フェザー級10回戦
元4階級制覇 チャンピオン |
ノニト・ドネア(フィリピン) 戦績:33戦31勝20KO2敗 |
元2階級制覇 チャンピオン |
ビック・ダルチニャン(アルメニア) 戦績:45戦39勝28KO5敗1分 |
ノニト・ドネア対ビック・ダルチニャンの再戦の試合観戦レビュー(前編)
軽量級を代表するスーパースターのノニト・ドネアと体重を乗せた強打が魅力のビック・ダルチニャンが6年ぶりに拳を交える注目の再戦。ノニト・ドネアにとってはギジェルモ・リゴンドー戦の敗戦からの再起戦、ビック・ダルチニャンにとっては6年前のリベンジマッチです。
6年前の初戦は、無名だったノニト・ドネアが人気ボクサーのビック・ダルチニャンに5ラウンドTKO勝ちを飾り、スーパースターの階段を駆け上がるターニングポイントになりました。お互いの立場が大きく変わった6年ぶりの再戦も変わらぬ火花が散る名勝負になりました。
試合は、フェイントをかけながら距離を詰め、左ストレートを強振するサウスポーのビック・ダルチニャンに対して、ノニト・ドネアが両ガードを高く上げ、カウンターの右ストレート、左フックを狙う展開で始まります。6年前の初戦と同じく、緊張感のある立ち上がりですね。
【Photo:HBO】
「ドネアはフットワークを使わず、真っ向からカウンターを狙う作戦だね。ドネアが真っ向勝負を選んだおかげで、ダルチニャンも戦いやすいのかな?本来のリズムで戦ってるよ。どっちのパンチも当たりそうな距離だなあ」と立ち上がりの攻防に大興奮の管理人。ノニト・ドネアもビック・ダルチニャンもKO狙いで、ものすごい緊張感がリングを包んでいます。
初戦が衝撃的なKO決着だったので「再戦は静かな試合になるかな?」と予想していたのですが、ノニト・ドネアが真っ向勝負を選択し、ビック・ダルチニャンも本来の「左ストレートを強振するボクシング」で真っ向から応戦することで「ぶつかり合ったときの衝撃度」がすさまじい攻防が繰り広げられています。一瞬たりとも目が離せない展開です。
「ダルチニャンのKOでリベンジしたい気持ちが伝わってくるね。ドネアも逃げずに受けてたってるよ。手数が多い試合じゃないけど、お互いのプライドと駆け引きがストレートに伝わってくる名勝負だなあ」と両雄に大きな拍手を送る管理人。どちらも「強いパンチを打ち込んでKOしたい」という気持ちを前面に押し出したボクシングですね。
【Photo:HBO】
一進一退の攻防が続き、迎えた4ラウンド終了間際。両雄が足を止めて、力強いパンチを連打します。お互いが試合終了のゴングに気付かない、すさまじい打ち合いです!ノニト・ドネアのパンチもビック・ダルチニャンのパンチも当たっていましたね。初戦で壮絶なKO負けを喫したビック・ダルチニャンですが、全くひるむことなく、ノニト・ドネアに立ち向かっています。
「紙一重の戦いだなあ」と思っていると、5ラウンド終了間際、ビック・ダルチニャンの強烈な左ストレートがノニト・ドネアの顔面にヒットし、ノニト・ドネアがロープに吹っ飛びます。一気に勝負を決めたいビック・ダルチニャンは猛然と襲いかかりますが、ノニト・ドネアがガードを固めて耐え抜き、ラウンド終了のゴング。ビック・ダルチニャンのビッグラウンドでしたね。
6ラウンドに入ると、ノニト・ドネアがフットワークと左ジャブを使い始め、試合のリズムを変えようとします。6ラウンド残り20秒、ノニト・ドネアがカウンターの右ストレートを叩き込みますが、ビック・ダルチニャンも左フックを打ち込み、簡単に主導権を渡しません。お互いのプライドがぶつかり合う一進一退の攻防が繰り広げられ、勝負の終盤へ突入します。
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