全勝のブライアント・ジェニングスは最強のウラディミール・クリチコに勝てるか?
3団体統一世界ヘビー級チャンピオンのウラディミール・クリチコが敵地アメリカへ乗り込み、全勝チャレンジャーのブライアント・ジェニングスと激突するヘビー級タイトルマッチが直前に迫ってきました。どちらも穏やかな表情で前日計量を終えています。
計量が終わり、改めて感じたことが「クリチコがひと回り大きいね。ジェニングスも小さいほうじゃないんだけどなあ」です。チャンピオンのウラディミール・クリチコの身長は約200センチ。一方、挑戦者のブライアント・ジェニングスは約190センチです。ブライアント・ジェニングスがウラディミール・クリチコの懐へ飛び込めるかは試合のポイントになりそうですね。
ドイツを主戦場にしているウラディミール・クリチコは、実に7年ぶりのアメリカ参戦。ヘビー級の覇権がヨーロッパへ移ってしまい、アメリカのヘビー級は、しばらく「暗黒の時代」が続いていました。でも、デオンテイ・ワイルダーが2015年1月にWBCタイトルを奪取!ブライアント・ジェニングスが勝利すれば、主要4団体のベルトをすべて取り戻すことができます。
【ブライアント・ジェニングスはウラディミール・クリチコを撃破できるか?】
ファンの期待を背負いリングへ上がるブライアント・ジェニングスは「チャンスを与えてくれたクリチコ、支えてくれたチームのみんな、応援してくれるファンに感謝したい。クリチコと戦うわけだから、タフな試合になることは覚悟しているんだ。特に、メンタルの強さが問われる試合になると思う。集中して、作戦通りに戦って、勝利を目指すよ」と力強いコメントを発表しています。
一方のウラディミール・クリチコは「アメリカで防衛戦ができてうれしいよ。ジェニングスはリスペクトに値するボクサーだね。ポテンシャルの高い全勝の挑戦者だから油断できないよ。アメリカのファンにすばらしいヘビー級の試合を楽しんでもらえるとうれしいね」と試合に向けた意気込みを語っています。ウラディミール・クリチコらしい模範的なコメントですね。
2015年3月に39歳の誕生日を迎えたウラディミール・クリチコ。記者会見の会場に50歳のバーナード・ホプキンスがいて、リポーターから「あと10年戦うつもりはある?」と質問されていました。笑いながら「うーん、ちょっと想像できないなあ。ホプキンスは冷蔵庫で寝ているじゃないかな?」とユーモアを交えてコメント。10年は無理でも、あと3年くらい戦えそうな強さです。
30代の後半に入って、ますます安定感が増しているウラディミール・クリチコ。7年ぶりのアメリカで全勝チャレンジャーのブライアント・ジェニングスを撃破し「ヘビー級最強」の存在感をアピールできるでしょうか?ウラディミール・クリチコの左ジャブと右ストレート、ブライアント・ジェニングスの左右の動きと左フックに注目しながら楽しみたいヘビー級バトルです!