フライ級6回戦

ゾウ・シミン対ファン・トスカノの試合内容

オリンピック2連覇、通算3個のメダルを獲得したゾウ・シミンがプロ3戦目でメキシコのファン・トスカノと対戦します。マニー・パッキャオ対ブランドン・リオスの前座で大歓声を浴びながら登場したゾウ・シミンは、全勝のファン・トスカノをKOできるでしょうか？

試合は、ゾウ・シミンが左ジャブを突きながらプレッシャーをかけ、ファン・トスカノに回転の速い連打を打ち込む展開で始まります。一方のファン・トスカノは遅れながらパンチを打ち返しますが、ゾウ・シミンの手数とスピードに戸惑っている印象です。

「パンチのスピードも動きのスピードもゾウのほうが一枚も二枚も上手な感じだね。でも、ゾウがKOを狙って真っ向から入ってくるんで、トスカノのパンチも当たりそうな雰囲気はあるよ。トスカノは数を当てることが難しいと思うんで、一発一発に力を込めて、パンチを打ち込みたいね」と序盤の攻防に注目する管理人。ゾウ・シミンが過去2戦より積極的に攻撃していますね。

【Photo:Top Rank】

ラウンドの開始直後は、ファン・トスカノが強いパンチで応戦しようと奮闘するのですが、開始30秒を過ぎると、テクニックと経験で上回るゾウ・シミンがファン・トスカノにパンチを浴びせるシーンが増えてきます。パンチを当てる技術と避ける技術は、さすが2大会連続の金メダリストです。

試合は、立ち上がりから主導権を握ったゾウ・シミンが、ファン・トスカノにパンチを浴びせる展開が続き、試合終了のゴングが鳴り響きます。勝敗は3人のジャッジに委ねられ、3人のジャッジすべてが大差でゾウ・シミンを支持。ゾウ・シミンがプロデビュー後、3連勝を飾りました。

【Photo:Top Rank】

スピード、テクニック、経験のすべてで上回るゾウ・シミンがファン・トスカノを圧倒した試合でしたね。過去2戦と比べて、かなり強烈にKOを意識した内容で、特に、最終ラウンドは、数え切れないくらいの連打をファン・トスカノに浴びせていました。

最終的に打ち倒すことはできませんでしたが、ゾウ・シミンの「KOしたい気持ち」が伝わってくる試合だったと思います。実績や経験、相性を考えると、ゾウ・シミンにとって、ファン・トスカノは難しい相手ではなかったはずなので、KOを期待したファンの皆さんが多かったと思うのですが、個人的にゾウ・シミンの一番知りたい部分を知ることができて楽しい試合でした。

プロ3戦目も圧倒的な勝利を手にしたゾウ・シミン。中国の期待を背負うオリンピアンが着実にプロの頂点へ向けて、進んでいることを実感できる圧勝劇でした。おしまいに、プロ3戦目のゾウ・シミンのファイトマネーは50万ドル。1ドル100円でざっくりと計算して、5000万円の大金を獲得です！世界タイトルマッチは億単位のお金が動きそうですね。

ゾウ・シミン対ファン・トスカノの試合結果