サウル・アルバレスはエリスランディ・ララ戦で進化した姿を披露できるか?
2014年7月18日、将来を最も期待される若きスーパースターが24回目の誕生日を迎えます。世界中のボクシングファンが注目する「メキシコの至宝」サウル・アルバレス。7月12日(日本時間7月13日)にラスベガスで開催されるエリスランディ・ララ戦は、23歳のラストマッチです。本人の熱意と裏腹に、サウル・アルバレスの周囲は、エリスランディ・ララ戦に反対でした。
「本音を言うと、カネロ(サウル・アルバレス)がララと戦うことに反対だ。ララが危険な対戦相手で、カネロは大きなプレッシャーを受けることになるからだよ。しかも『カネロが負けるよ。どうしてララと戦うのか、理解に苦しむ』という声もたくさんある。本当は戦ってほしくなかったんだ」
サウル・アルバレスが所属するゴールデンボーイ・プロモーションズ代表のオスカー・デラホーヤは、当初、サウル・アルバレス対エリスランディ・ララを歓迎していませんでした。しかし、サウル・アルバレスのキャンプへ足を運び、サウル・アルバレスの練習をチェックした結果「ララが強敵だってことは間違いない。でも、カネロが勝つと断言できるよ」と太鼓判を押しています。
「チームのスタッフや関係者から『今はララと戦うべきじゃない』と何度もアドバイスをもらったんだ。でも、私の答えは最初から『ララと戦いたい』だった。スーパーウェルター級で最強だと思う対戦相手がララだからだよ。ララ対策として、スピードがあって、カウンターがうまいサウスポーと繰り返し、スパーリングをしたんだ。すべての経験を生かして、必ず勝つよ」
抜群の攻撃力と圧巻の連打で一躍スターの地位を確立した23歳のサウル・アルバレスは、1試合で数億円の大金を稼ぐ若きスーパースターです。フロイド・メイウェザーとマニー・パッキャオが23歳だった頃と比較すると、サウル・アルバレスがどれだけ記録的な「スピード出世」を果たしているのかをイメージしていただきやすいと思います。すでにPPVのメインイベンターですもんね。
オスカー・デラホーヤがサウル・アルバレスと対戦させたくなかった「危険なボクサー」エリスランディ・ララは、アマチュア王国キューバで育ったサウスポー。テクニックとスピードを兼ね備え、さらに、プロ転向後は、パワーを徹底的に強化してきました。正直なところ「カネロとララの相性を考えると、めっちゃ厳しい戦いになりそうだなあ」と考えています。
もし1年前に試合予想を質問されたら「ララの12ラウンド判定勝ちが濃厚じゃない?ワンサイドになる気がする」と答えます。でも、23歳のサウル・アルバレスは、エリスランディ・ララより速い「史上最速のスピードスター」フロイド・メイウェザーと対戦し、大きな経験を手にしました。そんなこんなで、サウル・アルバレスの進化は、エリスランディ・ララ戦で最も注目したいポイントです。
「みんながボクシングの話をするとき、いつも話題になるようなボクサーになりたい」と語るサウル・アルバレス。ボクシング大国メキシコが生んだ若きスーパースターは、キューバが誇る芸術的なテクニシャンのエリスランディ・ララを撃破し「スーパースターの才能」を証明することができるでしょうか?エリスランディ・ララの動きをどうやって封じ込めるんだろう?楽しみだなあ。