オスカー・デラホーヤはプロモーターの冷戦に終止符を打つことができるか?
ボクシング界の冷戦は終わりを迎える日がくるのでしょうか?ボクシング史上初の6階級制覇を達成した「ゴールデンボーイ」オスカー・デラホーヤが、ゴールデンボーイ・プロモーションズとトップランクの関係を修復し、プロモーターの垣根を越えたマッチメイクを実現することをファンに約束。マッチメイク新時代の幕開けを宣言しました!
「ゴールデンボーイ・プロモーションズの改革は、ボクシング界にとって、ファンにとって、すばらしい夜明けになるはずだ。まずは、トップランクとの冷戦に終止符を打って、ファンのためのマッチメイクを実現するよ。ゴールデンボーイ・プロモーションズ所属のボクサーとトップランク所属のボクサーが積極的に対戦することで、ボクシングの可能性が広がるんだ」
「私の使命は、最高の試合を実現することだ。ボクサーとプロモーターが一丸となれば、ファンが期待する最高の試合を実現することができる。ファンが期待する最高の試合を実現するためには、プロモーター同士が壁を作っちゃダメなんだ。トップランクのボブ・アラムとはすでに話し合いを重ねている。ファンのため、ボクサーのため、ボクシング界を正しい方向へ導きたい」
【オスカー・デラホーヤはNBAのクリッパーズ買収にも名乗りを上げていました】
2013年9月、ボクシング史上最高の売り上げを記録したイベント「The One」の会場にオスカー・デラホーヤの姿はありませんでした。薬物治療のため、会場に足を運ぶことができなかったのです。試合後、フロイド・メイウェザーがオスカー・デラホーヤを揶揄(やゆ)するコメントをツイッターで発表。ツイートはすぐに削除されましたが、両雄の溝は深まります。
2013年12月、オスカー・デラホーヤがボブ・アラムとクリスマスのメッセージをツイッターで交換。「2大プロモーターが関係を修復か?」とファンの間で大きな話題になりました。オスカー・デラホーヤがボブ・アラムにメッセージを送った頃、ゴールデンボーイ・プロモーションズCEOのリチャード・シェイファー解任のウワサが浮上。変化は確実に生まれていたのです。
2014年6月、ゴールデンボーイ・プロモーションズの大躍進を支えたリチャード・シェイファーがCEOを辞任。オスカー・デラホーヤが再び表舞台に立ち、ゴールデンボーイ・プロモーションズの改革に着手します。長く続いたゴールデンボーイ・プロモーションズとトップランクの冷戦。2大プロモーターの交流が復活すれば、夢と消えたビッグマッチが再燃するかもしれません。
冷戦期間中、ゴールデンボーイ・プロモーションズとトップランクは、所属ボクサーや提携ボクサーを中心にマッチメイクを組み、プロモーター間の交流は遮断(しゃだん)されていました。もしオスカー・デラホーヤが冷戦に終止符を打つことができれば、マニー・パッキャオ対ショーン・ポーターやマルコス・マイダナ対ティモシー・ブラッドリーが実現するかもしれません。
オスカー・デラホーヤはボクシング史上最高の「ピープルズ・チャンピオン」のひとりです。ゴールデンボーイ・プロモーションズの改革を宣言するコメントで、何度も「ファンのため」という言葉を使っていました。ゴールデンボーイ・プロモーションズは大躍進を遂げましたが、大躍進の陰で、オスカー・デラホーヤの理想が少しずつ実現できなくなっていたのかもしれません。
今後、オスカー・デラホーヤはボブ・アラムと話し合いを続け、ゴールデンボーイ・プロモーションズとトップランクのボクサーの対戦を積極的に実現すると宣言しています。「ゴールデンボーイの挑戦」は手詰まり感が出ていたマッチメイクに新風を吹き込むことができるでしょうか?2014年の秋以降のマッチメイクに大きな変化が生まれますように。名勝負が増えるといいなあ。