2013年ボクシング界の最大の衝撃は進化を続けるフロイド・メイウェザー
毎年、忘年会をすると、必ず「今年、一番ビックリしたボクシングの出来事は何だった?」と話題になります。管理人が選んだ「2013年のボクシング界の最大の衝撃」は「さらに輝きを増したフロイド・メイウェザーの進化」。素人ファンの予想をはるかに上回るレベルのスピードとテクニックを披露した「天才」のボクシングに「いやー、すげえ」を連発した1年でした。
ボクシング界の頂点に君臨するフロイド・メイウェザーが「世代交代」の野望に燃えるサウル・アルバレスの挑戦を受けた2013年9月の「究極の新旧スーパースター対決」。ボクシングを愛する素人ファンは試合が決まった瞬間「最も負ける姿が想像できないボクサーのメイウェザーが負ける日がくるかもしれないなあ」と初めて「メイウェザーの黒星」の可能性を考えました。
フロイド・メイウェザーとサウル・アルバレスのトレーニングやプレスツアーのVTRをチェックしながら「メイウェザーの負け」を予想した管理人。しかし、結果はフロイド・メイウェザーの圧勝でした。サウル・アルバレスがフロイド・メイウェザーのパンチを浴びるたび「あああ、痛い」と切ない気持ちになってしまうくらいサウル・アルバレスの無念さが伝わってくるワンサイドゲームでした。
【Photo:Showtime】
若きスーパースターのサウル・アルバレスは全力を出し切ろうと努力しました。しかし、ボクシング界の頂点に君臨するフロイド・メイウェザーのスピードとテクニックが、サウル・アルバレスのあらゆる武器を封じ込め、若きスーパースターの才能を解き放つことを許しませんでした。
2013年に入り、フロイド・メイウェザーがテレビ局Showtimeと6試合、約200億円の超大型契約を結んだとき「35歳を過ぎているメイウェザーが6試合も戦えるのか?」と疑問視する声がたくさん聞こえてきました。しかも、6試合を戦う期限は2015年。毎年2試合平均でリングに上がる必要があります。
正直なところ、管理人も「最近は毎年1試合しか戦っていないメイウェザーが3年間で6試合戦うだけでもしんどい作業だよ。しかも、超大型契約なんで、必然的に人気と実力を兼ね備えたボクサーと戦うことになるはずだもんね。さすがのメイウェザーも厳しいんじゃないかな?」と思っていました。
【Photo:Showtime】
しかも、ここ数年、フロイド・メイウェザーのメンタルの落ち着きがなかったことも気になる不安材料でした。ところが、元妻に対するドメスティック・バイオレンスの罪を償い、2012年8月に釈放されて以来、少しずつ落ち着きを取り戻し、2013年に入ってShowtimeとの超大型契約が発表されてからは「オトナのメイウェザー」に変貌を遂げています。
個人的に、フロイド・メイウェザーに安定をもたらした要素は2つあると考えています。まずはフロイド・メイウェザー・シニアがセコンドに復帰したこと。もうひとつは、メイウェザー・プロモーションズの若手ボクサーたちの育成に積極的に取り組み始めたことです。
フロイド・メイウェザー・シニアのチーム復帰は「メイウェザーが100%集中してトレーニングを行い、リングで戦うための大きな手助け」になっていると思います。さらに、若手ボクサーの育成に取り組み始めたことで「お手本となるべき意識改革」が「新しいメイウェザー」を誕生させたと思うんです。
【Photo:Showtime】
フロイド・メイウェザーが若手ボクサーの試合会場に足を運ぶと、インタビューを受けることが多いのですが、最近はインタビューに丁寧に答える姿が目立ちます。時として「過激なパフォーマンス」が要求されるプレスツアーの記者会見と違って、ニコニコと笑顔でテレビのインタビューに答えているんです。メンタルの充実ぶりを感じることができるワンシーンですね。
サウル・アルバレス戦に快勝したあと、素人ファンは「衰えるどころか、ますます強くなってる気がする。あらゆるバランスが完璧だもん。全くスキがないよ。これって『完全無欠』ってことじゃないの?本当に全勝で『6番勝負』を乗り切るかもしれないなあ」と思ってしまいました。
ボクシング界の頂点に君臨する「天才」フロイド・メイウェザーのさらなる進化に衝撃を受けた2013年。「穏やかな強さ」を身につけた「パウンド・フォー・パウンド」フロイド・メイウェザーに死角はあるのでしょうか?2014年も「天才のさらなる進化」に注目したいです!