51歳のイベンダー・ホリフィールドが正式に引退を宣言!名勝負を残してリングに別れ
数々の名勝負を演じた51歳の「リアルディール」が引退です!ヘビー級、クルーザー級の2階級制覇を達成し、不屈の闘志で世界中のボクシングファンを魅了したイベンダー・ホリフィールドが正式に引退を発表し、激闘を繰り広げたリングに別れを告げました。
「正式に引退を表明するよ。もう誰とも戦うことはない。これ以上、殴られることもなくなるね。私たちの時代は、マイク・タイソンやレノックス・ルイスをはじめ、それぞれの個性を生かしたボクサーがヘビー級にたくさんいたんだ。今は体の大きさの時代と言われているけど、やがて変化の時を迎えると思う。これからはリングの外からボクシングを見つめて、楽しむことにするよ」
2階級制覇の実績を誇るイベンダー・ホリフィールドは、マイク・タイソンやレノックス・ルイスをはじめ、たくさんの強豪と名勝負を演じ、世界的な人気を獲得したスーパースターです。ヘビー級転向後の活躍が、イベンダー・ホリフィールドの人気を不動のモノにしたことは間違いないと思います。当時「3団体統一世界ヘビー級チャンピオン」って響きがめちゃめちゃ男前だったんですよ。
最も印象に残っているイベンダー・ホリフィールドの試合は、マイク・タイソンに11ラウンドTKO勝ちを飾った世紀の大一番です。完璧な試合運びでしたね。さらに、マイク・タイソンに耳をかみつかれた再戦は、過去に観戦したボクシングの試合で最大の驚きでした。イベンダー・ホリフィールド対マイク・タイソンの2試合は、いろんな意味で、思い出に残っています。
最も思い出に残っている試合がマイク・タイソン戦なら、最も感動した試合は2008年のニコライ・ワルーエフ戦です。身長213センチ、体重140キロの「ロシアの大巨人」ニコライ・ワルーエフに対して、188センチ、46歳のイベンダー・ホリフィールドは飛び込んで左右のフックを連打。負けちゃいましたが、絶対にあきらめないイベンダー・ホリフィールドの勇姿が今もすぐに浮かびます。
逆に、最も切なかった試合は、9ラウンドTKO負けを喫した2003年のジェームズ・トニー戦です。クルーザー級からヘビー級に転向してきたジェームズ・トニーに完敗を喫してしまい「あああ!ホリフィールド、限界かも」とすごく悲しかったことを思い出します。5年後、ニコライ・ワルーエフに大善戦するんですから、イベンダー・ホリフィールドの不屈の闘志はすごいなあ。
ボクシングに限らず「あきらめない」という言葉が似合うアスリートは「天才肌」じゃないと思うんです。だからこそ、たくさんのファンが、イベンダー・ホリフィールドの努力や勇姿に感情移入して応援し、熱狂したのではないでしょうか?勝ち負けを繰り返した激闘の歴史は、人生の縮図なのかもしれません。「あきらめない強さ」を教えてくれた偉大なチャンピオンでした。