2階級制覇を目指す井上尚弥選手が鉄壁のブロックを誇るオマール・ナルバエスに挑戦
WBC世界ライトフライ級タイトルを返上した「日本の怪物」井上尚弥選手が12月30日にWBO世界スーパーフライ級チャンピオンのオマール・ナルバエスに挑戦することが発表されました。井上尚弥選手がオマール・ナルバエスに勝てば、21歳の2階級制覇チャンピオンが誕生します。プロ8戦目の2階級制覇は日本人最短。めちゃめちゃ楽しみな新旧対決ですね。
井上尚弥選手が挑戦するオマール・ナルバエスは、アルゼンチン出身のサウスポーです。フライ級、スーパーフライ級の2階級制覇を達成。39歳になった今も鉄壁のブロックは健在で、46戦のキャリアで負けはわずかに1つしかありません。唯一の黒星は、3階級制覇を目指して「バンタム級最強」と呼ばれたノニト・ドネアに挑戦したタイトルマッチです。
日本でも絶大な人気を誇るノニト・ドネアに挑戦して、プロ初黒星を喫したオマール・ナルバエスですが、バンタム級時代のノニト・ドネアは圧倒的な強さだったので、逆に「よく12ラウンド耐え抜いたなあ」と思いました。井上尚弥選手が、ノニト・ドネアですら打ち破れなかったオマール・ナルバエスの鉄壁のブロックをどうやって攻略するのかはめちゃめちゃ楽しみですね。
井上尚弥選手にとって、オマール・ナルバエス戦は、スーパーフライ級で戦う最初の試合です。フライ級を飛び越えて、スーパーフライ級の世界タイトルに挑戦することを不安視するメディアもあるようですが、井上尚弥選手はパワーで勝負するタイプのボクサーではなく、スピードとキレで勝負するタイプの万能型ボクサーなので、階級に関して言うと、全く問題ないと思います。
個人的に「井上選手にとって、忍耐力が必要な試合になりそうだなあ。でも、長丁場を想定して、序盤から手数で圧倒し、ポイントをリードすることができれば、2階級制覇を達成できる確率は高いはず。ナルバエスがガードで精一杯の状況を作り出すことができれば理想的だね。手数が絶対に要求されるタフな試合になると思うけど、井上選手なら勝てるよ!」と激しく期待しています。
井上尚弥選手はパンチのバリエーションがめっちゃ豊富で、しかも、速くて強いパンチを急所に打ち込めるボクサーです。そんなわけで、オマール・ナルバエスは、井上尚弥選手の攻撃を警戒して、ディフェンスを大事にしながら序盤を戦うと予想しています。立ち上がりで「イノウエはパンチがあるぞ」と警戒心を植え付けて、ガードが離せなくなる展開に持ち込めると最高ですね。
鉄壁のブロックを誇るオマール・ナルバエスにクリーンヒットを叩き込むことは大変な作業ですが、井上尚弥選手のパンチのスピードと上下の打ち分けがあれば、ラウンドが進むにつれて、パンチがヒットする回数は増えると予想しています。スタミナ配分に気をつけながら「日本の怪物」から「世界の怪物」へステップアップする一歩を踏み出してほしいです!
スーパーフライ級は日本の河野公平選手がWBAのチャンピオンに君臨する階級です。さらに、メキシコが誇る無敗のカルロス・クアドラスがWBCタイトルを保持しています。12月は、30日が井上尚弥選手の挑戦、31日が河野公平選手の防衛戦。井上尚弥選手が2階級制覇に成功すれば、スーパーフライ級が一気に盛り上がりそうですね。みんなで「日本の怪物」を応援しましょう!