オスカー・デラホーヤがサウル・アルバレス対ミゲール・コットの再交渉を宣言
ボクシング史上初の6階級制覇を達成したゴールデンボーイ・プロモーションズのオスカー・デラホーヤが、ESPNのインタビューで、4階級制覇の実績を誇るWBC世界ミドル級チャンピオンのミゲール・コットと2階級制覇を目指す若きスーパースターのサウル・アルバレスの新旧スーパースター対決を実現するため、まもなく交渉をスタートすることを宣言しました。
「コットもカネロ(サウル・アルバレスのニックネーム)もファンもみんなが希望するビッグマッチだね。来週(6月15日)になったら、さっそく交渉をスタートする予定だよ。理想は、9月開催だけど、年内に実現させることを最優先したいんだ。100ドル払う価値があるかって?もちろんだよ。コットもカネロもすばらしいKOでファンを魅了するスーパースターだからね」
4階級制覇の実績を誇る「プエルトリコの英雄」ミゲール・コット。ボクシング界の未来を背負う「メキシコの至宝」サウル・アルバレス。両雄の対戦は、過去に2度、大きな波がやってきましたが、1度目は、ミゲール・コットが前哨戦(ぜんしょうせん)でオースティン・トラウトに負けた影響で、2度目は、条件がまとまらず、合意に達することはできませんでした。
【ダニエル・ギールを圧倒!輝きを取り戻したミゲール・コットに注目です】
でも、ミゲール・コットがロック・ネーションと大型契約を結び、さらに、ダニエル・ギールに圧巻のKO勝ちを飾ったことで、実現のハードルは一気に下がった気がします。理想は、メキシコ独立記念日と重なる9月開催で間違いないと思うのですが、オスカー・デラホーヤが語ったように「実現することを最優先して交渉を進めてほしいなあ」と「3度目の正直」に期待しています。
2015年5月、フロイド・メイウェザー対マニー・パッキャオのメガマッチが実現し、スポーツファンの視線がボクシング界に注がれました。でも、オスカー・デラホーヤが揶揄(やゆ)したように「PPVに100ドルも払う価値があったか?」と言われると、間違いなく賛否両論の内容でした。
ボクシングファン目線で言うと「勝ち負けを競うスポーツだから、かみ合わない試合もあるよ。ファンはメイウェザーとパッキャオの歴史を踏まえてPPVを買ったわけだから、試合内容がすべてじゃない気がするけどね」と思ってしまう気持ちも強いです。個人的には、ボクシングが「打ち合って勝つ格闘技」から「打たせずに打つスポーツ」へ変化していることを感じた頂上対決でした。
そんなわけで「フロイド・メイウェザー対マニー・パッキャオの次に開催されるメガマッチ」は、いろいろな意味で注目されると思います。ファン目線で言うと「格闘技としてのボクシングの魅力を感じられるメガマッチが理想的だよね。1ラウンドから12ラウンドまで、KO決着の雰囲気を味わえる試合が最高だなあ」と期待しています。いつの時代も「KOはボクシングの華」ですからね。
ウラディミール・クリチコ対デオンテイ・ワイルダー、セルゲイ・コバレフ対アドニス・スティーブンソンをはじめ、いろいろなマッチメイクが考えられますが、ミゲール・コット対サウル・アルバレスが一番かみ合いそうな気がします。どちらもフック系のパンチが得意で、戦う距離も近いと思うんですよ。今度こそ実現できるか?交渉の行方に注目しましょう!