2度目の引退!「ヘビー級のボス」ビタリ・クリチコがWBCタイトルを返上
政治家として第二の人生を歩み始めた「ヘビー級のボス」が5年間守り続けたタイトルを返上です!WBC世界ヘビー級チャンピオンのビタリ・クリチコが母国ウクライナで議員活動に専念するため、世界タイトルを返上し、実質的な2度目の引退を宣言しました。
「まずはサポートしてくれたWBCに感謝したい。WBCのタイトルを保持することは大変な名誉で、私の誇りだった。WBCは私がいつでもリングに戻れるように配慮してくれたが、母国ウクライナのために全力を尽くしたい。リングで再び戦うことは想像できないんだ。もちろん、今まで通り、弟のウラディミールをサポートするよ。みんな、ありがとう」
新しい夢に情熱を注ぐ「ボクシング史上最強のお兄ちゃん」がタイトルを返上しました!ビタリ・クリチコから「引退」の言葉はありませんでしたが、実質的な2度目の引退を宣言したタイトル返上でしたね。「ヘビー級のボス」がトップ戦線から退いたことで、タイトル争いの激化は必至です!
【Photo:K2 Promotions】
なお、WBCはビタリ・クリチコの功績を称え、名誉王者に認定しています。ビタリ・クリチコがWBCから名誉王者の称号を授与されるのは、2004年の「初めての引退」に続き、2度目です。2004年にケガの影響で引退を表明したときもWBC世界ヘビー級チャンピオンでした。
ヘビー級を席巻する「ボクシング史上最強の兄弟ボクサー」クリチコ兄弟。兄のビタリ・クリチコと弟のウラディミール・クリチコは史上初の兄弟同時ヘビー級チャンピオンに君臨し、さらに、兄弟で主要4団体のベルトを独占する歴史的な快挙を達成しています。
個人的に「ビタリ・クリチコはフロイド・メイウェザーの次に負けるイメージが浮かばないボクサー」でした。数年前から「ビタリとウラディミールは強すぎるよ。引退するまで、ヘビー級のタイトルは移動しないんじゃないかな?」と本気で思っていた管理人。それくらい強さが飛び抜けていたんですよ。
【Photo:K2 Promotions】
本音を言うと、ビタリ・クリチコを撃破する強いヘビー級ボクサーの登場を期待していました。でも、ビタリ・クリチコの「ボクシング以外の活動」を理由に、世界タイトルマッチがなかなか決まらない状況は望ましくないので、ボクシング界の将来を考えると、タイトル返上は英断だと思います。
ビタリ・クリチコは引退しちゃいましたが、弟のウラディミール・クリチコはWBA、IBF、WBOの3本をベルトを保持しています。「ボクシング史上最強の兄弟ボクサー」はまだまだ健在。2014年はウラディミール・クリチコの「一強状態」を脅かすボクサーが登場するといいなあ。
ヘビー級の覇権をアメリカからヨーロッパへ移動させる原動力となった「ボクシング史上最強のお兄ちゃん」ビタリ・クリチコ。「ぎょえー、右ストレートが直撃だよ!うわっ、めっちゃ効いてる!」と何度も絶叫する名場面を届けてくれた「ヘビー級のボス」に特大の拍手と感謝です!「クリチコ・スタイル」を確立したボクシングの歴史に残る偉大なチャンピオンです!