スーパーミドル級10回戦（73.4キロ契約）

村田諒太選手とジェシー・ニックロウの試合内容

激戦区ミドル級の世界タイトルを目指す村田諒太選手が、タフなジェシー・ニックロウを迎えたプロ6戦目。2014年9月に行われたアドリアン・ルナ戦で連続KO勝利が途切れてしまいましたが、10ラウンドの激闘を経験し、ジェシー・ニックロウ戦は、さらなる進化が期待されます。世界タイトル挑戦が見えてきた村田諒太選手は、どんなボクシングを披露してくれるのでしょうか？

試合は、ガードをガッチリと固めながら前進するジェシー・ニックロウに対して、村田諒太選手が距離をキープしながら左ジャブを突き、右ストレートを上下に打ち分ける展開で始まります。村田諒太選手は体を預けて打ち合うだけでなく、距離をキープしながら、ジェシー・ニックロウが飛び込んでくるタイミングで上下に強いパンチを打ち込んでいますね。

「村田選手のボディブローが効果的だね。ニックロウのガードがめっちゃガッチリしているんで、下（ボディ）から崩して、前進を食い止めたいなあ」と村田諒太選手の攻撃に注目する管理人。ジェシー・ニックロウが積極的に距離を詰め、必ずパンチを打ち返してくるので、村田諒太選手は距離とディフェンスを大切にしながら戦っている印象です。

村田諒太選手がジェシー・ニックロウに的確なパンチを打ち込むシーンが続き、迎えた6ラウンド。何とか主導権を引き寄せようとして、体ごと突っ込むジェシー・ニックロウの頭が村田諒太選手の顔面に当たり、村田諒太選手の左まぶたと左頬（ほお）が切れてしまいます。出血しちゃいましたね。

「いやー、ニックロウがなりふり構わず攻めてきたなあ。出血はどうだろう？特に、まぶたのカットが心配だなあ」と思ったのですが、傷は予想より深くないみたいです。再開後は、ジェシー・ニックロウが頭から突っ込んでくるシーンが増え、村田諒太選手が「第3のパンチ」に気をつけながら、距離をキープする展開になりました。中間距離から力強いパンチを打ち込んでいます。

試合は、村田諒太選手がジェシー・ニックロウの前進を力強いパンチで食い止める展開が続きます。村田諒太選手は試合を通して強いパンチを打ち込みますが、ジェシー・ニックロウがダメージを抱えながらも耐え抜き、10ラウンド終了のゴング。勝敗は3人のジャッジにゆだねられます。

採点の結果、3人のジャッジすべてがフルマークで村田諒太選手を支持。村田諒太選手がジェシー・ニックロウに10ラウンド大差の判定勝ちを飾りました。村田諒太選手が距離を着実にキープして、試合をコントロール。村田諒太選手の冷静な戦いぶりが印象的なプロ6戦目でした。

個人的に「5戦目はめっちゃオーバーペースだったけど、6戦目は攻めるところは攻める、休むところは休むを貫いたね。左ジャブから左フックで、突進するニックロウをいなして、すぐに右ストレートを打ち込むシーンが最高だったなあ」と感じました。もしかすると「物足りなさ」を感じた皆さんもいらっしゃったかもしれませんが、攻めも守りも幅がドーンと広がった印象です。

ミドル級のトップ戦線は、強いパンチを打てるボクサーがゴロゴロしていて、さらに、強いパンチに耐えるタフなボクサーもゴロゴロしています。そんなわけで、今後は「ムラタのパンチがくる！」と予想して、耐え抜くボクサーが増えてくると思うんですね。だからこそ、強弱をつけて「必要以上のスタミナを使わないボクシング」がめっちゃ重要になると考えています。

特に、村田諒太選手のボクシングは、一発一発に力を込めてパンチを打ち込む、スタミナの消耗が激しいボクシングです。勝負どころで強いパンチを打ち込むためにも、強弱をつけたボクシングで確実にポイントを奪い、フィジカル面でもメンタル面でも優位に立つ試合運びを今から意識することは、世界タイトル挑戦へ向けて、めっちゃ大事なポイントになると思います。

さらに、ジェシー・ニックロウ戦は、スタミナ配分に加えて「ガードの戻り」を意識したボクシングも印象的でした。対戦相手の耐久力がアップして、今まで倒れていたパンチで倒れない相手が増えてくると、打ち終わりを狙われてガツーンとやられちゃうこともあるので、すばらしい強化ポイントですね。

試合運びとディフェンスの進化が目立った村田諒太選手のプロ第6戦目。もちろん、村田諒太選手の持ち味は攻撃なので、今後は「持ち味の攻撃力を生かしながら、いかにディフェンスと試合運びを強化できるか」に注目したいです。海外で戦うためには、KOも大事ですが、確実にポイントを奪って、勝ち残るボクシングも大事ですもんね。めっちゃ内容の濃いプロ6戦目でした！

村田諒太選手とジェシー・ニックロウの試合結果