ライトヘビー級12回戦
元4団体統一世界 ミドル級チャンピオン |
バーナード・ホプキンス(アメリカ) 戦績:54戦48勝32KO4敗1分1無効試合 |
3団体統一世界スーパー ミドル級チャンピオン |
ジョー・カルザゲ(イギリス) 戦績:44戦全勝32KO |
バーナード・ホプキンス対ジョー・カルザゲの試合内容
ボクシングの歴史で初めて主要4団体の世界タイトルを統一した「死刑執行人」バーナード・ホプキンス。ジャーメイン・テイラーに敗れ、タイトルを失って以来、ボクシング活動が不活発ですが、最近はロナルド・ライトとアントニオ・ターバーの世界的なサウスポー2人に連勝するなど、43歳を迎えた今も老獪なボクシングは健在です。
「サウスポーキラー」の異名をほしいままにするホプキンスと今回対戦するのは「ウェールズの誇り」ジョー・カルザゲ。現在、3団体統一世界スーパーミドル級のチャンピオンで、まだ負けたことがない全勝チャンピオンなんです。
1997年にWBO世界スーパーミドル級タイトルを獲得してから、21連続防衛を続ける現役チャンピオンのカルザゲが、10年間で20度ミドル級タイトルを防衛した元チャンピオンのホプキンスを打ち倒すことができるのか?ベテラン同士の一戦は、序盤から息の詰まるような心理戦を展開となりました。
まず仕掛けたのは「ウェールズの誇り」カルザゲ。アメリカ、ラスベガスにも関わらず、大勢詰め掛けたイギリス人ファンの声援を受けて、積極的にパンチを出して、リズムを掴もうとします。一方、ホプキンスはいつも通りの静かな立ち上がり。右へ左へ動きながら、カルザゲとの間合いを確認します。ベテラン同士の行き詰る距離の取り合いです。
「カルザゲは積極的だけど、ホプキンスは相変わらずだな。一度も右を打たないし」と思っていると、開始から1分、今まで右を一度も出していなかったホプキンスがいきなりの右ストレート!このパンチが見事にカルザゲのアゴをとらえ、ダウンを奪います。
カルザゲのダメージはあまりないようですが、「左ジャブを突いて距離を測ってから右ストレート」というボクシングのセオリーを持たないホプキンスのボクシングに戸惑っている模様。ジェフ・レイシー、ミッケル・ケスラーなど数々のスーパースター候補を潰してきたカルザゲがこれほど困惑している姿は初めて観ました。
「ホプキンス得意の展開。カルザゲ危ないかも?」と思ったボクシングファンは管理人だけではないと思いますが、ここからカルザゲが本領を発揮します。今までホプキンスと戦った相手は、ホプキンスの強打を警戒して手が出ず、そのままペースを握られるというパターンが多かったのですが、カルザゲは手数を出してペースを奪い返そうとします。
体力を温存しながら単発でパンチを打ち込むホプキンスに対して、とにかく前に出続けてパンチを入れようとするカルザゲ。ホプキンスに比べてスタミナの不安が少ないカルザゲだからできる戦法ですね。そして、この戦法が見事に的中。ダウンの影響か、いつもより打ち急いでいるように思えますが、手数で勝るカルザゲが少しずつペースを奪い返します。
ホプキンスもカルザゲも長期政権を築いただけあって、駆け引きが本当に上手いです。特にフェイントとクリーンヒットをもらわないディフェンス技術はさすが!10年以上チャンピオンであり続けるためには、パンチを打たせない技術が必要条件なんですね。
結局、お互いクリーンヒットがないまま最終ラウンドのゴング。終始積極的に手を出したカルザゲを2人のジャッジが支持し、結果は2-1のスプリットデシジョンでカルザゲがホプキンスを下しました。
老獪なボクシングを展開したホプキンスですが、手数の多いボクサーは苦手なようです。長年ホプキンスとの対戦を熱望していたカルザゲは今回の勝利で連勝記録を45に伸ばし、スーパースターの地位をしっかりと固めました。今後は、スーパーミドル級のタイトルを防衛するのか?ライトヘビー級に上がって戦うのか注目です。
バーナード・ホプキンス対ジョー・カルザゲの試合結果
試合結果 | 1ラウンドにダウンを奪われながらも、巻き返しを図ったジョー・カルザゲが2-1の判定勝ちでバーナード・ホプキンスを撃破。プロデビュー以来の連勝記録を45に更新しました。 【公式ジャッジの採点結果】
|