スーパーライト級12回戦

アミール・カーン対フリオ・ディアスの試合内容

世界タイトル再奪取へ向けて走り始めたアミール・カーンが、元IBF世界ライト級チャンピオンのフリオ・ディアスを地元のイギリスに迎えたスーパーライト級ノンタイトルマッチです。再起を誓うアミール・カーンのボクシングに注目ですね。

試合は、鋭い左ジャブを突きながら回転の速い連打でプレッシャーをかけるアミール・カーンに対して、フリオ・ディアスがガードを固めて距離を取り、アミール・カーンの左ジャブに合わせて、右ストレートのカウンターを狙う展開で始まります。

「おおお！ディアスは、カーンの左ジャブを出させないようにして、リズムを崩す作戦かな？カーンのパンチの回転数が増える前にストップするナイスな作戦かも。カーンはどうやって攻略するかな？」と立ち上がりの両者の作戦に興味津々の管理人。

2ラウンドに入ると、アミール・カーンが左ジャブだけでなく、いきなり左フックを打つボクシングで、フリオ・ディアスの右ストレートのカウンターを外す作戦を実行します。アミール・カーンが積極的に攻撃を仕掛けていますね。左フックがよく当たっています。

【Photo:The Ring Magazine】

アミール・カーンのペースで進み、迎えた4ラウンド中盤。試合が大きく動きます。アミール・カーンが右ストレートを打とうとした瞬間、フリオ・ディアスが思い切りよく飛び込んで左フックを一閃。アミール・カーンの動きが止まったところへ再び左フックを叩き込み、ダウンを奪います。

「おおお、ナイス！ディアスが先にダウンを奪ったんで、試合がますますおもしろくなりそうだぞ」とフリオ・ディアスに大きな拍手を送る管理人。アミール・カーンの動きをチェックする限り、ダメージはありますが、動けないほど深くはないようです。

5ラウンドに入ると、アミール・カーンが飛び出し、奪われたポイントを取り戻そうとします。一方のフリオ・ディアスは、アミール・カーンの力の残り具合を考えて、ディフェンスを大事に戦っている印象です。フリオ・ディアスはもう少し攻めたかったですね。

中盤は、アミール・カーンが盛り返す展開が続き、試合は勝負の終盤へ。ガードを固めて距離を詰め、得意のフックを上下に打ち分けたいフリオ・ディアスに対して、アミール・カーンが左右に大きく動きながら回転の速いパンチで応戦。9ラウンド終了間際には、アミール・カーンの左フックで、フリオ・ディアスの足がもつれます。

「ダウンを奪われたカーンだけど、盛り返したんじゃないかな？」と思い始めた10ラウンド開始30秒。フリオ・ディアスの左フックがアミール・カーンのアゴをとらえ、アミール・カーンが一瞬フラフラ状態になります。

「めっちゃ効いた！ディアス、チャンスだよ」と思った瞬間、アミール・カーンが距離を詰め、クリンチ。フリオ・ディアスの追撃を懸命に回避します。一方のフリオ・ディアスはパンチを強振しますが、アミール・カーンがフットワークとブロッキングで必死に耐え抜きます。

敵地で大金星を狙うフリオ・ディアスは、11ラウンドの立ち上がりに再び左フックを叩き込み、アミール・カーンがフラフラになります。追いかけるフリオ・ディアスは何度か左フックを当てて「あと一発」のところまで攻め込みますが、アミール・カーンがギリギリで踏ん張ります。

最終ラウンドは、アミール・カーンがフリオ・ディアスの攻撃をうまくさばきながら、回転の速いパンチを打ち込みます。試合はこのまま、アミール・カーンがフリオ・ディアスの反撃に耐え抜き、試合終了のゴング。激闘の勝敗は、3人のジャッジに委ねられます。

結果は、3人のジャッジすべてがアミール・カーンを支持。アミール・カーンがダウンを奪われながらも、大苦戦の末、フリオ・ディアスの反撃に耐え抜き、12ラウンド判定勝ちを飾りました。

アミール・カーンがギリギリのところで耐え抜いた予想外の大苦戦でした！フリオ・ディアスが「あと一歩」踏み込んでパンチを当てることができたら、勝敗は逆になっていたかもしれませんね。フリオ・ディアスとしては、悔いが残るだろうなあ。

地元イギリスで再起2戦目を勝利で飾ったアミール・カーン。スタイルチェンジに取り組んでいる「イギリスのキング」の「らしくない姿」に「前途多難かもしれないなあ」と思ってしまった大苦戦でした。アミール・カーン、どうしたんだろう？

「才能をいかんなく発揮できていない感じ」が、アミール・カーンの苦しみとして伝わってくるようで、めっちゃもどかしいです。ちょっとしたきっかけで復活すると思うんだけどなあ。勝ち残ったことは大きいので、次戦に期待しましょう。

アミール・カーン対フリオ・ディアスの試合結果