ボクシングのインターネット中継にご協力いただいた日本の皆様に特大の感謝です
2015年1月と2月に実施したインターネットを使ったボクシング中継のレビューとフィードバックにご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました!アメリカの小さなジムに所属するボクサーを中心に、日本になじみのないボクサーの試合ばかりだったにも関わらず、350人を超える日本のボクシングファンの皆様にご参加いただき、心から感謝です!You Guys Rock!!!!!
今回は、リングで戦うボクサー、選手をサポートするジムの露出を最優先したテスト中継だったので、皆様が見慣れているテレビ中継と全く違うカメラワークを採用させていただきました。開始前は「強い違和感を与えちゃうかな?」と心配していたのですが、ボクシングを愛するファンの皆様に改めて「求めているモノは目に見えない感動や感情だぜ」と教えていただきました!
フロイド・メイウェザー対マニー・パッキャオのドリームマッチが開催される2015年は、スーパースターや人気ボクサーだけでなく、未来の世界チャンピオンを目指して練習に取り組んでいるボクサーや小さなジムにとってもチャンスの1年です。世界中のスポーツファンの関心がボクシングに向けられている2015年だからこそ攻め込めるチャンスがいっぱいあると思うんですね。
人気と実力がモノを言うプロボクシングの世界。トップ10のボクサーの収入が、ボクサーの総収入の5割以上を占めています。サッカーやベースボール、バスケットボールをはじめ、メジャーなプロスポーツと比べて、頂点に君臨する選手にファイトマネーが集中している現状は、夢がある反面、長い間、放置され続けている改善すべき課題であることも間違いありません。
ボクシングは「ジム」を母体とする「個人スポーツ」です。NFLやNBA、MLBのような限られた「球団」を母体とする「チームスポーツ」ではないので「参入しやすい」というメリットがあります。一方で「運営資金が集まりにくい」「スポンサーを獲得しにくい」というデメリットをクリアをするためのハードルが、ものすごく高いことも事実です。
実際、仕事のリサーチでお世話になっているアメリカのボクシングジムやMMAジムも「左うちわ」で運営しているわけではありません。所属するボクサーやMMAファイターの生活も同じで、8割のボクサーやMMAファイターが仕事をかけもちしています。アスリートが「スポーツに専念できる環境」を手に入れることは、想像以上に難しいですもんね。日本も似たような現状なのかな?
管理人も奨学金を返済するため、昼に芝刈り(映画「フォレスト・ガンプ」で主人公のフォレストがカートに乗って芝を刈るイメージそのままです)をして、15時にテレビ局入りして深夜まで働いて、休日は撮影と編集のお手伝いをしてのトリプルワークを6年くらい続けていたので「ボクシングやMMAに専念したい」という選手の皆さんの言葉に思わず「うんうん」とうなずいてしまいます。
素人ファンが、応援しているボクサーやジムのためにできることは限られていますが、幸い、インターネット中継は、スポンサーの皆様と視聴者の皆様を思いきり絞り込んでマッチングできる大きなメリットがあります。テレビ中継とインターネット中継のどちらが優れているかという問題ではなく、無名のボクサーや小さなジムにとって、どちらのメリットが大きいかという問題ですね。
例えば、テレビ中継の基本は「コンテンツに興味を持つと予想される視聴者に合わせたスポンサーをできるだけたくさん獲得すること」です。ターゲットが不特定多数ですからね。もちろん、CMが当たれば一発でKOできます。スーパーボウル(NFL)に代表されるように、視聴者数がケタ外れですもんね。特に、英語圏の放送コンテンツは世界戦略を意識して勝負できる強みと楽しみがあります。
一方、インターネット中継は、事前の仕込みがあれば「コンテンツとスポンサーの両方に興味を持っている視聴者を極限まで絞り込んで集めること」が可能です。ボクシングに興味を持っていて、なおかつ、スポンサーの商品やサービスにも興味を持っている視聴者だけを集めちゃおうというイメージですね。当たり前ですが、情報の集め方ではなく、情報の扱い方が勝負の分かれ目です。
もちろん、ボクシングに専念できるからと言って、すべてのボクサーが世界チャンピオンになれるわけではありません。でも、世界チャンピオンに近づくチャンスは高まります。世界タイトルに挑戦するボクサーがジムにひとりでも登場すれば、ジム全体が間違いなく活性化するはずです。ボクシングは個人スポーツですが、ボクサーはみんなの夢や期待を背負ってリングに上がるんですよね。
10日間、日本の皆様からいただいたレビューを拝読しながら、改めて「ボクシングは言葉を理解できなくても感動を共有できるスポーツだなあ」と実感できたことに心から感謝です!スポーツの結びつきってすごいなあ。どんな携帯電話、どの通信回線よりもつながっている気がします(笑)。テスト段階の企画にご参加、ご協力いただき、本当にありがとうございました!