世界を転戦して頂点へ!セルヒオ・マルチネスが正式に引退を表明
世界を転戦しながらスーパーウェルター級、ミドル級の2階級を制覇したセルヒオ・マルチネスが2015年6月、公式ツイッターで引退を表明。2014年6月、ミゲール・コットに完敗を喫した直後、現役続行の可能性に含みを持たせていたセルヒオ・マルチネスですが、リングに別れを告げることになりました。
ううう、この日が来ちゃいました。アルゼンチン出身のセルヒオ・マルチネスは、芸術的なカウンターと絶妙な駆け引きを駆使して世界の頂点へのぼり詰めた超絶テクニシャン。母国アルゼンチンを飛び出し、スペインとイギリスで活躍を続け、ボクシングの本場アメリカで大成功を収めたスーパースターです。
セルヒオ・マルチネスが初の世界タイトルを獲得した年齢は33歳。なかなかチャンスに恵まれなかった遅咲きのサウスポーは、世界タイトル奪取をきっかけに、スーパースターの階段をすさまじいスピードで駆け上がることになりました。セルヒオ・マルチネスの伝説を語るとき、絶対に外せない試合が、サウスポー対決となったポール・ウィリアムスとの再戦です。
【ポール・ウィリアムスにリベンジ!セルヒオ・マルチネスの芸術的なカウンターです】
セルヒオ・マルチネス対ポール・ウィリアムスの初戦は2009年12月に開催され、ダウン応酬の末、12ラウンド判定負けを喫してしまいました。しかし、11か月後に開催された再戦は、セルヒオ・マルチネスが狙い澄ました左ストレートのカウンターを叩き込み、長身のポール・ウィリアムスが意識をなくして、バタンとリングへ崩れ落ちる衝撃の結末でした。
セルヒオ・マルチネスが左ストレートを打ち込み、ポール・ウィリアムスがゆっくりとリングへ崩れ落ちていく時間をすごく長く感じたことを今もすぐに思い出すことができます。スピード豊かなテクニシャンのセルヒオ・マルチネスが異国のリングで必ずKOを狙う姿にたくさんの勇気をもらったファンの皆さんも多いのではないでしょうか?生き方がめっちゃ男前なんですよね。
「20年のボクシング人生で苦しいこともたくさんあったけど、うれしいことであれば、すべてを上書きできるんだ。夢に描いていた以上のことをリングで成し遂げることができて、今は感謝の気持ちでいっぱいだよ。私を支えてくれた家族や友人に心から感謝したい。そして、私を応援してくれた世界中のファンに感謝したい。幸せな気持ちで引退できることに心から感謝するよ」
芸術的なテクニックを駆使して「美しく勝つ」にこだわり続けた「最もエレガントなサウスポー」セルヒオ・マルチネス。打たさずに打つボクシングから打ち倒すボクシングにシフトしてボクシングの本場アメリカで大成功した外国人ボクサーのお手本でした。自分がスーパースターであることを強く意識して立ち振る舞うことができる最高のスーパースターに特大の拍手です!