フレディ・ローチ「ファンはメイウェザーの退屈なボクシングよりKOを期待している」
世界で最も有名なトレーナーが、世界で最も稼ぐボクサーを一刀両断です!マニー・パッキャオのトレーナーとして名高いフレディ・ローチが、5階級制覇チャンピオンのフロイド・メイウェザーのボクシングを「眠たくなるくらい退屈なボクシングだ」と酷評しました。
「ロバート・ゲレロ戦のメイウェザー?ゲレロにチャンスを与えないボクシングだったね。確かにすばらしい技術の持ち主だよ。でも、メイウェザーのボクシングが退屈なことは明らかだ。眠たくなる試合ばかりだよ。あと5試合も眠たくなる試合が残っているね」
相変わらずの毒舌じゃないですか!フレディ・ローチとフロイド・メイウェザーと言えば、ボクシング界を代表するセレブリティ。どちらも言いたいことを口にするタイプで、意見がよくぶつかることで有名です。
【フレディ・ローチの思い切りのいい発言は嫌いじゃないです】
ボクシングファンの皆さんがご存知のように、アメリカでは、フロイド・メイウェザーの評価は、ざっくりと2つに分かれています。ひとつは「ボクシング史上最高の技術を誇る天才ボクサー」。もうひとつは「ファンが期待するマッチメイクを避けるセルフィッシュなボクサー」です。
フロイド・メイウェザーの芸術的なボクシングを目にするたびに「すごいなあ」とため息が出てしまうのですが、高額のチケット料金やPPV料金を払って「エキサイティングな瞬間」を楽しみにしているファンから自己中心的で逃げ腰なボクサーと思われてしまうケースがあります。
一方、フレディ・ローチの愛弟子で「ボクシング界の二大スター」として頂点に君臨してきたマニー・パッキャオは、ボクシングファンが期待する試合を期待以上の結果で次々とクリアし、「ピープルズ・チャンピオン」と呼ばれるスーパースターです。
2012年こそ2連敗を喫してしまいましたが、人気は健在。2013年11月には、中国のマカオでブランドン・リオスと対戦することが決まっています。再起戦となるマニー・パッキャオにとって、めちゃめちゃタフな相手ですが、フレディ・ローチはブランドン・リオスを選んだ理由を次のように語っています。
「パッキャオがボクシング界のスーパースターであり続けるためには、たとえ再起戦でもリオスのような強豪と戦わないとダメだ。ファンがボクシングの試合で最も期待しているKOの予感がするよ。KOこそ、むかしから変わらないボクシングの最高の瞬間だと思わないかい?」
「スーパースターと呼ばれるボクサーは称号に恥じない相手と戦うべきだ。プロボクサーならファンが期待する相手と戦うべきだ。私は、ファンがメイウェザー対ゲレロよりパッキャオ対リオスを支持すると信じている。パッキャオ対リオスの試合を観ながら眠ってしまうファンはひとりもいないはずだ」
世界で最も有名なトレーナーが明示したボクシングの美学。フレディ・ローチは「負ければ引退」の危機と背中合わせのマニー・パッキャオを再び勝利に導くことはできるでしょうか?マニー・パッキャオの再起戦は「マスター・ローチ」の手腕にも注目ですね。