プロボクサーとして生きる!幕之内一歩とボクシングの出会い
ボクシング漫画の金字塔「はじめの一歩」。記念すべき第1巻のレビューです。
漫画「はじめの一歩」は、ボクシングと出会い、プロボクサーとしての道を歩むことを決めた主人公の幕之内一歩を中心に、鴨川ジムで一緒に夢を追いかけるボクサーの青春を描いた大人気コミックです。
主人公の一歩は、母親と2人で暮らす内気な高校生。実家の釣り船屋を手伝うため、クラスメイトの誘いを断る心優しき親孝行息子です。ある日の帰り道、一歩は、同じ高校に通う不良グループにからまれてしまいます。
一方的に殴られる一歩。グロッキーでKO寸前でしたが、偶然、通りかかった鷹村守に助けられ、ピンチを脱出します。鷹村との出会いが、一歩の人生を変える転機となりました。
鷹村は、鴨川ジムに通うプロボクサー。不良グループにからまれて負ったキズの手当てをするため、一歩を鴨川ジムへ連れて行きます。鷹村は、ぶっきらぼうな性格ですが、面倒見のいい「やんちゃ坊主」です。
鷹村は、一歩のキズの手当てをしながら「世界で一番有名なボクサーの秘話」を披露します。ボクサーの名前は、マイク・タイソン。爆発的な強打を武器に史上最年少で世界ヘビー級チャンピオンに君臨したマイク・タイソンですが、ボクシングと出会う前は「いじめられっ子」でした。
ボクシング漫画「はじめの一歩」第1巻に登場するボクサー
登場するボクサー |
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「有名な世界チャンピオンが自分と同じ境遇だったなんて…」と驚きを隠せない一歩。鷹村にマイク・タイソンのビデオを借りて帰り、家で食い入るようにマイク・タイソンの雄姿をチェックします。一歩がボクシングに強い興味を持った瞬間でした。
「強いってどんなんだろう…」
ボクシングに興味を持った「いじめられっ子」は、鷹村に「僕もボクシング、やってみたいなあ。プロボクサーになりたい」と告白。しかし、鷹村は「ナメんじゃねえぞ。簡単な思いつきでプロになろうなんて言われちゃ、困るんだよ」と一喝!
夢をあきらめられない一歩は「本気でボクシングをやろうと決心したんです。鷹村さんみたいに強くなりたい。タイソンみたいに生まれ変わりたい」と必死に食い下がります。
「鷹村さん、強いって一体どんな気持ちですか?」
一歩の情熱に根負けした鷹村は「ある宿題」を出します。「1週間後に宿題をクリアできたら、ボクシングを教えてやる」と言われ、練習を重ねる一歩。持ち前の努力と根性で鷹村の宿題をクリアした一歩は夢の第一歩を踏み出します。
ボクシング漫画「はじめの一歩」第1巻に登場するボクシング用語
ボクシング用語 |
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希望に胸が躍る一歩ですが、すんなりと鴨川ジム入りを認めてもらえません。見るからに優しい一歩の姿を目にした鴨川会長が「闘争心が全く感じられん。スパーリングをして無様だったら、帰らすぞ」といきなりのスパーリングを命じたのです。
スパーリングの相手は、将来を期待される宮田一郎。元プロボクサーの父の英才教育を受け、小さい頃からボクシングを叩き込まれているエリートです。そして、宮田こそ、一歩が憧れ「永遠のライバル」として対戦を切望するボクサーとなるのですが、それはちょいと先の話。
永遠のライバルの初対決は、宮田に軍配が上がります。敗れた一歩ですが、鴨川会長に持ち前の根性を認められ、練習生として、半年後のプロボクサーの試験に向けて「はじめの一歩」を踏み出しました。
ボクシングの漫画(アニメ)と言えば、名作「あしたのジョー」が有名です。めちゃめちゃストイックなスポコン漫画ですね。一方「はじめの一歩」は遊び心のあるスポコン漫画。笑いどころがたくさんあって「あしたのジョー」と違った雰囲気で楽しめます。
まじめなシーンとお笑いシーンのバランスが絶妙で、ボクシング技術の解説も丁寧なので、ボクシングを知らない読者の皆さんも十分に楽しめると思います。勇気と元気をもらえる漫画としてだけでなく、ボクシングの入門書としても存在感を放っている名作です!
ボクシングの漫画がもっともっと増えるといいなあ。
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