそれぞれ快勝。プロデビューから連勝を30に伸ばします。
3度の防衛に成功したローマン・ゴンサレスは2012年3月、フライ級のノンタイトルマッチでマヌエル・ヒメネスと対戦。当初はライトフライ級の防衛戦を行うはずでしたが、対戦相手が直前に変更となり、フライ級のテストマッチが実現しました。
結果は、ローマン・ゴンサレスがマヌエル・ヒメネスに1ラウンドKO勝ち。ローマン・ゴンサレスが実力者のマヌエル・ヒメネスに何もさせない完璧なボクシングを披露し、フライ級のテストマッチで存在感をアピールした試合でした。
2012年4月、前チャンピオンのラモン・ガルシアに4ラウンドKO勝ちを飾り、4度目の防衛に成功したローマン・ゴンサレス。2012年11月には強打者のファン・フランシスコ・エストラーダに12ラウンド判定勝ち。5度目の防衛成功し、WBAライトフライ級スーパーチャンピオンへ昇格します。
圧倒的な強さを誇るローマン・ゴンサレスは2013年9月、母国ニカラグアでフランシスコ・ロドリゲスと激突します。結果は、ローマン・ゴンサレスの7ラウンドTKO勝ち。3階級制覇の舞台となるフライ級の戦いで、変わらぬ強さをアピールする快勝でした。
圧巻の強さを誇示するローマン・ゴンサレスは2013年11月にノンタイトルマッチでオスカル・ブランケットと激突。結果は衝撃の2ラウンドTKO勝ち。八重樫東選手に挑戦した経験を持つオスカル・ブランケットを的確な強打で圧倒する文句なしの快勝でした。
向かうところ「敵なし」のローマン・ゴンサレスは2014年2月、強打を誇るタフなファイターのファン・カントゥンと激突。立ち上がりから「捨て身」の攻撃で番狂わせを狙うファン・カントゥンに対して、真っ向勝負で応戦し、結果は6ラウンドTKO勝ち。ラウンドが進むにつれて、ファン・カントゥンの戦意を奪い取る、恐るべきボクシングを披露しました。
全くスキのないボクシングで連勝を重ねるローマン・ゴンサレスは2014年9月、日本の八重樫東選手が持つWBC世界フライ級タイトルに挑戦します。結果は、9ラウンドTKO勝ちでタイトル奪取に成功。日本のボクシングファン注目した大一番は「強すぎて世界タイトルへ挑戦できない悲運の最強ファイター」が3階級制覇を成し遂げて感涙した記念すべきプロ40戦目でした。
3階級制覇を達成したローマン・ゴンサレスは2014年11月、タフな強打者のロッキー・フエンテスを迎えてWBC世界フライ級タイトルの初防衛戦を行います。結果は、ローマン・ゴンサレスの6ラウンドTKO勝ち。一撃にかけるロッキー・フエンテスにプレッシャーをかけ続け、最後は、防戦一方に追い込んだ貫禄(かんろく)の初防衛でした。
フライ級タイトルの初防衛に成功したローマン・ゴンサレスは2015年2月、母国ニカラグアへ凱旋(がいせん)し、スーパーフライ級のノンタイトルマッチを行います。メキシカンのバレンティン・レオンを3ラウンドTKO勝ちで撃破し、地元ファンに勝利をプレゼントしました。
凱旋防衛に成功したローマン・ゴンサレスは2015年5月、ボクシングの本場アメリカへ再上陸。メキシコ系ファンがたくさん暮らしているカリフォルニア州で、2階級制覇を目指すエドガル・ソーサと対戦します。結果は、ローマン・ゴンサレスの2ラウンドTKO勝ち。プロ60戦目となるベテランのエドガル・ソーサを圧倒し「軽量級最強ファイター」の実力を見せつけました。
階級を上げても軽量級を飛び越えた破壊力抜群のパンチでKOを積み重ねるローマン・ゴンサレス。ニカラグアが生んだ「小さな強打者」はデビューからの連勝をどこまで伸ばすことができるでしょうか?小さな体に宿るスケールの大きなボクシングに今後も注目ですね。
ローマン・ゴンサレスのプロフィール
ニックネーム | チョコラティート(El Chocolatito) |
誕生日 | 1987年6月17日 |
戦績 | 43戦全勝37KO |
獲得タイトル |
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