マニー・パッキャオ対ティモシー・ブラッドリーはフロイド・メイウェザー戦へ続くのか
2013年11月、初登場のマカオで躍動し、復活をアピールした「パックマン」マニー・パッキャオ。6階級制覇の実績を誇るボクシング界のスーパースターは試合後、ボクシング界の頂点に君臨する「パウンド・フォー・パウンド」フロイド・メイウェザーと対戦したい意向を表明しました。
幻のドリームマッチ。毎年のように浮かび上がり、濃い霧に覆われてしまう「夢の対決」は、世界中のボクシングファンが切望する究極のメガマッチです。頂点に君臨するフロイド・メイウェザー、頂点を走り続けたマニー・パッキャオ。ボクシング界を代表する2人のスーパースターが置かれている立場は、わずか2年で激変しました。
2012年6月、マニー・パッキャオがティモシー・ブラッドリーに不可解な採点の末、12ラウンド判定負け。しかし、7年ぶりに喫した黒星が、世界の強豪を飲み込み続けた「パックマン」の評価を下げることはありませんでした。誰もが「パッキャオは次戦で復活する」と期待していたからです。
【世界中のボクシングファン熱狂するマニー・パッキャオのファイトスタイルとは?】
世界中のボクシングファンに復活を期待され、迎えた2012年12月。4度目の対決となった「宿命のライバル」ファン・マヌエル・マルケス戦が、マニー・パッキャオの運命を大きく変えることになります。ファン・マヌエル・マルケスの狙いすましたカウンターが、マニー・パッキャオの意識を奪い、ボクシング界の頂点を走り続けた英雄は顔面からリングに崩れ落ちました。
トレーナーのフレディ・ローチのアドバイスで、長期休養へ入ることになったマニー・パッキャオ。ひとつの巨星が静かに輝きをセーブした直後、もうひとつの巨星が強烈な輝きを放ちます。「ボクシング史上最速のスピードスター」フロイド・メイウェザーが、テレビ局のShowtimeと6試合200億円の超大型契約を結び、HBOからShowtimeへ電撃移籍。衝撃のニュースが世界を駆けめぐりました。
Showtimeの看板ボクサーとして精力的に活動することを誓ったフロイド・メイウェザー。ライバル局のHBOと蜜月なトップランクに所属するマニー・パッキャオ戦は「実現不可能」と思われました。しかし、マニー・パッキャオ陣営が「パッキャオの試合は、あらゆるテレビ局で放送可能だ。もちろん、Showtimeで放送されることに何の問題もない」とコメント。夢の対決に含みを持たせました。
2014年4月、マニー・パッキャオは「予期せぬ転落」のきっかけとなったティモシー・ブラッドリーと約2年ぶりに拳を交えます。失った栄光とプライド。6階級制覇の実績を誇るボクシング界のスーパースターは、無敗のティモシー・ブラッドリーにリベンジを果たし、濃い霧に覆われたドリームマッチの実現に明るい光を照らすことができるでしょうか?
「メイウェザー戦?臆病なメイウェザーが逃げなければ、いつでも戦う覚悟があるよ。必要があれば、条件を譲歩したって構わないんだ。ボクシング人生の最終章は、世界最高のボクサーと戦いたい。まずはブラッドリーにリベンジして、彼に勝った初めてのボクサーになるよ。旋風を巻き起こした『オールド・パックマン』の復活に期待してほしい。まだまだ世界のトップで戦えるんだ」
フロイド・メイウェザーはShowtimeとの契約満了となる2015年9月を最後に引退することを表明しています。マニー・パッキャオがティモシー・ブラッドリーに勝利すれば、再び世論は、ドリームマッチの実現を後押しするはずです。もしかすると、契約や確執を打ち破ることができる唯一の武器は「純粋なドリームマッチの待望論」だけなのかもしれません。
不可能を何度も可能にした「パックマン」マニー・パッキャオ。世論を最も味方につけることができるボクシング界のスーパスターは、再び奇跡を起こすことができるでしょうか?タイムリミットは2015年9月。限りなく不可能に近いドリームマッチの実現は「奇跡のボクサー」マニー・パッキャオの拳が命運をにぎっているのかもしれませんね。ティモシー・ブラッドリー撃破へ向け、出陣です!