スーパーフェザー級10回戦
NABO北米 フェザー級チャンピオン |
ユリオルキス・ガンボア(キューバ) 戦績:11戦全勝9KO |
元NABO北米 フェザー級チャンピオン |
マルコス・ラミレス(アメリカ) 戦績:26戦25勝16KO1無効試合 |
試合内容
アテネオリンピックにフライ級キューバ代表として出場し、金メダルを獲得したユリオルキス・ガンボア。2006年、ドイツへ亡命し、現在はアメリカを主戦場にプロボクサーとして全勝街道を突き進んでいます。軽量級で最も注目されるボクサーのひとりですね。
今回、アテネオリンピック金メダリストのガンボアと対戦するのは、26戦無敗のマルコス・ラミレス。ガンボア、ラミレスともにアマチュア出身のボクサーですが、タイプは全く違います。左右のフックを中心に、一発一発力を込めてパンチを打ち込むファイタースタイルのガンボアに対して、ラミレスはストレート系のパンチを得意とするボクサータイプです。
この試合はノンタイトル戦ですが、両者にとって来年以降の世界挑戦を見据えた重要な試合になります。現NABO北米フェザー級チャンピオンのガンボアと元NABO北米フェザー級チャンピオンのラミレスの無敗対決。お互いに負けられない一戦は倒し倒されの激闘となりました。
試合は立ち上がりからガンボア、ラミレスの両者が距離を取って積極的に打ち合う展開。予想以上に積極的な立ち上がりで、「早いラウンドで終わるかも」という期待感が募ります。すると、1ラウンド中盤、ガンボアが前へ出てきたところに、ラミレスがカウンターの右ストレートから左フックの返しをクリーンヒットさせ、ガンボアが一瞬グラつきます。
「あれ?ガンボア危ないかも」と思っていると、今度はラミレスのカウンターの右フックがガンボアのアゴをとらえ、さらに左フックを返してガンボアがダウン!リプレイを観ると、最初の右フックはひじが当たっている反則打でしたが、「ガンボアが負けるかも」という雰囲気が会場を包みます。
ところが、ここからアテネオリンピック金メダリストが実力を発揮。ダウンから立ち上がると、自分から攻撃を仕掛け、反撃を開始します。これまでの距離を取る戦い方から一気に距離を詰めて左右のフックを連打する作戦に変更し、ダウンを奪ったラミレスにプレッシャーをかけ続けます。ダウンのダメージがある中、これだけ前へ出て攻めることができるのは、打たれ強さと精神的なタフを持ったボクサーの証ですね。
2ラウンドに入ると、ガンボアがさらに攻撃の姿勢を強め、左右のフックを中心にラッシュ。1ラウンドにダウンを奪ったラミレスがガンボアの勢いに飲まれてしまい、完全にペースが逆転してしまいました。1分にはガンボアが左フックのボディーブローから右アッパーを突き上げて、お返しのダウンを奪います。
さらに、立ち上がったラミレスに対して、左右のフック、右ストレートを顔面へ連打し、ロープへ詰めたところで、左ボディーブローから右アッパーを突き上げて再びダウンを奪います。試合はこのままカウント10となり、ガンボアが逆転KO勝ちで連勝記録を12に伸ばしました。ダウンを奪われても、そこからひっくり返すところは、さすがアテネオリンピック金メダリストです。
まとにもクリーンヒットをもらう場面が多いのが気になりますが、ガンボアの攻撃力、突進力、ハートの強さは魅力的ですね。アマチュア出身のエリートで、アテネオリンピック金メダリストですが、攻撃的なボクシングスタイルはプロ向きで、人気も出ると思います。
現時点で世界タイトルを狙える実力を持っていると思いますが、あと1年ディフェンスとスタミナを強化して、万全の態勢で世界タイトルに挑戦したほうが長期的に考えれば得策ではないでしょうか?持ち味の攻撃力を活かしながら、しっかりとディフェンスを強化できれば、軽量級を代表するボクサーになるでしょう。今後も注目したいボクサーのひとりですね。
試合結果
試合結果 | ユリオルキス・ガンボアが2ラウンドKO勝ちで全勝をキープ。 |