ボクシング界の頂点に君臨するフロイド・メイウェザーが戦い続ける理由とは?
PPVの歩合を含めた1試合のファイトマネーは80億円。ダイヤモンド入りのサングラスをかけ「地球上で最も高額」と言われる1億6000万円のスポーツカーで夜のラスベガスを滑走するフロイド・メイウェザー。「金で買えるものはすべて手に入れた」と豪語する「パウンド・フォー・パウンド・キング」がテレビ番組のインタビューで、37歳になった今も戦い続ける理由を語りました。
「戦い続ける理由は2つある。ひとつは、世界で最も優れたアスリートであることを証明するためだ。ボクシングの枠を飛び越えて、最高のアスリートであることを証明することができれば、ボクサーがどれだけ優れているかを証明することになるだろ?もうひとつの理由は、愛する家族のためだ。自分のためだけじゃなく、愛する人たちのために戦うことの意味を特に息子たちに伝えたい」
5月3日(日本時間5月4日)に開催されるマルコス・マイダナ戦のプロモーションを精力的に行っているフロイド・メイウェザーは、メディアのインタビューに数え切れないくらい対応しています。インタビューをチェックしながら「家族の話題が出てる。しかも、息子の話題だ。珍しいなあ」と驚いてしまいました。フロイド・メイウェザーは「パパの顔」を見せるタイプじゃないですもんね。
【試練の王座統一戦!フロイド・メイウェザー対マルコス・マイダナのプロモです】
ちなみに、フロイド・メイウェザーは、息子が2人いて、長男はMMA(総合格闘技)、次男はバスケットボールに熱中しているそうです。反射的に「いやー、ボクシングじゃないんだ。残念!」と思ってしまったのですが、冷静に考え直して「ん?MMAはすごいなあ。時代の流れだね。ケージ(金網)の中を『時空を超越するスピード』で動いているのかな?」と空想してしまいました。
ボクシングを愛する友達や同僚が集まると、必ずフロイド・メイウェザーの話題になります。「メイウェザーのボクシングは好き?」と質問されたら、いつも「もちろん、好きだよ。芸術だもん。でも、熱烈に応援したいタイプのボクサーとは、ちょっと違うかな?」と答えています。
フロイド・メイウェザーに関して言えば「好き」というより「興味深い」という言葉のほうが的確かもしれません。フロイド・メイウェザーに興味を持っている理由のひとつが、まさに「何のために戦い続けているんだろう?」です。お金も名声も地位も手に入れているフロイド・メイウェザーが戦い続ける理由が少しわかって、うれしくなりました。たぶん「うれしい」が的確です。
ボクシング界の頂点に君臨するフロイド・メイウェザーは「対戦相手を指名できる権限」を持っているボクサーです。45戦全勝のキャリアを誇る「パウンド・フォー・パウンド・キング」が5月3日に指名した対戦相手はマルコス・マイダナでした。世界中のファンが希望した「柔と剛の頂上対決」がフロイド・メイウェザーの決断によって、実現することになりました。
フロイド・メイウェザーが「かなり危険な試合になることは覚悟している」と認めているように、一撃で対戦相手をリングに沈めるパンチを連打できる「生粋のハードパンチャー」マルコス・マイダナは「ディフェンスマスター」フロイド・メイウェザーにとって、リスクの大きな対戦相手です。でも、逆に言うと、リターンの大きな対戦相手でもあります。
フロイド・メイウェザーにつきまとう「ディフェンス重視の退屈なボクシング」や「強豪から逃げ続けるマッチメイク」という批判。個人的に「いやいや、強いボクサーばかりと戦ってるよ」と同情してしまうのですが、マルコス・マイダナを撃破すれば、批判の声は確実に少なくなるはずです。「天才」は自ら選んだ試練をクリアできるでしょうか?決戦のゴングまで、あと4日です!