無敵のスピードスター!大舞台で圧巻の強さを発揮したフロイド・メイウェザーの才能
2013年9月14日。ラスベガスは、ひとりのボクサーの才能によって、さらに刺激的な夜を迎えることになりました。「天才」フロイド・メイウェザー。「パウンド・フォー・パウンド」の称号を守り続ける「王様」は、新旧交代の野望に燃える若きスーパースターを「いつものリズム、いつものボクシング」で圧倒したのです。
試合前、管理人は「カネロ(サウル・アルバレスのニックネーム)なら、メイウェザーに勝てるかもしれない。『打倒メイウェザー』に最も近い、理想的なボクサーじゃないかな?もし世代交代が実現すれば、最も美しいタイミングで、スーパースターからスーパースターへ『ナンバーワンの称号』がバトンタッチされるよ!」とめちゃめちゃ期待していました。
結果は、フロイド・メイウェザーの圧勝。ボクシング史上最速のスピードと最高のディフェンス技術を誇る「パウンド・フォー・パウンド・キング」が、世界中のボクシングファンに「誰がナンバーワンの称号にふさわしいのか」を強烈にアピールする圧巻の内容でした。
【Photo:Showtime】
2012年5月に行われたフロイド・メイウェザー対ミゲール・コット。2013年5月に行われたフロイド・メイウェザー対ロバート・ゲレロ。ボクシングを愛する素人ファンは「あれ?もしかして、メイウェザーが疲れてる?疲れてるって言うより、バテてるに近いかな?最速のスピードを支えるためのスタミナが落ちてる気がする」と本気で思っていました。
ところが、サウル・アルバレス戦が終わり、素人ファンは「本気の思い込み」が、どれだけ「トンチンカンな仮説」であったかを実感することになります。フロイド・メイウェザーは「100%が必要なときだけに、100%の能力を解き放ち、勝利を確実に手にする王様」であることを改めて思い知らされました。
フロイド・メイウェザーの100%を引き出した存在は、間違いなくサウル・アルバレスです。サウル・アルバレス戦のフロイド・メイウェザーは、過去の試合でトップ3に入る完璧なコンディションだったと思います。サウル・アルバレスという若きスーパースターの存在が、予想をはるかに上回る速度で躍動する「最速のスピードスター」をリングに降臨させました。
世界中のファンと関係者から高く評価されるサウル・アルバレスの才能が封印された36分間。誰よりも大舞台を愛する「パウンド・フォー・パウンド・キング」は、誰よりも大舞台に強いことを証明し、新時代の扉を開けるチャンスを与えなかったのです。
フロイド・メイウェザーがShowtimeと契約する試合は、残り4つ。「世代交代の最有力」と考えていたサウル・アルバレスが完敗を喫したことで「うーん、ますます負ける姿が想像できなくなっちゃったなあ。本当に全勝で引退するかもしれないよ。最強の王様をイスから引きずり下ろせるボクサーって誰だろう?」と今宵も答えの出ない迷路に迷い込むのでした。