クリチコ兄弟時代は続くのか?アレクサンデル・ポベトキンの秘策に注目
ヘビー級の3本のベルトを手にするウラディミール・クリチコが、クリチコ兄弟の唯一の対抗王者であるアレクサンデル・ポベトキンと激突する3団体統一世界ヘビー級王座統一戦まで、36時間を切りました!まもなくヘビー級を代表する2人のチャンピオンが拳を交えます!
ヘビー級戦線は、ウラディミール・クリチコと兄のビタリ・クリチコのクリチコ兄弟が4団体のベルトを独占する「緊急事態」。ケガの影響で、2013年の活動休止が決定している兄のビタリ・クリチコに対して、弟のウラディミール・クリチコは、精力的に防衛戦を行い「クリチコ兄弟時代」を世界にアピールする圧巻の強さを披露しています。
ウラディミール・クリチコ対アレクサンデル・ポベトキンは、世界中のボクシングファンが、WBAのレギュラー王者であるアレクサンデル・ポベトキンが「クリチコ兄弟時代」を終わらせることができるかどうかに注目していると言っても過言ではないと思います。ウラディミール・クリチコの強さが頭ひとつ抜けていますからね。
アレクサンデル・ポベトキンはファンの期待を肌で感じているようで「ファンのみんなが待ち望んだ試合がようやく実現するんだ。もちろん、私もクリチコ戦をずっと待っていたよ。世界中のファンが注目するビッグマッチは、私が真の世界チャンピオンであることを証明する王座統一戦になるだろうね」と気合い十分です。
一方、ヘビー級で最も大舞台に慣れているウラディミール・クリチコは「ヘビー級で考えられる最高の試合だね。ファンのみんなも喜んでくれるんじゃないかな?みんなが期待してくれる試合に出場できることを誇りに思うよ」とめっちゃ優等生なコメントで意気込みを語っています。
ウラディミール・クリチコとアレクサンデル・ポベトキンはどちらもオリンピックの金メダリストで、プロの世界でも頂点を極めた世界チャンピオンです。一見すると、同じエリートですが、両者がプロ転向後に歩んできた道のりは大きく違います。
大事な試合で「うそっ!」と叫んでしまうKO負けを喫し「強いけど、もろい」の烙印を押されてしまったウラディミール・クリチコ。評判通りの強さでファンの期待に応えながら全勝の快進撃を続けるアレクサンデル・ポベトキン。「負けた経験」こそ両者の大きな違いです。
3敗しているウラディミール・クリチコですが、「敗戦からプロの戦い方を覚え、体と心をバランスよくコントロールする強さ」を身につけました。兄のビタリ・クリチコに比べて「地味で、もろいイメージ」が強かったウラディミール・クリチコですが、最近は「第一人者」という言葉がピッタリの「全くスキのない強さ」を見せつけています。
左ジャブと左フックの「左手」だけで攻撃を組み立てることができるウラディミール・クリチコ。「伝家の宝刀」右ストレートを打ち込まずとも勝てるボクシングを身につけた「ヘビー級のボス」に対して、アレクサンデル・ポベトキンはどんな作戦で勝負するのでしょうか?
負けを認め、敗因を見つめることで、恐るべき強さを身につけたウラディミール・クリチコの経験か?変わらぬ強さとテクニックで勝ち続けているアレクサンデル・ポベトキンの勢いか?アレクサンデル・ポベトキン陣営は、ウラディミール・クリチコ戦の作戦を完全にベールに包んだまま、リングへ上がります。どんな作戦で勝負するのか、めっちゃ楽しみです!