スーパーバンタム級10回戦

ノニト・ドネア対ウィリアム・プラドの試合内容

衝撃のKO負けからの復活を目指すノニト・ドネアが、母国フィリピンへ凱旋（がいせん）した注目の再起戦。スーパーバンタム級へ階級を下げ、王座返り咲きを狙うノニト・ドネアは、ブラジルから乗り込んできたウィリアム・プラドを撃破し、復活をアピールできるでしょうか？

試合は、ガードがガッチリと固めながら距離を詰めるウィリアム・プラドに対して、ノニト・ドネアが左ジャブを突きながらガードのすき間を狙ってパンチを叩き込む展開でスタートします。ノニト・ドネアはリラックスした構えから、パンチを打ち込む瞬間に力を入れていますね。

「プラドは全くパンチを打たないね。ドネアが軽いパンチで誘っているけど、ガードを離せない状況になってるみたい。ドネアはどうやって崩すんだろう？」と立ち上がりの攻防に興味津々の管理人。ノニト・ドネアはわざと軽い左ジャブや右ストレートを打ったり、下がって呼びこもうとしているのですが、ウィリアム・プラドはディフェンスに専念するだけで精一杯のようです。

「さすがのドネアも簡単じゃないよね？」と思い始めた2ラウンド50秒。ノニト・ドネアがアウトサイドから左フックを叩き込み、ウィリアム・プラドの動きが一瞬止まります。次の瞬間、ノニト・ドネアが攻撃へシフト！強烈なアッパーを連打して、ウィリアム・プラドのガードをこじ開け、左フックと右ストレートを狙います。ガードのすき間を狙うテクニックはすごいなあ。

思わず「ドネア、すげえ！」と叫んでしまうテクニックとパワーです。一気に勝負を決めたいノニト・ドネアは振りかぶり式の左アッパーと左フックを連打！ガードを固めているウィリアム・プラドが、右のまぶたから出血する、すさまじい攻撃です。ウィリアム・プラドは、ノニト・ドネアの強打を浴びて、ガードの上からでも効いちゃっていますね。

最後は、ノニト・ドネアがウィリアム・プラドをロープへ詰めて、強烈な左アッパーと左フックを浴びせたところで、レフェリーが試合をストップ。5階級制覇の実績を誇るノニト・ドネアがウィリアム・プラドに2ラウンドTKO勝ちを飾り、凱旋試合で復活をアピールしました。

ノニト・ドネアがウィリアム・プラドを全く寄せつけず、再起戦に勝利しましたね。正直なところ「実力差がありすぎて、勝負にならなかったなあ」と感じたわけですが、ノニト・ドネアの動きはよかったと思います。特に、ウィリアム・プラドのガードを壊したアッパーとフックのコンビネーションは、KO勝ちにこだわるノニト・ドネアの魅力が詰まった攻撃でした。

試合前は「ドネアのフットワークはどうかな？」に注目していたのですが、ウィリアム・プラドがあれだけガードに専念しちゃったんで、フットワークがどうこうっていう内容にならなかったですね。改めて「パンチが当たったときの破壊力はズバ抜けてるよ」と感じたノニト・ドネアの再起戦でした。次戦は、パンチを当てるプロセスをもっと観戦したいなあ。

ノニト・ドネア対ウィリアム・プラドの試合結果