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セルヒオ・マルチネス対ダーレン・バーカーの新旧テクニシャン対決

ミドル級12回戦

元2階級制覇
チャンピオン
セルヒオ・マルチネス(アルゼンチン)
戦績:51戦47勝26KO2敗2分
WBC・IBF
世界ミドル級3位
ダーレン・バーカー(イギリス)
戦績:23戦全勝14KO

セルヒオ・マルチネス対ダーレン・バーカーの試合内容

スーパーウェルター級、ミドル級の2階級制覇を成し遂げた「驚異の男」セルヒオ・マルチネスが全勝の快進撃を続ける攻防兼備のダーレン・バーカーと激突するミドル級12回戦です。ベテランのセルヒオ・マルチネスに新鋭のダーレン・バーカーが挑む楽しみな構図ですね。

試合は、左ジャブを突きながらジワリジワリと距離を詰めるダーレン・バーカーに対して、世界屈指のテクニックを誇るサウスポーのセルヒオ・マルチネスが距離を取り、カウンターを狙う展開で始まります。セルヒオ・マルチネスはダーレン・バーカーの戦力を分析しながら左ストレート、右フックのカウンターを叩き込むチャンスを狙っていますね。

「バーカーはコンパクトなパンチをいろいろな角度から打ちこめるボクサーだな。ディフェンスも強固で、うわさ以上の逸材だよ。おもしろい試合になりそうだぞ」と試合の行方を見守る管理人。ダーレン・バーカーはセルヒオ・マルチネスを相手に全く臆することなく、真っ向勝負を挑んでいますね。

「全勝の戦績は伊達じゃないね。百戦錬磨のマルチネスがどう対処するのか見物だよ」と思っていると、1ラウンド残り1分、セルヒオ・マルチネスが鋭い左ストレートをダーレン・バーカーのアゴにクリーンヒットさせ、ダーレン・バーカーのアゴが跳ね上がります。

「マルチネスが格の違いをみせつけようとしてるよ。しかしまあ、めちゃめちゃ当て勘の良いボクサーだな」と改めてセルヒオ・マルチネスのボクシングセンスに驚く管理人。並のボクサーなら、セルヒオ・マルチネスのテクニックを駆使したボクシングに一気にペースを奪われてもおかしくない展開ですが、ここから全勝のダーレン・バーカーがポテンシャルの高さを披露します。

1ラウンドはセルヒオ・マルチネスのペースに合わせて中間距離の打ち合い、フェイント合戦に付き合ったダーレン・バーカーですが、2ラウンドに入ると、ガードを高く構え、しっかりとセルヒオ・マルチネスのパンチをブロックする作戦に切り替えます。

そして、セルヒオ・マルチネスの打ち終わりを狙って鋭い右ストレートを叩き込み、被弾したセルヒオ・マルチネスが鼻から出血。強烈なダメージを与えるパンチではありませんでしたが、セルヒオ・マルチネスは鼻血が気になるのか、グローブでしきりに鼻をぬぐっています。

ガードを上げて距離を詰める作戦はセコンドの指示だと思うのですが、その作戦を言われてすぐに実践できる適応力、柔軟性は、ダーレン・バーカーのボクサーとしての力量を顕著に表していると思います。しかも、リングで戦っている相手はセルヒオ・マルチネスです。普段から密度の濃い練習を重ねている証拠ですね。

4ラウンドに入ると、セルヒオ・マルチネスの鼻血が目立つようになり、顔面が赤く染まり始めます。呼吸をするたびに苦しそうな表情を浮かべるセルヒオ・マルチネス。心なしか、攻撃を焦っている印象で、パンチを被弾する場面が目立つようになりました。普段は、めちゃめちゃエレガントなボクシングをみせてくれるセルヒオ・マルチネスですが、珍しくリズムを崩していますね。

「中盤は我慢比べになりそうだぞ」と思っていると、6ラウンド終了間際、セルヒオ・マルチネスがコンパクトで力強い連打をダーレン・バーカーの顔面に叩き込み、ダーレン・バーカーの動きが一瞬止まります。呼吸が苦しく、集中力を維持することが難しい状態ですが、勝負どころを嗅ぎ分けるセルヒオ・マルチネスの感覚は、さすがに抜群ですね。

試合中盤は鼻血の影響もあり、ボクシングのリズムを崩していたセルヒオ・マルチネスですが、終盤に入り、少しずつ落ち着きを取り戻します。リズムが戻ったことで、得意のフェイントを駆使して上下にパンチを散らすボクシングが復活し、的を絞らせない攻撃でダーレン・バーカーを翻弄し始めます。

一方、中盤に頑張りをみせたダーレン・バーカーですが、終盤に入ると一気に失速してしまいます。10ラウンドには、セルヒオ・マルチネスの左ストレートをまともにもらい、さらに強烈なフリッカージャブのカウンターを打ちこまれ、防戦一方になるピンチの連続。スタミナ切れとダメージの蓄積が影響しているのか、ダーレン・バーカーは思ったように体が動かないのかもしれませんね。

11ラウンドに入ると、ダーレン・バーカーが最後の力を振り絞って反撃に出ますが、セルヒオ・マルチネスは距離を取りながらダーレン・バーカーの攻撃をいなし、迎えた11ラウンド1分すぎ。セルヒオ・マルチネスがダーレン・バーカーのガードの上を連打し、最後は右フックを叩き込んだところで、ダーレン・バーカーが崩れ落ちます。

必死に立ち上がろうとするダーレン・バーカーですが、ヨロヨロと前のめりに倒れ込み、10カウント以内に闘志を足に伝えることができず勝負あり。セルヒオ・マルチネスが全勝のダーレン・バーカーに11ラウンドKO勝ちを収め、新旧テクニシャン対決に勝利しました。

最後はセルヒオ・マルチネスが実力の違い、底力の差をみせつけた試合でしたね。一見すると、苦戦に思える内容でしたが、セルヒオ・マルチネスのテクニックや抜群の適応力、ずば抜けたボクシングセンスを改めて確認できた試合でした。

一方、プロ初黒星を喫したダーレン・バーカーですが、予想以上の善戦だったと思います。セルヒオ・マルチネスに真っ向勝負を挑み、最後はリングに沈んでしまいましたが、評価を上げたことは間違いないでしょう。将来性をビシバシ感じるホープの登場にうれしくなったボクシングファンは管理人だけではないですよね?

全勝ホープの高き壁となり、立ちふさがった「最もエレガントなサウスポー」セルヒオ・マルチネス。ダーレン・バーカーのポテンシャルの前にエレガントな一面を欠いた試合でしたが、強烈なインパクトを残し、「驚異の男」であると証明した試合だったと思います。世界中のボクシングファンがビッグマッチを期待するだけに、今後もセルヒオ・マルチネスの動向から目が離せませんね。

セルヒオ・マルチネス対ダーレン・バーカーの試合結果

試合結果 セルヒオ・マルチネスが11ラウンドKO勝ち。敗れたダーレン・バーカーはプロ初黒星。
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